
2月24日火曜日に、映画「おくりびと」を観に行った。
「おくりびと」はいちおう観ておこうか、という程度の関心しかなかった。軽い気持ちだったのに、最初のシーンのあとの山形交響楽団演奏ベートーベンの第9で、泣いてしまった。チェ・ゲバラの映画を観たときとエライちがいで自分でもおどろく。
これは、編集がウマイのか、あるいは山形交響楽団の成果だろうか。起承転結の最初に「結」を持ってきたように思う。全編に流れるチェロ、山形の雪景色、遅い春、満開の桜、白鳥の旅立ち、映画館で観る映像ならではの迫力と日本の風景の美しさに、単純でありふれているかも知れないが、感動した。
おくりびと、つまり納棺するときに死者を清める役割の人の所作が、茶の湯の形式のようでもあり、今は失われてしまった日本的な美ということになるのだろうか。私は韓国の伝統的なものの美しさを想起した。死者を送るということに、民族も国境もないのだろう。チベットの鳥葬も、鳥が減ってしまったのか、人間が食えない物体になってしまったのか、できなくなりつつあるそうだ。
脇役の役者もそろっている。主人公の誠実さも伝わってくるけれど、それ以上に脇役のすばらしさ、ここは見所だと思う。少ないせりふから脇役の人生をどのくらい想像できるか、想像力が試される映画でもあった。これは配役の的確さということだろうか。わたしがそう思ったのは、すでにこの映画の世界に入ってしまっているからだろう。もういちど注意深く見逃さずに観たいと思う。
こういう映画は日本人ならふつうに理解できると思うけれど、アメリカでアカデミー賞を取り、評価されるとはどういうことだろうか。アメリカの経済再建のために、属国である日本の、日本人を喜ばせておいたほうがいいのだろうか。「米軍再編」に3兆円、ブッシュの「イラク崩壊」後の、オバマの「アフガン侵略」も、日本は金も自衛隊もホイホイ出せということだろうか。誰かが仕込んだのだろうか。アカデミー賞で世界的に評価されることは、日本の内需拡大にはなると思う。平日の朝10時から、田舎の映画館でも受付では地味な主婦たちがとぐろを巻いていた。チケットは完売で、私など3時から観たのである。
いや、ここは素直にアメリカの選択に拍手を送りたい。チェロといえば、カザルス。カザルスといえば「鳥のうた」。カザルスの故郷の、スペインのカタロニア地方では、鳥は「ピース、ピース」と啼くのだという。古い家の中のシーンで、主人公のだめな父親が好きだったと思われるレコードジャケットが、なにげに、しかし、きっぱりと左側に撮られていたように思う。この映画ではもちろんあからさまに「平和」を叫んではいない。映画を観た人で、どのくらいの人が気がついただろうか。
この映画が、沖縄や各地の小さな映画館でも、上映されることを願う。期せずしてこの映画は、アメリカにおいての「反戦と抵抗のフェスタ」になったかも知れない。今、この感想文を書きながらも、私は涙が止まらないのだ。アメリカが変わろうとしているのかも知れないと思うと、日本も早く政権交代すべきだと思う。
人間を殺すな。殺されるな。生きることに歓喜せよ。絶望に慣れてしまわない誠実さを保持しなければならない。グズグズしている場合ではないのだ。人間は必ず死ぬのだから・・・。これも、「市民の意見」だと思う。(2009年2月24日)
画像は沖縄・辺野古2006年2月。
「おくりびと」はいちおう観ておこうか、という程度の関心しかなかった。軽い気持ちだったのに、最初のシーンのあとの山形交響楽団演奏ベートーベンの第9で、泣いてしまった。チェ・ゲバラの映画を観たときとエライちがいで自分でもおどろく。
これは、編集がウマイのか、あるいは山形交響楽団の成果だろうか。起承転結の最初に「結」を持ってきたように思う。全編に流れるチェロ、山形の雪景色、遅い春、満開の桜、白鳥の旅立ち、映画館で観る映像ならではの迫力と日本の風景の美しさに、単純でありふれているかも知れないが、感動した。
おくりびと、つまり納棺するときに死者を清める役割の人の所作が、茶の湯の形式のようでもあり、今は失われてしまった日本的な美ということになるのだろうか。私は韓国の伝統的なものの美しさを想起した。死者を送るということに、民族も国境もないのだろう。チベットの鳥葬も、鳥が減ってしまったのか、人間が食えない物体になってしまったのか、できなくなりつつあるそうだ。
脇役の役者もそろっている。主人公の誠実さも伝わってくるけれど、それ以上に脇役のすばらしさ、ここは見所だと思う。少ないせりふから脇役の人生をどのくらい想像できるか、想像力が試される映画でもあった。これは配役の的確さということだろうか。わたしがそう思ったのは、すでにこの映画の世界に入ってしまっているからだろう。もういちど注意深く見逃さずに観たいと思う。
こういう映画は日本人ならふつうに理解できると思うけれど、アメリカでアカデミー賞を取り、評価されるとはどういうことだろうか。アメリカの経済再建のために、属国である日本の、日本人を喜ばせておいたほうがいいのだろうか。「米軍再編」に3兆円、ブッシュの「イラク崩壊」後の、オバマの「アフガン侵略」も、日本は金も自衛隊もホイホイ出せということだろうか。誰かが仕込んだのだろうか。アカデミー賞で世界的に評価されることは、日本の内需拡大にはなると思う。平日の朝10時から、田舎の映画館でも受付では地味な主婦たちがとぐろを巻いていた。チケットは完売で、私など3時から観たのである。
いや、ここは素直にアメリカの選択に拍手を送りたい。チェロといえば、カザルス。カザルスといえば「鳥のうた」。カザルスの故郷の、スペインのカタロニア地方では、鳥は「ピース、ピース」と啼くのだという。古い家の中のシーンで、主人公のだめな父親が好きだったと思われるレコードジャケットが、なにげに、しかし、きっぱりと左側に撮られていたように思う。この映画ではもちろんあからさまに「平和」を叫んではいない。映画を観た人で、どのくらいの人が気がついただろうか。
この映画が、沖縄や各地の小さな映画館でも、上映されることを願う。期せずしてこの映画は、アメリカにおいての「反戦と抵抗のフェスタ」になったかも知れない。今、この感想文を書きながらも、私は涙が止まらないのだ。アメリカが変わろうとしているのかも知れないと思うと、日本も早く政権交代すべきだと思う。
人間を殺すな。殺されるな。生きることに歓喜せよ。絶望に慣れてしまわない誠実さを保持しなければならない。グズグズしている場合ではないのだ。人間は必ず死ぬのだから・・・。これも、「市民の意見」だと思う。(2009年2月24日)
画像は沖縄・辺野古2006年2月。
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『中国共産党が解放しました。 (小牧みどり) 2006-06-11 23:11:09
ウイグル、チベットは中国共産党が解放しました。侵略ではありません。圧政に苦しむ人民を救ったのです。
米帝の圧政に苦しむ台湾は中国の領土です。台湾も解放しなければなりません。
中国こそ、世界で唯一平和を愛し、人民を幸せにする国家です。』
小牧みどりで検索すると、いちばん最初に出てくるブログのコメントですね。
それは、小牧みどりの「なりすましさん」です。
NHKに出たときのものですね。
このブログは、本物のの小牧みどりが運営しています。
本当に迷惑していますが、このブログをお読みくださると、別人だということがおわかり頂けるかと思います。
文体をお読みくださるよう、よろしくお願いします。