名張市立病院を守りよくする会

連絡先:三重県伊賀市緑が丘西町2382-14 伊賀・名張ユニオン内
    TEL・FAX:0595(24)5300

名張市立病院地方独立行政法人化 中期目標(案)について【見解】

2024-12-14 19:37:53 | 日記

名張市立病院を守りよくする会

代表世話人 年金者組合伊賀名張支部長 和田 四十八

新日本婦人の会名張支部長 内橋 晃子

名張市議会の民主化を求める会代表 安原 弘美

伊賀名張地域一般労働組合執行委員長 臼井 照男

                          連絡先 伊賀名張地域一般労働組合

TEL 090-6558-5659 大塚偉介

 

(はじめに)

 中期目標に記載すべき事項は地方独立行政法人法によって定められており、名張市の中期目標も法の規定に沿って表記されているだけで、名張市立病院の将来像が見えてきません。中期目標・中期計画ともに議会の議決は必要ですが、本来果たすべき名張市の公的責任や議会の関与は大幅に後退する制度となっています。以下、中期目標案について、私たちの見解を明らかにし、市民・職員のみなさんと大いに議論を進めたいと考えています。

 

1 産婦人科の新設をなぜ言わないのか

今回の名張市立病院独法化中期目標案は、「二次救急及び小児救急医療体制の堅持」「がん、心疾患、脳卒中等の医療需要に応じた診療機能の強化」など、私たちの主張や運動が反映されている面もあります。しかし、伊賀地域でお産のできる施設がなくなるという状況の中で、「産婦人科の設置」について一言も言及のないのは、市民への公約を裏切るものです。名張市総合計画~なばり新時代戦略~(P15)は妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援 (名張版ネウボラ)を表明しています。名張市立病院が計画的に小児・周産期医療を充実させることは人口減少問題にも対応できるものと考えます。

 産婦人科の設置のことを一言も言えないのは地方独立行政法人化の欠陥といえます。パブリックコメントでお茶を濁すのではなく、この法人化計画をいったんストップし、市民と徹底した対話と合意を求めます。

 

2 地方独立行政法人化の本質

地方独立行政法人は「経営の自律性、機動性、透明性の高い経営形態」だとし、行政(名張市)が中期目標によって法人に指示する形で公的責任を果たす構造になっています。いわば名張市は間接的に公的責任を果たす形になり、表向きは公的責任を果たしているとのアピールにすぎず、名張市の市民に対する命や健康、福祉を守る公的責任はあいまいなものになっているのは、上記産婦人科の設置をいわないことでも明らかです。

結局、地方独立行政法人化の本質は、法人の黒字経営が至上命題で、市民の切実な医療ニーズや機能の充実は後景に追いやられ、患者負担の増大やサービス低下につながると言わざるを得ません。

 

3 主権者たる市民の声を反映するシステムがない

住民は「市民に対して提供するサービス」というサービスの受け手というだけでなく、市民の医療・介護へのアクセスの権利を保障し、基本的人権を守る市立病院でなければならず、主権者たる市民の声をどのように聞くのか、このような原則の表明がありません。

 

4 運営費負担金について― 他人事のような表現

名張市は地方独立行政法人化によって法人を指導する立場になりますが、実際は法人の自主性を尊重する立場になるので、名張市の関与は大幅に後退します。さらに、運営費負担金について、「ただし、・・・」以降の表現は、市民が求める政策医療を名張市が責任をもって負担すべきにもかかわらず、法人に責任を転嫁し、他人事のような表現になっています。結局、運営費負担金削減につながり、政策医療の後退につながるのは明らかです。

 

5 議会に説明し議論する機会が大幅に後退

中期目標や中期計画は3~5年で議会の議決は必要ということですが、数年の運営を短時間で議論できるのでしょうか。議会は評価委員会の報告の域を出ないことになってしまいます。議会は随時、病院関係者と議論し、名張市の財政上の措置責任を議論できるようにする必要があります。 

地方独立行政法人の特徴に透明性の確保がうたわれていますが、毎年議会で議論されてこそ透明性が確保され、市民の声が届くのではないでしょうか。

 

6 今すぐパワハラの解消、安心・安全の医療体制を!

 現在の病院においてもパワハラがあり、無理な病床運営、職員の健康を犠牲にした労働実態などがあると聞いています。これらは今すぐに改善すべき課題であるにも関わらず、それを放置し「効率的な経営」を求めることは結局職員を犠牲にした運営につながるのではないかと考えます。

中期目標案では、「業務改善に取り組む組織風土の醸成」「人事評価制度の構築」「働きやすい就労環境の整備」「ハラスメントの根絶」などが書かれていますが、現在の病院で発生している諸問題を考えると、病院に課題を押し付けるだけで、名張市の責任はどうなっているのかと疑問を感じるだけです。これでは独法化によってさらにひどくなるのではと、危惧を覚えるのは当然です。

なお、人事評価制度の構築が給与・昇給・ボーナスに連動させるようなものを想定しているなら、活気ある職場づくりに結びつかないことを付言しておきます。

7 病院の経営には診療報酬問題や職員の勤務体制など根本問題がついてまわります。最近でも、診療報酬改定や介護報酬改定で多くの医療機関や介護施設が赤字になっていると聞きます。この中期目標案がきれいな言葉で並べられていても、このような問題を切り捨て、経営収支の問題に収斂してしまうことに危惧を覚えます。

私たちは、名張市が市直営を堅持して、名張市が指導性を発揮して病院運営の改善に取り組むことを求めるものです。

以上

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守りよくする会、市立病院独法化「中期目標」について見解発表

2024-12-14 19:33:56 | 日記

公的責任が後退、市民ニーズに応えない

 

名張市立病院を守りよくする会は4日、名張市立病院が独立行政法人化された場合の「中期目標」案について、公的責任が後退し、市民の切実なニーズに応えないものだとする見解をまとめ、北川裕之市長と永岡禎議長に提出しました。代表世話人の内橋晃子、安原弘美両氏らが、市長には秘書広報室を通じて、永岡議長には直接渡しました。提出後、名張市役所内で記者会見しました。

見解では、市内で出産ができる施設がなくなる事態にもかかわらず、中期目標に「産婦人科の設置」について言及がないことを指摘し、北川市長の「公約の裏切りであり、独立行政法人化の欠陥」と強調。「法人化計画をいったんストップし、市民と徹底した対話と合意を求める」と表明しています。

市民に対する公的責任があいまいになる一方、黒字経営が至上命題となっており、「市民の切実な医療ニーズや機能の充実は後景に追いやられ、患者負担の増大やサービス低下につながる」と述べています。

さらに市民の声を反映する仕組みがなく、議会に説明し議論する機会も大幅に後退すると強調。パワハラや職員の健康を犠牲にした労働実態を放置して「効率的な経営」を求めていると批判。「市直営を堅持して、名張市が指導性を発揮して病院運営の改善に取り組むことを求める」と表明しています。

 

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