事務局長通信

障害福祉報酬改定について思うこと

【障害福祉報酬改定について思うこと】
具体的な単位等の中身は明らかとなっていないが、2月になったら示されると予想している。

障害は当初マイナスと言われていたが、政府予算案発表の段階では「総額据え置き」と報道された。厚労省に対して与党国会議員が、『政権を潰す気か』と詰め寄ったことが影響したとの話し(マスコミ報道あり)も聞く。

その真偽はわからないが、いずれにしても「とりあえず介護と違って障害は何とかなった」とする論調が一部ネット上等で存在する。びっくりするが放っておけないと思い、そのことについて自分の意見を述べたい。

総額据え置きと言われるが、支援現場職員の処遇改善(月額1万2千円UP)も含まれており、実質的に1.78%のマイナスであると試算されている。報酬改定に関する議論内容を見ていると、サービス提供時間によって報酬単価に差をつける(生活介護ー例えば4時間未満、4時間~6時間、6時間以上8時間未満、8時間以上というように変わる)こと、これまでよりさらに成功型報酬(就労系サービスー工賃が高いかどうか、一般就労者数が多いか少ないか等)となることが想定される。据え置きと言っても、事業内容によって差が出ると言うことである。さらに、サービス内容に踏み込んで評価する(入浴があるか、夕食を提供しているかどうか等)という流れがある。大きな焦点でもある食事提供加算、現行42単位から下がることが予想される。当事者の状況・事業所の考え方によって変わるが、つまり重度の障害者を受けとめている事業所は減収となる可能性が高い。経営・事業運営に責任を持つ者は、とても苦しい立場に置かれている。

提供時間は、事業者には悩ましい。内容を抜き(使いたくない表現である)として、障害児の放課後保障は、サービスが豊富に存在し家族の就労可能性も高くなる。成人期事業所の場合は、多くが15時半には終了し家族(特に母親)の就労が難しくなる。「もっと長い時間見て欲しい」との声はどこでもあり、事業所は声に応えることと報酬=事業収入との関係を見ざるを得なくなる。さらに付け加えるなら労働法規を守るのは当然のことであるから、8時間内に実際の支援と制度上で求められる記録等の実務を行うとなると、通所においても職員の2交代勤務が当たり前となり職員間の意思疎通がさらに難しなると思われる。別の表現をすれば、本人の要求や課題を踏まえた支援が出来なくなることであり、それが現実になると福祉の仕事は、本当に魅力のないものとなってしまう。こんなことは、許してはならない。

社会保障・社会福祉制度が厳しくなっているのは、周知のことである。介護・年金・生活保護・医療、軒並み給付削減・負担増である。背景はもちろん違うが、障害者個々にとって医療・年金・生活保護等は切っても切り離せない。角度を変えて言うと、障害者分野の施策だけがよくなっても当事者には一時的であり、さらに言うと障害者分野だけがよくなることは決してないのである。付け加えで、分断を持ち込む手法としてよく使われるのは、一方だけを守り一方だけを切り捨てること。救われた方も実は何年か後には捨てられ、立ち行かなくなるのである。

今こそ共同した運動が必要である。どれだけできるかはわからないが、そこに自分の力を注ぎたいと思う。

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