たんぽぽ舎のメールより抜粋して転載します。
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┗■1.5アンペア生活 -新聞記者の体験から-
│ (10月6日 朝日新聞「記者有論」より)
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東京電力との契約を最小の5アンペアに下げた日から、もうすぐ3カ月がた
つ。
一度に流せる電流の上限を、これまでの40アンペアから8分の1に下げた。
10アンペア以上を消費する電子レンジや炊飯器は使えない。エアコンも単なる
壁の飾りになった。
でも、猛暑続きの夏を体調を崩さず乗り切れた。一人暮らしの私の電気代
(8月分)は1208円。以前より月額808円減った。ただ動機は電気代節約では
ない。
昨年秋まで2年半の福島赴任中に、東京電力福島第一原発の事故に遭った。
育てた農畜産物や郷土を多くの人が奪われる姿に接した。東京に異動してから
も、様々な犠牲を強いている電力会社の電気を、ジャブジャブと使う気分には
なれなかった。
忍耐覚悟の5アンペア生活だったが、始めてみたら発見に満ちていて飽きる
ことがない。
電気がないとどうしても困るのは、パソコンや携帯電話などに限られる。
レンジや炊飯器といった製品は、ほとんどがほかの方法で代替できる。鍋で米
を炊き、コンビニ弁当を蒸して温める。脱電気の工夫を会得するたび、生活の
幅が広がる実感があった。(中略)
だが記事が出ると予想外の反響があった。若者から年配の方々まで、数多く
の読者から、共感の便りが届いた。「わが家もさらなる節電に励みます」「う
ちも早速アンペアダウンしました」。ライフスタイルを見直し、エネルギー消
費を減らそうと本気で試している人は、決して少数派ではないと、感じること
ができた。
政府は「2030年代に原発ゼロ」の目標を打ち出す一方で、原発再稼働の方針
を示している。ゼロの目標は遠く、かすんでいる。
それでも、5アンペア生活に熱い関心を示してくれた人の声、官邸前の脱原
発デモに絶えることなく集う人の姿に、未来を変えたいという意志の確かさを
見る。遠い目標を、近くにたぐり寄せるのは、政府ではない。我々一人ひとり
の暮らしのあり方だと思う。
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(メルマガ編集部・柳田:福島原発事故のあと、自らの生活と電気消費を見直
す人々が増えた。加えて、電気料値上げに抗いアンペア数を下げて生活する
人が拡大し、ちょっとしたブームをよんでいると聞く。電力会社の売上が
しっかり減少(利益減)して困っているようだが、日本の将来のためにこれ
は良い傾向だと思う。)
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