事務局長通信

社会福祉法改正法案、衆議院厚労委員会で可決!

 昨日(7/29)行われた衆議院厚生労働委員会において、社会福祉法等の一部を改正する法案が、自民、公明、民主、維新等の賛成多数によって可決されました(共産は反対しました)。

 同法案の審議は、7/8に約3時間と本日7/29の約4時間のたった7時間しか行われず、7/10の参考人質疑をあわせても3日10時間程度の審議となりました。

 今日の採決にあたり、民主党は修正案を提出しましたが反対多数で否決され、その後の採決で民主党は一転して与党原案に賛成しました。この採択には、行動に参加した約80人の傍聴者からどよめきの声があがりました。また、採決後には自民、公明、維新等から同法に対し、附帯決議をつけることが提案され、8つの決議がつけられることが了承されています。

 今後の社会福祉を大きく変質させる重要な法案を、ろくな審議もしないまま強行採決に踏み切ったことに対し、私たち障全協・日本障害者センター「社会福祉事業のあり方検討会」から、添付の抗議声明を発信されています。

 以下、全文を紹介します。


内閣総理大臣 安倍 晋三様
厚生労働大臣 塩崎 恭久様

衆議院における社会福祉法等の一部「改正」法案の強行採択に対する抗議声明

2015年7月29日
障全協・日本障害者センター 社会福祉事業のあり方検討会

 2015年7月29日、衆議院において社会福祉法等の一部「改正」法案が自民・公明・民主・維新の党の賛成多数で強行採択されました。今回、この法案の審議は、参考人の意見陳述・質疑等を含めて10時間ほどしかなされていません。本法案は今後の社会福祉事業のあり方・支援を要する人たちの基本的人権や生存権に重要な影響を及ぼすものであるにも関わらず、利用者や福祉・介護職員の実態を反映させた審議を十分にしないままに可決したことに対して私たちは強く抗議します。

 本法案の低額・無料のサービス(地域における公益的な活動)は、公益性・非営利性の徹底という名目の下で、生活困窮者や介護保険の要支援者など公的制度から除外された人々への支援を社会福祉法人に転嫁し、社会福祉事業の利用者の支援のための報酬や人材を他の事業に流用させるものです。そして、この責務化を含む今回の「法改革」は、社会福祉事業のあり方を根本的に変質させ、支援の量と質を低下させます。今回の「諸改革」で、国の狙いは小さな政府と「自助・互助・共助・公助」に基づく地域包括ケアシステムの実現にあることが明らかになりましたが、社会福祉法人が担うべきは国の責任や予算を縮小するための「安かろう・悪かろうの公的福祉」ではありません。

 また、福祉・介護職員の確保を掲げながら、障害分野における社会福祉施設等退職金共済への公的助成の廃止を進めるのは、明らかに矛盾しています。福祉・介護職員が確保できないことで、最も困るのは支援を必要とする人たちです。要支援者の基本的人権を担保するためには、基本報酬を減額して、福祉職員の処遇改善加算をつけるといったまやかしの対応ではなく、真に福祉・介護職員の処遇向上・老後の生活保障の確立につながる改革こそが急務です。しかし、これらについての十分な検討もなされていません。

 安倍政権下では、社会福祉法等の一部「改正」案だけでなく、国民の生活に関わる重要法案が拙速に審議され、可決されています。特に、安保関連法案(戦争法案)は今後の日本の行方を左右する重要な問題です。歴史的に国家が戦争に向かう時、最初に切り捨てられるのが社会保障であり、貧困層であることを忘れてはなりません。戦争と福祉は両立しないのです。今重要なのは、日本が世界に誇る憲法9条を維持し、憲法25条と障害者の権利条約の批准国にふさわしい社会保障・社会福祉を実現することです。私たちは社会福祉法等の一部「改正」法案の採択に強く反対するとともに、参議院での慎重な審議と本法案の廃案を求めます。

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