事務局長通信

基本合意締結5年にあたっての訴訟団声明

基本合意締結5年にあたっての訴訟団声明

2015年1月9日
障害者自立支援法違憲訴訟団

 2010年1月7日に国と障害者障害者自立支援法違憲訴訟団との基本合意文書が締結されてからこの1月7日でまる5年を迎えた。

 基本合意文書では、
●国は違憲訴訟の趣獅揄オ、今後の障害福祉施策を、障害のある当事者が社会の対等な一員として安心して暮らすことのできるものとするために最善を尽くすことを約束したこと
●障害福祉施策の充実は、憲法等に基づく障害者の基本的人権の行使を支援するものであることを基本とすること
●国は、障害者自立支援法を、立法過程において十分な実態調査の実施や、障害者の意見を十分に踏まえることなく、拙速に制度を施行するとともに、応益負担(定率負担)の導入等を行ったことにより、障害者、家族、関係者に対する多大な混乱と生活への悪影響を招き、障害者の人間としての尊厳を深く傷つけたことに対し、原告らをはじめとする障害者及びその家族に心から反省の意を表明するとともに、この反省を踏まえ、今後の施策の立案・実施に当たること
●「介護保険優先原則(障害者自立支援法第7条)を廃止し、障害の特性を配慮した選択制等の導入をはかること。」との訴訟団の指摘する問題点を踏まえてしっかり対応すること等々が明記され、私たちはその実行と実現を信じてきた。
 
 確かに、2011年8月5日障害(者)の社会モデルを採用した改正障害者基本法が施行され、同月30日障害者総合福祉法の骨格提言がまとまり、2014年1月には障害者権利条約が批准され、同年2月から国内法的効力を生じるなど、障害の有無に関わらず共に生きる社会への下地作りが整備されるなどの前進はあった。

 しかしながら、2013年4月に施行された障害者総合支援法は、廃止されるはずだった障害者自立支援法の骨組を維持したままであり、基本合意と骨格提言が求める、障害者が基本的人権を行使しながら共に生きる社会を保障する法体系からかけ離れたままであり、基本合意の履行の約束は未だに果たされていない。

 最近でも障害年金給付の抑制、障害者福祉報酬の削減等、障害者の暮らしの安心を損なうようなニュースが多く、改革の流れが逆流しているとの悲観的な声が寄せられる昨今である。

 私たちは、今こそ、基本合意の実現は、障害のある無しに関わらず誰もが安心できる社会を実現することであることの意義を訴え、国に対してその完全実現を強く求めることをここに確認し、基本合意5年の声明とする。

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