南部吟遊詩人の写真館2

盛岡はめっきり涼しくなりました。先週までエアコンで冷房かけていたのに、朝晩は暖房が欲しくなります…(*´Д`)

「鯨山」の隣の「鯨峠」っていけるんですか?

2024年12月07日 16時11分27秒 | 沿岸地域

【撮影日:2024/12/1】

【本日の行動記録】

7:50 萩野橋 出発

8:40 最初の標識

9:35ごろ 矢立の滝

9:50 休憩~10:00

10:50 鯨峠

11:05 休憩~11:15

12:15 帰着

 

 

山頂から海が見える「鯨山」は絶景ポイントとしてもう一度登りたいなあと考えていました。

前回と異なるコースを考えて地図を眺めているうちに、隣にある「鯨峠」なるものに気が付きました。

どうも、山田町と大槌町を結ぶ旧道のようです。

地理院地図のページへ

ココから行けるのか…???確かめてみたくなりました。

山田町の「織笠」から内陸に入り、「馬指野」のあたりを進みます。

舗装路がなくなりますが、道は続きます。ただ、行き違えないので、対向車が来たらアウトです。

それが、だんだん広くなってきまして…、

完全に林道です。この辺になると、道の端にクルマを停めても大丈夫そうです。

右手はかつて水田だったらしく、耕作放棄地のようです。舗装されていないとやっぱり人が来るのは大変でしょうね…。

この先の集落のあたりまで流れる「馬指野川」があります。

川を横切る橋がありました。この辺で車を停めて歩いてみます。

「萩野橋」とあります。この先は「萩野原」というらしいので、その境目なのでしょう。

 

さて、進みます。

さっそく分岐がありますが、通行禁止のようです。

地理院地図を見てもらえば分かるように、この辺は舗装こそされていないものの、分岐や道がいっぱいあります。

地名もあることから察するに、この辺は昔はもっと人家もあり、人里になっていたのだと思われます。

進めば進むほど、山の中とは言え、わりと平地ですし、耕作放棄地らしき場所や人家跡らしき平地も見受けられます。

道路が舗装されないために過疎化が進んだか、もしくはその前から過疎化が進んでいたかは定かではないですが、

そもそも、こんな山奥に人が住みつくなんて…。

よく見ると、沢が幾筋も流れています。山が近いゆえに、水利の便はあったのでしょう。

馬指野川に注ぎます。こんな風に沢からの支流が数多くあるようです。

道に流れ出している沢もあります。

人に管理されていない故でしょう。

道路わきの平地に浸み込んで湿地になっています。かつては水田だったのでしょう。

林道はけっこう延々と伸びています。枝分かれもあるので、迷わないようにGPSを働かせて進む必要があります。

伐採された跡があります。営林署の手入れがなされているようです。

まったくの放棄された土地というわけでもなさそうです。

とはいえ、人の気配は全くありません。無人の野を進むのは気持ちがいいものです。

また、沢がありました。この辺に人が住んでいれば、まったく水には困らないでしょう。

山から流れ出る水です。

大分開けた場所で、鉄骨で組んだ櫓らしきものを発見しました。何の施設なのか…。

物見櫓?監視台???荷物置き場…???不明…。

ともあれ、さらに奥に進むと、何やら建物らしきものが…!!

どうやら廃屋のようです。人の気配は全くしません。

目前に沢があります。

本当に水源の豊かな場所です。

何の建物なのか近づいてみましょう。どうも看板らしきものも見えます。

養豚場だったらしいです。豚は比較的、手間もいらないし、こんな山奥なら畜舎の臭いで近隣に迷惑も掛からないし…。

よく考えたものです。

しかし、廃業してしまったのですね…。

隣にもう一つ大きな豚舎がありました。屋根もはがれてむき出しです。

コンクリの仕切りは今も残っているようです。

峠はこの豚舎から左に入っていくようです。少しずつ登りになります。

ようやく山に入っていくようです。

と、思ったら、左手に建物が。…よく見たらこれも廃屋ですね。

どうやら、こっちも豚舎のようです。こっちの方が植物が生い茂って隠されています。

やっぱり、いかんせん、交通の便が悪かったのでしょうね…。

さらに奥に進みます。緩やかな上り坂ですが、轍の跡があります。オフロードカーならば来られなくもないでしょう。

そろそろ、峠への歩道(たぶん登山道)が右手にあるようなのですが…、まったく見当たらない…。

仕方なく進んでみます。

右手に歩道はなかなか見つかりません。…地理院地図は情報が古いのでしょうか…。

う~~ん、やはりこれは無理なのかなあ…と思っていると…

▲このへんです。手前の点線の歩道は見つかりませんでした。何度もウロウロした形跡があります。

(YAMAPのアプリ画面です。)

目の前に、看板が。もしやこれは光明???!!!

どうやら右手に行けば、鯨山に通じるらしいです。

(どうでもいいけど、文字が右から左へ…。「馬指野」に至っては左下から右上へ…。読めないでしょ、コレ(*´Д`))

看板は掛けていますが、ここが登山道である証のようです。

▲地図で言えば、ここの分岐点です。点線の歩道は見つかりませんでしたが、実線の林道は行けるようです。

デコボコはしていますが、一応、林道ですね。オフロードカーなんとか通れるでしょう。

看板があります。何が書いてあるのでしょうか。

へ???「入山禁止」???さっきの案内板は一体…???( ゚Д゚)

意図は不明ですが、注意して進んでみることにします。沢を挟んで対岸に小屋のようなものが見えます。

廃屋のようですが、あそこの住人が掛けたものでしょうか???なんなんでしょう?

