ここ十年以上、液体の濃度の計算などとは無縁のところで生きてきました。
昔のいつか、算数か数学でやらなくてはいけなかったときは、
たぶん公式を覚えて乗り越えたと思われます。
そんな状態で昨日、ふと手の消毒用液の作り方を考えながら
ネットを眺めていたら、まずは無水エタノールと水を50:50で
混ぜてみるといい、というような文を見かけました。
50:50で混ぜるんだから、エタノール濃度は50%だなあ
……と、ぼんやり思ったとき、ふと、濃度計算の意味が閃きました。
最近は、100gの水に3gの塩を混ぜたら、まあ100と3だから3%だろう
と考えてしまうくらいのすっかすかさでしたが、
3%の食塩水は、よく考えたら塩と水の比率は3:97です。
100gの水に3gの塩を入れたら、塩と水の比率は3:100です。
水100gの時に塩3g入っていることを3%と呼ぶのなら、
水103gの時に塩3g入っていることを何パーセントと呼ぶのでしょうか?
言い換えれば、
水103gの中に塩3g入っているという概念を、水が100gであると仮定したら、
塩は何グラム入っていることになるのでしょうか?
これを式にすると、こう。
103:3=100:x
(103gに3g混ざってるのは、100gだとxg混ざってるってこと)
これを変形すると
103x=300
x=300÷103
x=2.91262…
よって、約2.91%の濃度と出すことができます。
本当にあっているかを見るために、
濃度計算の式を調べてみたら……
式は、
(100×混ぜる量)÷(混ぜる量+液体の量)
とのことでした。
これは、先のわたしの式の考え方と同じです。
いちいち式を覚えなくても、比率で考えればよかったんですねえ。
もしかしたら濃度計算を習った当時、
比率で説明されたのかもしれませんが、一切合財内容を忘れた現在、
自分で考え方を閃いて理解できたというのは
ちょっと気持ちのよい体験でした。
おまけ:
以上を踏まえて、問題です。
問題文を読み、答えを考えてみてください。
問題文
・ぶどうの果実を絞って、果汁をタンクに100%ためました。
・この果汁の水分を蒸発させ、果汁をタンクに50%の量まで減らしました。
・このタンクに対し、酸化防止剤を25%、人工甘味料を25%加えました。
・果汁:酸化防止剤:人工甘味料=50:25:25 でタンクは100%です。
さて、このタンクの中身をよく撹拌し、ジュースとして売りに出した場合、
果汁は何パーセントと表記されるでしょうか?
解は下です。
解:100% です。50%ではありません。
勘違いでも誤記でもなんでもなく100%と表記されるはずです。
力を持つ業界と政治屋の癒着は一般的な概念をも破壊します。
わざと錯誤を起こすように表記しているのでしょうね。