『日本の音景シリーズ』も、今のところのネタはあと2本。
今回は10本目、『かれっこ焼いて』用に描きました。
最初はストーブを手前にして
バストアップで下描きを完成させたのですが
他のものを見ていたら、
すべて全身が入ったイラストになっていたことに
はじめて気がついて、しかたなく描きなおしました。
全身を入れて描きつつストーブを描いていたら、
なんだかだんだんのってきました。
以前やきいも屋さんのリアカーの絵で失敗した教訓を元に、
今回は厚みを考えました。
でも完全3Dにするとよくわからなくなるので、
わたしなりの嘘パースをこなすことをめざします。
そしてちょっと思いついたのは、
どんなに角度がついても上は水平で
真横から見た図。角度は下面だけでつける、という方法です。
具体的には、ミクの鼻のラインに消失線があるので、
みんなそこにずれますが、
ストーブとバケツには影響していません。
ストーブはストーブの天板の上に消失線があって、
バケツはバケツの上に消失線があります。
でもそうしたら、ストーブの反対側の足もかけますし、
バケツもただの台形でなく円部分を使えます。
そこまで描いたところで、
意外といい絵にできるかも……そんな予感です。
さて、塗り始めます。
今回はかなり手間取りました。
なによりも、パーツが増えれば増えるだけ、掛け算でなく、
乗数で時間がかかっていきます。
途中マリオカートwiiをやったりしながら、人物とストーブ、
マキの入ったバケツの完成までは12時間かかりました。
中でも意外と手間取ったのはやかんです。
最初黄色に塗ったら、ただ黄色のかたまりになってしまったので、
もっとやかんっぽい塗り方を考えます。
そしてできたのが……これ。
◆◆画像08-06-23a◆◆
![](https://www2.ttcn.ne.jp/~azure/blog/08-06-23a.jpg)
かなり気に入りました。
でも物体全部塗り終わったところで見直すと、
明らかにやかんだけ浮いています。
そもそもグラデーションなんて極力なくして、
切り絵のようなベタ塗りを
めざしているのにグラデーションつけすぎてました……。
そこで泣く泣く減色……にしたのですが、
もったいないのでこれだけ取っておきます。
それから背景処理です。
下描きではストーブのところだけオレンジっぽい光が出て
あったかい感じをだそうと思っていたのですが、なんとなく変更。
駅舎の中で電車が来るまで暖をとっている感じにしようと、
後ろに駅の入り口をつけました。
外はふぶき。すこし吹き込んでる感じが似合うかもしれません。
……と、何度も描きましたが、
ようやく納得できる感じになって、ふと疑問が。
――駅舎って、横開きの扉がついてなかったっけ?
そもそも、直線状の風が吹き込むところに
ストーブを置いてたっけ?
考えてみれば、わたしはそれほど田舎育ちでもないので、
絵に描いたような単線汽車の駅舎なんて覚えがありません。
そこで路線変更するしかなくなりましたが、
さっきの試行錯誤で、教室のような場所にすることにしました。
もしくは駅の中なら駅の中で。
人物と重ねると、白い肌が背景にまけてしまうので、
上にずらして色を濃くして、窓にすることにしました。
そして、できたのがこれです。
◆◆画像08-06-23b◆◆
![](https://www2.ttcn.ne.jp/~azure/blog/08-06-23b.jpg)
ストーブは薪ストーブ、
バケツには薪とデレッキ。
色は人物が浮いている気がしますが、
自分ではかなり満足のいくできになりました。
最近なんとなく自分の絵もわかってきたし
こうやって自分で満足が行く絵を
一枚一枚描けるようになりたいと思います。
全部で13時間の力作です。