直列☆ちょこれいつ

最近は神社や神道などの古い文書の解読をしています。
研究のまとめはカテゴリ『自作本』から。

日本側資料から読み解く邪馬台国

2018年03月26日 | ちょこのひとかけ


●はじめに

邪馬台国といえば、日本古代史の大きな謎のひとつです。
その研究には、有名な『三国志』魏書の烏丸鮮卑東夷伝倭人条、
いわゆる魏志倭人伝をはじめとし、
中国側文献ばかりが偏重されて用いられているようです。
けれどその結果、現代になっても
読み方や位置さえ定まっていないことは周知の通りです。

それは、翻って、中国側の文献ばかりを偏重していては
邪馬台国の場所も名前も突き止めることはできないと、
逆説的に証明していることに他なりません。
この状況を打開するには、新しい視点、新しい資料が必要です。
たとえばそれは、日本側の資料です。

現在、一般的には、日本側には邪馬台国の資料はないと
考えられていますが、本当にそうでしょうか?
たとえば、現在九州の北にあるツシマという島を思い返してみてください。

現在ではこのツシマを一般的に『対馬』と書きますが、
この文字列は日本語ルールではツシマとは読めません。
一方で、このツシマを『津島』と書いた資料があります。
この文字列は日本語ルールでツシマと読めます。
では、なぜ読める『津島』を読めない『対馬』へと変えたのでしょうか?
この文字列はどこから出たのでしょうか?

そう考えると、浮かんでくるのは魏志倭人伝です。
魏志倭人伝の中には、ツシマを『対馬』の旧字体で書いた文字列が存在するため、
この『対馬』を魏志倭人伝から引いてきたとするのが合理的な説明に思えます。

これは、『やはり魏志倭人伝を見るしかない』という結論を導くものではありません。
いわゆる『日本人』はすくなくとも西暦700年以前に
魏志倭人伝の内容を知っており、
『津島』の漢字を『対馬』にしていくほど重要視していたと考えられる、
という仮定を導くものです。

しかし、なぜそのようなことをしたのでしょうか?
日本の歴史書は、日本書紀でさえも魏志倭人伝の内容を認めながら、
邪馬台国や卑弥呼を語ることはなかったのですから、
日本書紀の魏志倭人伝引用外のツシマは『津島』の表記のままに
しておけばよかったはずです。
でも、そうはなっていません。

この態度の不一致はなにを示すのでしょうか?
日本の歴史書はあからさまに魏志倭人伝の内容を踏襲したと
見える部分は出さないのに、
あえて地名に魏志倭人伝由来と思われる痕跡を残すのはなぜなのでしょうか。

この疑問を考えると、それは、かつての日本人が
『魏志倭人伝の内容とそのまま一致する内容を歴史書に記しはしなかったが、
記さなかったのは存在や内容を知らなかったわけではなく、
知っていたが書けなかったのだと後世に伝えるため』、
であったとするのが合理的だと思えます。

その考えの補いとして、日本書紀の『後勘校者知之也』、
『後勘者知之』という文を挙げましょう。
一応日本の公式歴史書である日本書紀に存在するこの記述は、
『後の世の者なら、資料を見比べればわかってくれるだろう』、
『後世の者なら考えてわかってくれるだろう』というような意味です。

これは別の見方をすれば、日本書紀のころにおいて、
不明な部分は『資料を見比べればわかるようなもの』であり、
『後に考えればわかるもの』であったということができます。

実際に、日本書紀にいい加減に引用されている魏志倭人伝についても、
引用部分だけを見れば間違ったことは書かれていませんが、
魏志倭人伝の原文を読めば、誤りがわかります。

魏志倭人伝原文には卑弥呼や邪馬台国、
卑弥呼死後に男王が立って国が乱れ、
後に壹與が出たことまでが書かれているにも関わらず、
日本書紀では同じ時代に神功皇后一人が、
何の問題もなくすべての時代を治め続けたようなことしか書いていません。
どちらが正しい記述かなど、比べて読めば一目瞭然でしょう。

本論は、この日本書紀の求めに従い、
中国側資料を偏重することはせず、ひとつの資料にこだわることもせず、
一般的には重要視されない日本側の資料を多種類用いて、
日本書紀からも意図的に存在を消された邪馬台国の本来の読みと、
邪馬台国が五畿七道のどこに存在したかを明らかにしていくものです。


●古代につながる今宿

直接的に関わりはしませんが、地名の話も出たことですし、
まずは古代日本を考える足がかりとして今宿の地を見ていきましょう。


----

一応、邪馬台国がどこにあったのか、
日本語発音ではどうなるのかなど
基本的な内容までは解読が終わったので、
忘れないうちに考え方や結果をまとめておこうと書き始めたら、
いきなりものすごい時間が飛んでいき、
すでに原稿用紙70枚くらいの量になってしまいました。

肉付けと推敲前に方向性を決めておこうと
とりあえず前書きをぐちゃぐちゃいじってみていますが、
おもしろそうに、興味を引くように書くというのは難しいです。

----
追記

日本側の資料をメインに使って、
最終的には邪馬台国はなんと読むか、どこにあったのか、
卑弥呼はなんと読むか、現代日本の神名はなにか、
というところまで説明するまとめ本の一巻ができました。


※amazonのキンドルという形式です。
サンプルも本文もスマートフォンやパソコンの、
インターネットを見るブラウザで読めるはずです。

古代神道や邪馬台国、卑弥呼、古代語などに
興味があれば、ぜひどうぞ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« レビュー:奥多摩酒ゼリー(... | トップ | 古代からの嘘 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

ちょこのひとかけ」カテゴリの最新記事