・「介護保険は詐欺だ! 」と告発した公務員―木っ端役人の「仕事」と「たたかい」
(日下部雅喜著:日本機関紙出版センター)
大阪社保協の介護保険対策委員会・介護保険抜本見直し検討会議でご一緒させてもらっている日下部雅喜さんが、今年3月末で堺市役所を退職したことを機に、これまでの歩みとこれからの決意をまとめられた本を読みました。
信念(「国民主権」「憲法擁護」)に基づいた様々な闘い、不正を許さないまっすぐな姿、制度を熟知し高齢者・家族、事業者をめぐる実態を踏まえた「介護保険は詐欺である」という核心をついた批判、日下部さんの歩みや思いが浮かび上がってきました。すごいなと率直に感じました。
また、公務員としての経験からの「役所に質問する時の7ヶ条」というアドバイス、介護保険制度導入時に政府の役人が言ったという「(介護保険は)幸せの鰍ッ捨て」(保険料を支払っても使わないまま亡くなる方がいるということに対するコメント)などが紹介されており、介護保険の経過も含めた問題点を確認できる内容になっています。
ご自身の思想的な変遷の話もあるいみ面白く読ませていただきました。いろいろな経験を重ねながら、どう歩むかを自分で考えることは大事ですね。
「障害者も高齢者も大同団結して、負担押し付けに抵抗するような運動が全国規模で必要ではないか」との提起は、大いに同感するところです。
日下部さんのお酒好きは、多くのみなさんの知るところ。僕も会議終了後に飲みに行った時にいろいろな話を聞かせてもらっているのですが、さらにその話が楽しみになりました(飲みすぎには注意します)
多くのみなさんに読んでほしい一冊です。
目次
序章 わたしのふたつの顔―「介護保険窓口の木っ端役人」と「介護保険告発の活動家」
第1章 たった一人で反乱 2000年、堺福祉会の不正を告発
第2章 堺市を舞台とした福祉・介護の不正とのたたかい
第3章 大阪社保協(福祉・介護オンブズネット、介護保険対策委員会)の活動
第4章 介護保険料を告発し続けた16年間
第5章 役所の中で解決しなければ住民とともに わが公務員人生
第6章 平和運動、自治体労働運動―私の思想遍歴
終章 介護保険は詐欺である
http://booklog.jp/users/na1129jr/archives/1/4889009353
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