ブーゲンビリアのきちきち日記

神奈川の米軍基地のある街から毎日更新。猫と花と沖縄が好き。基地と原発はいらない。

日米愚者同盟について

2008年02月01日 11時47分57秒 | 井上澄夫さんから
「市民の意見30の会・東京」の井上澄夫さんより、このブログにお寄せ頂きました。


日米愚者同盟について
                             井上澄夫

 ブッシュ米大統領の任期最後の一般教書演説(1月28日、現地時間)はまったく
の敗北宣言である。断末魔の悲鳴と言ってもいい。彼はこうのべた。「われわれの秘
めた力、米国の奇跡は政府にあるのではなく、人々の決意に宿っている」。「経済は
不透明な時期で将来に懸念がある」と認めながらこう言うのだから、「不透明な経
済」に政府は責任を負わない、米国民はがんばって景気を回復させよとのべているの
だ。アフガニスタン、ついでイラクを侵略した「テロとの闘い」が国家財政に膨大な
赤字を生み、リセッション(景気後退)をもたらしたことを知らない者はないが、も
うそんなことはどうでもいいのである。
 イラク政策についてブッシュはこうのべた。「過去7年は解放の歴史だった」。バ
グダッドの米カイライ政権を除き、この発言にイラクの誰が同意するだろうか。AP
通信は、イラク内務省などがまとめた統計として、2007年にイラクでテロや宗派
対立などにより死亡した民間人は、06年を約3800人上回る1万6232人だっ
たと報じている。
イラク侵略戦争が生んだ民間人の犠牲者数は、すでに80699人~88126人
(イラク・ボディー・カウント)。難民については、国内難民220万人、近隣諸国
に流出した難民、シリア140万人・ヨルダン75万人とされている(国連難民高等
弁務官事務所)。
 ブッシュが言う「解放」とは、イラク社会が崩壊して無数の人びとが死んでいくこ
とを称(たた)える言葉であるらしい。あるいは「破壊と殺戮」の代名詞と言うべき
か。
 今秋、ブッシュは大統領府を去るが、それまでにまた犯罪的な愚行に踏み切る危険
性は残っているから油断は禁物だ。アフガニスタンに新たに海兵隊3000人を送り
込むことを決め、イランへの先制攻撃を断念せず、そればかりか、パキスタンへの派
兵さえ画策している。戦火を広げるだけ広げて、次期大統領にツケを回すこともあり
得るのだ。

さて日米同盟のもう一方はどうか。福田首相は、ブッシュの盟友だった英ブレア首
相も豪ハワード首相も政権の座を去ったにもかかわらず、世界の大勢に抗して「果敢
にも」滅び行くブッシュに忠誠を尽くしている。新テロ対策特措法を衆院での再議決
という暴挙によって強引に成立させ、今や、海外派兵恒久法の制定に向けてしゃにむ
に意気込んでいるのだ。彼は1月31日、ガソリン税暫定税率の期限を延長するため
の「つなぎ法案」を国会に提出しながら衆参両院議長のあっせんによって撤回したこ
とについて、国会でこうのべた。「なにも法案を通さなければいけないと考えていた
のではない。過去のことをとやかく言うより、前向きに議論してほしい」。通さなく
ていい法案を国会に提出したのである。

責任という言葉に無関係な日米愚者同盟を一刻も早く終わらせねばならない。
                     (2008年2月1日)



写真は2006年のふきのとうです。


最新の画像もっと見る