2024.2.3

舐達麻さんとワイザーさんのビーフの件、ワイザーさんがアンサー出しましたね。



言い分だけ観たら、まあどっちも「おまえはウソついてる。粋がってるだけじゃねーか」なので、当事者間しか知らん事情とかあるんだろうから置いておくとして。
個人的にどっちに共感して良いなと思ったかを書いていく。

個人的には舐達麻よりワイザーの方が共感できた。
コレは何でだろうと考えてたら、「ワイザーさんの方が普通のこといってるからなんだな」っていう結論に達した。俺の中では。
「正義は全員が守るもので一人のものじゃねえんだよ」とかまさにそう思うところ。

「逮捕なんて誇れない。立たせない証言台」って、そりゃそうだよな～って思った。
ストリート系の人って逮捕で箔が付くっていうところあるもんな。
でも俺らパンピーからしたら逮捕なんてありえないわけよ。
書類送検すらあっちゃならないレベルよ。

昔MC漢が、「ラッパーに対して普通のこと言ってくるなよ」って言ってたことがあるのね。



コレはヒップホップっていう文化をすごい端的に言い当てているところだよ。
「ラッパーに普通のこと言うなよ」っていうのは、裏路地での生き方や環境で育ってきた人が歌うのがヒップホップの一側面でもあるのだから、愚かと思うかもしれないけど、寛容な心でソレも認めてあげて欲しいっていう主張だと思ってる。
俺みてぇなしょぼくれた陰キャとは生きてる環境が違う立場の人の言葉。
文字通りストリートで完結している人の言葉よ。

だけど、普通の人からすれば普通のことに沿ったことに共感するのよ。
もちろんストリートでの生き方ややり取りが彼らの言う”リアル”なんでしょうけども、そういうストリート・アウトロー系の人達のハナシは、俺らしょぼくれた市井にとってはファンタジーの世界のハナシなのよね。
だからそういう法に反するムーヴや揉め事エピソードを現実のハナシとして持ち込まれたところで、不安感が出てきてあーだこーだ言いたがるんだろうなって。

そりゃそうだ。
向こうはこちらが引くようなことを当たり前のようにやってるんだから。

一方で、ワイザーのは歌詞でもある通りゲットーを抜け出した人の言葉なんだな。
だから普通のこともいうし、「治安が比較的良い方の日本でナニ言ってんだ。黒人さんたちの歴史観たらそんなこと言えねーだろ」ってことも言う。
文字通り俺らサイドといいますか、普通の人の主張。だから共感できる。
だって俺らは逮捕されたら恥じることが普通で、箔が付くなんてこれっぽっちも考えないからね。

あと、強いて付け加えるなら、普通の人っていうか、”普通の大人の人”やね。
「大麻吸えないくらいでFuck The Police なんて歌わねえ」とか。
そこでファックダポリスは確かに幼稚っちゃ幼稚だよ(笑)
ハナシはそれるけど、エロ表現の批判に対して、フェミだなんだっつってようキレる表自のオタクさんにも通ずる部分だよ(笑)
昨今のオタクさんの幼稚っぷりはもう見てれば分かるじゃん。

その普通の大人の人の言うことがつまんないとかストリートの方が良いと思うかは人によると思う。
ワイザーのこの言い分がヒップホップなのかどうかは個人的にはあまり重要じゃない。

それこそ人の好みによるところであって、俺個人は普通の大人の人の感性に近かったんだろうね。
ワイザーの方に共感できたよ。
フローやライミングのスキル面でもどっちかっつうとワイザーの方が好きかな。
ディスの中に前向きなところがあるし、言葉選びも良い。
「Players’ Player」っていう引用もニヤリと来る。



そんでもって、こういう普通の感覚って創作の世界においてはつまんない考え方なのかなって漠然と思ってたけど。
今回のワイザーのディスを観てたら、見せ方次第じゃしっかり共感できるところまで持っていけるんだなって。
無理して言葉を修飾してとりつくろわないでもいいんだって。
なんだか希望になったよね。

そういう点も踏まえて、俺はワイザーの方が良かったなと感じたよってハナシ。