トリックスターで、地図の切れ端ふたつを合成して
一つの地図にして、それを使用することで
宝探しのミニゲームができるようなシステムがあります。
わたしはこれが結構好きなので、地図の切れ端をためては
合成するのですが……。この合成が、すごく手間です。
右端にいるキャラにマウスをあわせてクリック。
出てくる会話窓から選択肢を選び、クリック。
この選択肢にはダミーがあって選び損ねると
やり直しになって、また人をクリックするところから開始。
選択肢のダミーはたいてい、それぞれの会話に一つあって
マウスを連打しているとかならず終了する
いやらしい配置になっています。
それで失敗することもたびたびあります。
これが本当に退屈で苦痛で、元気な時にやり始めたのに
10回交換作業に入っただけで、頭がぐらぐらして
目が開けていられないほどの眠気が襲ってきました。
退屈な授業を聞いているときのような、
あらぶる鬼をも眠らせるような、強烈なものです。
これじゃだめだと退屈を紛らわせるために
普段つけることのないテレビをつけてみました。
すると――テレビもあまりに退屈でした。
世間では地上デジタルがどうのこうの、
テレビの買い替えどうのこうの言っていますが、
正直こんなだと、デジタルに変わるのと同時に
テレビ放送が映るテレビなんていらなくても
いいんじゃないかと思えました。
どうせならわたしは、薄型テレビでテレビ放送が映らずに、
ゲームだけできるものが欲しいです。
最近わたしが見るテレビは、なんとなく洋画の映画と
世界遺産のまともなほうくらいです。
その他にどんなものがあれば、テレビがおもしろく
見られるんだろうと考えてみました。
変な人間が出て不愉快なセリフを吐き出さない、
ナレーション主体の観光番組とか、生き物番組とかは好きです。
でもああいうのは取材が大変だったりして、
たぶんお金がけっこうかかるのでしょう。
じゃあ、ほかに安くできそうな観光番組は――と思うと。
それぞれの市町村には、市町村のパンフレットなどに
載せたりする、ちょっとした名所があると思うのです。
わたしの近所だと立川駅あたりは、
漫画『聖☆おにいさん』の舞台になっていたり
アニメ『とある魔術の禁書目録』の舞台で
駅前の様子が出ていたりします。
そんなんじゃなくても、国立の大きな公園があって
花火大会をやっていたり、
太宰治が死んだ玉川上水が流れていたりもします。
その他、古い大きな神社もあるし、
風流系の獅子舞もやっていたりもします。
他県どころか、他の街の人でさえまったく知らなくても、
いろいろいい場所はあるのです。
そしてそれはきっと、他の街でもそうでしょう。
それなら、そういう何でもない街の、
きどらないすてき風景をとりあげて、
人口や街のなりたち、風土などと一緒に
軽く紹介しながら流していけば、
行ってみたいと思う人もでて経済効果もあるでしょうし、
全国の市町村のあるだけ番組が続けられます。
――すごい！ そんな番組あったら見てみたい
と思ったのですけど。
改めて考えると、一般の人は逆にそんな番組こそ
退屈だと思うのかもしれません。
逆に、わたしが退屈でめんどくさくて、マウスの運びだけで
手も痛くて苦痛で苦痛で仕方ない、
このトリックスターの地図の交換も
一般の人は逆に楽しくて興奮する作業だったりするのかと考えると、
他の人が楽しめるものを楽しめない自分の精神的嗜好が
どうにも恨めしく思えるのです。
