名張市立病院を守りよくする会

連絡先:三重県伊賀市緑が丘西町2382-14 伊賀・名張ユニオン内
    TEL・FAX:0595(24)5300

名張市立病院のあり方を考える集い【ご報告】

2023-12-13 21:42:44 | 日記

名張市立病院を守りよくする会は12月3日、名張市立病院のあり方を考える集いを武道交流館いきいきで開きました。講演とシンポジウムの発言(要旨)などを紹介します。

 

■開会あいさつ 和田四十八さん 名張市立病院を守りよくする会代表世話人

 名張市立病院は市民の願いで1997年にでき、救急医療など役割を果たしてきました。しかし、身売りの話が持ち上がったため、2021年に市立病院を守りよくする会をつくり運動してきました。市立病院に対する意見を出し合っていただき、市民にとってよりよい病院になるよう取り組んでいきたい。

 

■講演

「公立病院の使命と名張市立病院の改革課題」 立命館大学講師(医療福祉生協法人勤務) 大松美樹雄さん

 2000年代に入り「小泉構造改革」路線以後、医療費を厳しく抑制する政策が行われ、公立病院の経営が厳しくなっています。市立病院が公設民営の「指定管理」にされ徳洲会が受託した大阪・和泉市では、高額医療機器の購入は市が全額負担し、減価償却費も徳洲会の負担は半分で、機器購入先も徳洲会グループです。そこまでしても病院を「外部化」したいというのが自治体当局者の本音です。

 これに対し、住民の視点に立った真の公立病院改革が各地で取り組まれています。長野県松本市では、コロナ対応で市立病院が軸になり地域医療の連携で日常医療と災害医療を追求し、「松本モデル」と呼ばれました。

 名張市でも市民参加で市立病院のあり方を探求していってほしい。名張市立病院の収支をみるとコロナ前で医業収支は赤字ですが、帳簿上の減価償却費をのぞけば1億円余にすぎません。病院の収支や課題をしっかり把握するとともに、「市立病院フェスタ」なども交えて病院と住民のつながりを広げながら、それを力にして名張市にふさわしい地域医療づくりに取り組んでほしい。

 

シンポジウム「市民に親しまれ、信頼される市立病院をめざして」の発言から

 

市立病院が命を救ってくれた 橋本みちよさん 市立病院で治療・入院 

 2年前に脳出血を起こして市立病院に運ばれ、脳外科の先生がすぐに診てくれました。18日間入院しましたが、リハビリも受けられ、大きな障害も残ることなく感謝しています。懸命に働いておられる医師や看護師の姿を毎日見ていて大変な仕事だと思いました。元気に働いてもらえる市立病院であってほしいと思います。

 

市民が経営する病院に 田岡康秀 すずらん台二区自治会長 

 市民と行政、議会が協力してできた市立病院を市民全体で守らないといけないという一致点があると思います。独法化については市民から多くの疑念が出されており、市民的議論なしで進めないでほしい。名張市は色々な形で地域の協力を得ており、市民を信頼して協力を得たらどうでしょうか。市から独立した経営者に任せるのではなく、市の直営で市民も経営に参加する名張型の市立病院をめざしたい。

 

市民的議論・合意なく決めないで 深山直人 名張市立病院を守りよくする会 

 守る会の市民アンケートでは民営化よりサービス充実を求める声が過半数となり、職員アンケートは7割の人が独法化で経営は改善されないと回答しました。市民的議論や合意なしに勝手に決めないでほしい。問題が多い独法化ではなく、市民の声が反映できるよう市の直営で議会のチェック機能も維持しながら、サービスと経営の改善をしてほしい。

 

市立病院のままで経営改善はできる 三原じゅん子議員(市議会経営改革特別委員会) 

 市立病院への支出は12億円、半分は国の補助金が入っており、300億円の一般会計を圧迫するものではありません。市議会の委員会で名張と同規模の兵庫県芦屋市立病院と香川県坂出市立病院を視察しました。独法にしなくても公営企業法の全部適用で管理者を置いて、医師を確保し、市と職員が一丸となって経営改善を果たしています。名張市が安心して住める街としてあり続けるために市立病院として守りよくしていくことが重要です。

 

