※「学校で教えてくれない音楽」(大友良英著;岩波新書)
世間で知られたところでは、朝ドラ「あまちゃん」の音楽をつくったことで有名な「大友良英」さんが書いた「学校で教えてくれない音楽」を読みました。
第一線で活躍されている大友さんですが、学校の音楽の時間は嫌いだったのだとか。そこで、学校の音楽の授業が苦手な人でも大丈夫な授業を目指し、一般参加型の音楽プロジェクトや障がいを持つ人々とのワークショップを各地で開催していて、そうした実際の授業の様子が記されています。
「音楽が単体でなりたつものではなくて、「場」そのものを生み出す原動力のようなものであってほしい」「人も音楽もひとつの価値観に縛られる必要はないし、みんなが同じ方向を向く必要もない」等のメッセージは、音楽のみならず様々なジャンルに共通するものにつながります。即興音楽って聴いたことがほとんどありませんが、今度聴いてみようかな。機会あれば、参加してみたいとも思いました。
関連動画がYoutube(書名を入力すると出てきます)で流されているので、そちらを観ながらも楽しく読めると思います。
※「東北を聴く~民謡の原点を訪ねて~」(岩波新書;佐々木幹郎著)
著者が、津軽三味線の二代目高橋虫Rとともに、東日本大震災の被災地の村々を「門付け」して歩いた民謡と語りをめぐる旅を記録した本。「牛方節」「斎太郎節」「新相馬節」等々、土地に生まれて根づいた唄に、どんな思いが込められてきたか、時代を経て唄はどのような変容をとげてきたのかが、東日本大震災の被災者の記憶とともに紹介されています。
「民謡。それは一人の製作者が作ったものでない。土地の文化に根ざし、同時にその土地に、陸路や海路で流れ込んできた他の土地の文化を強く残している」は、書かれていた言葉。働く中で生まれたうた、生活の中で生まれたうた、自分の身体の奥深くに染み込んでいるであろう歌に、巡り会いたいなと思いました。
「初代高橋虫Rが1933年3月3日未明の三陸沖地震に遭遇していた」という話しが、紹介されています。塩街道の起点である野田村に「唄会」興行で来ていて、まだ「虫R」を名乗る前のこと。唄会が行われた場所は、僕が震災支援で初めて訪問したの「海蔵寺」近くの倉庫であったとの話しに、何かしらのつながりを感じました。
2代虫Rの演奏は、2度ライブで聴いたことがあります。また、どこかで聴きたいなと思います。
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