不思議な言葉だ。家を探す。
自分が家を見失ったかのような文字面ではあるがそうではない。転居先を探すということだ。
前回の現宅への転居の際、親が連帯保証を土壇場で拒否するという事態により退去日差し迫る中次の家を探す、というトラブルがあった。世間的には転居先が急遽変わったのはCovid-19影響で建材が入らず入居予定物件の引き渡しが間に合わなくなった、ということにしているが実際は親の謀反だ。3週間で全て済ませられる先を探した結果いまの貸家にいる。
いま10ヶ月目。この約270日を振り返ってみよう。
フルリノベーション済み、という触れ込みのこの家に入居した最初の日に異常な寒さを感じ、この家に断熱材が入っていないことに気付いた。リノベって内装をやりかえただけかよ…と絶望したわけだ。
地獄の真夏は屋根からの熱を100%取り込む2階では眠れず1階リビングにキャンプ用のマットを敷き1ヶ月背中が痛い…と嘆きながら過ごした。
晩秋には季節外れの寒さがあり早々に釣竿を納めたが、その寒さでこの先に起こる危機を予見した。今年早々年明けに水道管凍結という耳を疑う事態となった。朝起きて水が出ない。夜風呂に入ろうとするとお湯が出ない。
さてまもなく一年を迎える。
この家は一年以内の退去の際にフリーレント分を違約として支払う契約になっている。まあ4月まではいるだろう。
だが
…夏までいると思うか?
…次の冬もここで過ごすと思うか?
答えはノンである。
家探しは1年前と同じエリアを見ている。
ここは都市開発が90年代から始まる以前はほぼ農耕地。学術的に都市計画されており非の打ち所がない。
正直穴場だ。
…ところがだ。
Covid-19の緊急事態宣言が一気に押し進めたテレワークは賃貸市場に歪な特需を作った。
これまで過小評価された2畳や3畳の小部屋が人気急騰した。一般的に使いにくいとされていたこの小部屋を私は防音改造して自宅スタジオやテレワーク部屋にしていた。6畳未満だと人気がない、という世間のニーズと真逆を甘受していた私にとって希望の部屋が一斉に消えた。
また緊急事態宣言下で新しくペットを飼う人が増えたと度々取り出さたれるが私の狙うエリアのペット可物件も一気に数が減った。ハッキリ言っていい迷惑以外のなんでもない。
1年前は5件から選べた。
しかし今年は条件を100%満たす物件は一つもない
誠憎たらしい。
元を辿れば発生してしまったウィルスよりも今後はテレワークね。で、会社の雇用維持がやばい、給与も維持できないと言い出し転居を考えさせた会社にあるし、それでも予定の物件に転居出来ていれば特段何事もなかったわけで恨むべきは親にもある。
普通に眠れて普通に風呂に入れて、普通に買い物に行けた日々が懐かしい。
そろそろ転居慌ただしくなります。