公務員だから住民のため頑張る濱本捨男さん  介護施設・やわらぎの郷

 市の検討委員会の答申は、公務員では意識改革ができないから独法にといいますが、その考えがおかしい。公務員だから住民のために頑張るのだと思います。独法化にすれば賃金を安くし非正規雇用にできるというのもおかしい。介護では40代でも賃金は20万円少し。国の制度が悪いためですが、医療や介護に金を出さない姿勢こそ変えるべきです。

 

患者中心の医療が損なわれる 市内の開業医 

 医療機関は行政指導を受けています。その際、一部の診療報酬の不正請求事例をとり上げ、高点数イコール「悪」であるかのような選別によって、事実上の萎縮診療が強いられています。大多数の医師が真摯に患者と向き合って医療にとりくんでいる実態を無視したこのような指導は、「医者は不正をするもの」という敵意を持った決めつけともとれますが、大局的には過度な医療費削減政策からくるものと思われます。

市立病院の独法化の動きには、患者中心の医療が損なわれる等多くの問題点が指摘されますが、戦後築かれてきた民主主義的権利を1枚1枚剥がす狙いとして、民主主義を守る重要なたたかいと思います。

 

労働条件改善、パワハラ根絶を 伊賀名張ユニオン 大塚偉介さん 

 名張市立病院職員から、「残業を申告しにくい」「年休をとりにくい」「産休で嫌がらせを受けた」「スキルアップ研修を受けさせてもらえない」との訴えが寄せられました。守る会の職員アンケートでは、ハラスメントを受けたり見たことはあるかとの質問に77%が「ある」と回答。メンタル不調病休者が異常に多いことも明らかになりました。こうした実態を考慮せず、独法化を進めることは問題です。

 

閉会あいさつ 臼井照男名張市立病院を守りよくする会事務局長

 公立病院の重要性が改めて明確になりました。市長は年内もしくは年度中に結論を出すといっており、運動への参加を呼びかけます。

 

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名張市議会市立病院経営改革特別委員会 市立病院「独法化」の中間報告へ  三原議員らが反対

2023-11-12 17:14:42 | 日記

名張市議会の市立病院経営改革特別委員会(6人)が10日開かれ、市立病院を「独法化」すべきとの意見が多数を占めたという中間報告をとりまとめることを、三原、柏両議員の反対を押し切って決めました。

市民不在で国や県のいいなりに独法化にアクセルを踏もうとする危険な動きです。「名張市立病院を守りよくする会」が12月3日に開く「名張市立病院のあり方を考える集いー公立病院として拡充をー」を、〝市民の議論・合意もなく独法化を勝手に決めるな〟という市民の意思を示す場として成功させる意義が大きくなっています。

この日の委員会では、永岡、吉住、常俊、川合の4氏が「独法化が一番リーダーシップをとって経営改革できる」などと「独法化」を主張し、永岡委員長が中間報告を出すことを提案しました。

これに対し、三原氏は、「民間でできない医療を提供するのが公立病院の一義的任務。同時に収支改善を進めていく必要もある。そのためには直営で市の施策が反映でき、議会のチェックもできる公営企業法の全部適用がふさわしい」と主張。その上で、「市の独法化の財政シミュレーションも出ていないなかで中間報告を出すのは拙速だ」と反対しました。

柏氏も「独法化でなぜよくなるのか示されていない。経営者が悪い方向にいった時に誰がチェックするのか。千歳市民病院は一部適用でも経営改善をした。まずは全部適用で経営者をおいてやるべきだ」と主張し、中間報告に反対しました。

これに対し、永岡氏は「マイナスばかりいうと何も進まない。独法化で暴走する管理者を知らない」と強弁し、中間報告を行うことを一方的に決めました。11月20日に開く市議会全員協議会で報告を行う構えです。

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【名張市立病院のあり方を考える集い】開催のご案内

2023-11-12 16:51:35 | 日記

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類へと移行し減少傾向にあります。しかしウイルスは変異を繰り返すため今後どのようになるか先行きが不透明です。そのうえ例年以上にインフルエンザが早く流行し広がりを見せています。

このような状況下ではありますが、私ども「名張市立病院を守りよくする会」は、12月3日(日)に下記(※画像参照)予定で「名張市立病院のあり方を考える集い」を開催することとしました。

