ブーゲンビリアのきちきち日記

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東電福島第一原発の排気筒倒壊の危険。すさまじい汚染「4号機倒壊の危険」に続く・新たな重大危機迫る

2013年10月08日 20時00分48秒 | たんぽぽ舎
写真は9月29日の服部牧場です。後でまとめて、30枚くらい写真を載せる予定です。

以下たんぽぽ舎より転載_________

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┗■1.東電福島第一原発の排気筒倒壊の危険。すさまじい汚染
 |  「4号機倒壊の危険」に続く・新たな重大危機迫る
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

○ 9月30日、福島原発震災から2年半あまりが経過し、JCO臨界被曝事故から14年が経った。
 9月16日には大飯原発が止まり、今は「原発のない」時間が静かに過ぎている。しかし福島第一の現場は日々過酷な被曝労働のもとに放射能と闘う労働者がいる。現場で活動する人々がいなければ、たちまち大規模放射能放出により地球被曝が繰り返される。

 福島の事故収束作業でさえままならないのに、東電は9月27日に柏崎刈羽原発の再稼働につながる規制基準適合審査の申請を行った。するべき事を誤り、新たな危機と新たな無駄を作り出そうとする東電には、反省のかけらもないと言わざるを得ない。

 その福島第一の現場では大きな危機がもう一つ、排気筒倒壊の危険が明らかになった。


○排気筒は次の大地震に耐えられるか

 言うまでもなく福島県沖では、今後大きな地震が発生する可能性は高い。おそらく日本中の何処よりも危険度は高いだろう。

 東日本太平洋沖地震を引き起こした日本海溝のプレート境界には、もうひとつのタイプ「アウターライズ地震」の発生が迫っている。

 1933年に発生した昭和三陸地震は、マグニチュード8.4の大地震だったが、この地震は、1896年に起きた明治三陸地震に連動した「アウターライズ地震」であった。地震の揺れそのものは震源が沖合200kmの海のプレートである太平洋プレートだったことで震度5程度だったが、大きな津波の被害を受けている。気仙沼市や宮古市を中心に12000名以上が死亡した。

 この地震と同様のアウターライズ地震が発生するならば、もう一度福島第一原発は大きな揺れと津波に襲われる可能性がある。日本海溝で発生する巨大地震では、アウターライズ地震を引き起こすケースが何度もあった。そのセオリーに従えば、数年から数十年のどこかで巨大地震が再来すると考えるのが「安全側」の考え方である。

 さらに、プレート境界型地震も起こる可能性があると考えられている。東日本太平洋沖地震は福島第一原発で2010年までに行われた耐震性の確認「耐震バックチェック」の際に想定していた「塩屋埼沖地震」よりもさらに原発に近い位置に震源域を持つマグニチュード8級の地震が発生する可能性もある。

 アウターライズ地震も、この地震も、マグニチュード8級となると大きな破壊面積を持つので、震動継続時間も長くなり、遠くてもよく伝わる長周期揺れが襲ってくる。長周期揺れは高層建築物の長い固有震動周期に共振しやすく、結果として耐震上予測されていた力よりも大きな力が構造材にかかる。

 東日本太平洋沖地震でも、東京タワーで長周期の大きな揺れにより先端部が破損した。別の地域で送電鉄塔の倒壊も起きており、大きな地震ほど高い建築物に影響が大きくなる。

 福島第一の排気筒は高さが120m以上ある。大きな揺れに遭遇すると、高さ65m付近に力が集中する。その結果、主排気管は金属の筒なので破損はしないかもしれないが、周辺にある構造材が破損する恐れが出てくる。

 実際に望遠鏡で排気筒を調べたところ、周囲の鋼鉄材のうち8本までが破損するか、その疑いが高い状態だと考えられている。

 8本の破損が全て耐震上の機能を発揮できないという前提で計算をしたところ、0.98という数値が出た。これが1.0以上になると破損し始めると考えられる。そういう意味では、ぎりぎりの強度しか無い排気筒が破損して落下しないようにする「決め手」は残念ながら無い。


○排気筒のすさまじい汚染

 この排気筒は、事故当時、格納容器ベントを行ったために大気中に放射能を放出したが、そのベントラインにつながっており内部が放射能汚染をされていることは、かなり以前からわかっていた。この汚染があまりに高く、今まで手を付けられないままに放置されてきた。もちろん周辺作業どころか、通行も困難である。

半径120mは作業禁止区域、28mでは立ち入り禁止措置が取られているという。

 排気筒の一番下では最大で10シーベルト以上という極めて高い放射線を出しており、ここに接近するだけで大量被曝することになる。この事実は以前から認識されていたが、排気筒に大きな損傷があることが分かったのは9月18日のことだった。2年半も実態をつかんでいないことになり、これまで崩落しなかったことは奇跡的だ。

 さらに排気筒と、それにつながる配管の高濃度汚染は、重大な問題を各電力会社に課すことになった。

 規制基準でも要求している格納容器ベントを設置して稼働させた場合、その系統全部が高濃度汚染されてしまう。ベントラインや減衰タンクそのものが高濃度汚染されるため損傷が見つかっても接近して修理できない、あるいは事故後の復旧作業への大きな影響が出るなど、問題は多岐にわたる。これを解体撤去するにも莫大な費用と人手が必要になるが、その現場が高濃度汚染されている場所である。いったいどうやって後始末をするのだろう。


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