名張市及び名張市立病院は9月に「市立病院経営強化プラン(素案)」のパブリックコメントを実施されました。

素案によれば、市立病院の経営形態にも触れられており、且つ行政として独法化された病院の視察・調査をしていくとなっています。

今一度、市立病院はどうあるべきか、公的病院の在り方について考え、意見を出し合う必要があると考え「集い」を計画しました。

市民の皆様にも、自分たちの命の砦である市立病院がどうあるべきか重大な関心があることと考えます。

お忙しいとは思いますが、ぜひ参加していただきたいと考えますのでよろしくお願い申し上げます。

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名張市議会市立病院経営改革特別委員と懇談

2023-09-28 10:36:15 | 日記

市民的議論を要望、独法化は問題ありと指摘

 名張市立病院を守りよくする会は922日、名張市議会の名張市立病院経営改革特別委員会と懇談しました。委員会から永岡、吉住、川合、三原、常俊、柏の6市議が出席し、守る会のメンバー8人と意見交換しました。

 特別の議員から、名張市立病院と同規模(200床未満)の香川・坂出市立病院、兵庫・市立芦屋病院の視察が報告され、「公営企業法の全部適用で経営を改善している「どんな管理者が来るかが重要だ。経営形態はその管理者と相談してきめればいい「どんな病院にするか市民の声を聞いて構想を決め、それにあった経営形態を考えるべき」などの意見が出されました。

 守る会からは、名張市立病院在り方検討委員会の独立行政法人化の答申に関する市の説明会は3回だけ。経営強化プランも一般市民には難しい。わかりやすく説明してほしい」「市長は市民に説明することなく独法化を進めようとしている。市民的議論を行うようにしてほしい」「職員アンケートでは独法化になれば辞めるという声もあった。市民や職員の意見をよく聞いてほしい」と要望。委員から市民の意見を聞いてプランをたてることが重要。市議会がその役割を果たさないといけない」「市が方針を決める前に市民の意見を聞く副院長が市議会で答弁した。守らせないといけない」と市民的論議が必要だとの意見が相次いで出されました。

経営形態の見直しについて委員会から、「委員の考えが異なるので案を出すことは考えていない」としつつも、何らかの提言は考えないといけない」とも。「独法に賛成」という意見の一方、「いきなり独法は問題。まず全部適用でやるべきだ」という意見もありました

守る会から「建設時の借金返済はもうじき終わる。財政面からの検討は必要ないと考える」「独法化には大きなデメリットがある。大津市民病院ではリストラで医師が減り救急受け入れ・手術停止になった」「独法化になれば市の関与、議会の関与が弱くなる」と指摘。委員からも「借金返済が終わり財政はよくなる」と発言がありました。

 市民ニーズにこたえる病院づくりに関して守る会からは「紹介状なしに受診できるようにしてほし。そのため200床未満にすることの検討を」「パワハラをなくしてほしい。起こした幹部がまだ病院改革を担当しているのはおかしい」などと求めました。

 

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名張市立病院に関するチラシ【訂正とお詫び】

2023-09-25 10:33:33 | 日記

この度、当会が発行した名張市立病院に関するチラシの年度表記に誤りがありましたことを深くお詫び申し上げます。

チラシおもて面上段に記載されておりました「2022年、名張市議会より市立病院の指定管理者制度への移行(民営化)の提言が出されました。2023年の市長選挙で推進していた候補が落選(省略)」の文言は「2021年、名張市議会より市立病院の指定管理者制度への移行(民営化)の提言が出されました。2022年の市長選挙で推進していた候補が落選(省略)」の誤りでございます。

この誤りはチラシ作成時の入力ミスによるものであり、当会の意図するものではございません。

今後このような事がないよう徹底したチェック体制を敷くことで改善に努めて参ります。

誤った情報により、お読みいただいた皆様に混乱を招いてしまい、ご迷惑をお掛けいたしましたことを心よりお詫び申し上げます。

紙面は全て印刷済みであり、訂正することが困難なため、当ブログページでの訂正となりましたこと、重ねてお詫び申し上げますとともに、何卒これらの諸事情をご賢察いただき、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

 

 

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