道はいつしか登山道らしい感じになってきました。

ピンクリボンを頼りに歩いていきます。

どうやらこの先は切り通しのようです。

そこの木には「オランダ街道」の標識が。

別サイトの記事にありました。江戸時代初期、山田湾に入港して捕縛されたオランダ船が盛岡に護送されたときに使われた道とのことです。

「岩手三陸・近世浜街道を往く」のページへ

▲このサイトすごいっすよ、詳しくて。私のように旧道マニアにはマジでたまらない内容になっています。

多分、手掘りとのことです。確かに自然にできたとは考え難い地形です…。

しかし、こんなのを掘るとはなあ…。

ちなみに、歩くところは谷の底なので、けっこう落ち葉が敷き詰められて、足元が危ういです。

中に大きな石やくぼみ、木の枝など足を取られるものが無数にあるため、歩くには注意が必要です。

ようやく切り通しを抜けました。次はどんなところを行くのでしょう。

さっきの切通しからだんだん表示も出てきます。やっぱり「入山禁止」などではないようです。

崖っすわ(*´Д`)

貝を使った表示も出てきました。子どもたちが工作したものでしょうか。

切り立った断崖なので、足を滑らすと、アウトです。しかし、道幅がないわけじゃないので、多分大丈夫でしょう。

道の先に倒木が見えますが、倒木でないものが沢に渡してあるようです。

丸木橋です。三本もあるので注意して渡れば大丈夫です。

不安なら川幅の狭いところを選んで渡渉しましょう。

▲橋のたもとにて。この辺ではこの旧道が「オランダ古道」と呼ばれているのでしょうか。

鬱蒼とした山に入ってきました。相変わらず足元が落ち葉でフカフカです。

人が最近通った形跡はなさそうです。

右手に行くと滝があるようです。寄り道になりますが、行ってみましょう。

今度は黄色いリボンが目印のようです。

YAMAPの地図には載っていないので、Googleマップの位置情報が頼りです。

沢沿いに石仏を発見しました。

「水神宮」です。水の神様ですから、滝の近くのようです。

標識が出てきました。

この滝に来るまでの道はリボンも少ないので、道を見失わないようにするのが大変です。

実際には道迷いの可能性もあるので、ガイドなしに来るのは危険でしょう。

12月に入り、陽が低くなっています。午前中なのに、まるで夕方の風情…(*´Д`)

なんとなく道らしいところを通っていきます。

「本当に滝なんてあるのかな?」と思っていると、標識に助けられました。

ん??「七滝」?「矢立の滝」じゃなかったの???

ともあれ、滝に到着しました。落差がすごいです。

思いがけなく素晴らしい滝に遭遇しました。

また、貝殻の標識がありました。両方の名前が書いてあります。

もしかしたら、この周辺にはいろんな滝があるのかもしれませんね。

「矢立の滝」はその中の一つなのかも…。

時期的なのか、水量はありませんが、落差の大きい見事な滝です。

滝つぼは小さく、落ち葉が沢山です。

人跡未踏の秘境という感じがします。時を忘れ、のんびりしたいところですが、今日の目的地は鯨峠なので引き返します。

道を10分弱引き返して元の道を進みます。

▲古道…なんですかね??どうにも「道」という感じがあまりしないのですが…。

あまり、人は通っていない気がします。

ともあれ、この辺まではGPSナビをこまめに見て、地図と自分の位置をかなり確認していたのですが…。

この辺の伐採作業をみて、開けた場所に進んでいったのが間違いでした……(*´Д`)

てっきり、こっちの方が道かと思ってしまったのです。

じっさい、歩いて行けそうな場所でしたし…。(本当は右手に曲がるところだった)

標識もありましたし、道らしきものも見えています。

山の上に鉄塔が見えます。写真は逆光になってしまいましたが、つづら折りに道が通っています。

上まで登ると、実に鉄塔の真下に出ました。

この時点で「しまった」と思いました。基本的に鉄塔の下を通る登山道などないからです。

つまり、鉄塔の真下に来た時点で道迷いに気づくべきだったのです。

ただ、この時、珍しいものも見れました。鉄塔のメンテナンス作業をしていたのです。

沢山の部品が広げられていました。話を聞くと、近くの林道に車を停めて11人で交代交代にこの荷物を運んだのだそうです。

なんてすさまじい労力…。鉄の部品を何個も…。なんだか山歩きしている自分が恥ずかしい…(*´Д`)

 

ここから下って戻るのも面倒です。この先、鉄塔のメンテナンス道路を拝借して、鯨峠まで出ていくことにしました。

鯨峠は送電線の近くなので、鉄塔を辿っていけば多分、鯨峠にも出られるはずです。

近くまで行けばきっと分かるでしょう。

次の鉄塔を目指して歩きます。何人も作業員が往復してるそうなので、迷ったら作業員を探せばいい。

ちょっと心強くなりました。

途中、道を見失って無理やり尾根筋に出て道なき道を進んだこともありましたが、その後、見事にリカバー。

作業員を探して、メンテナンス通路を進みます。

(でも、こういうの、本当はマナー違反だからやっちゃいけないんだろうなあ…(*´Д`))

そのうち、尾根筋に出ました。なんとなく、右手に旧道っぽい箇所を発見。

YAMAPの地図を見るとあれが「鯨峠」で間違いないようです。

草だらけの尾根筋を歩き、峠に近づきます。

切通しです。ピンク紫の小さな花のある木が見えました。

花が小さすぎてよく見えませんね。切通しを下ります。

道に戻ってきました。標識が見えます。

(私の影が映りこんでしまう…(*´Д`))

どうやら、鯨峠から鯨山へも行けるようです。(道らしきものは発見できませんでしたが…)

鯨峠は大槌の「浪板海岸」まで通じているようです。次回はそこから行ってみたいと思います。

しかし、この看板…崩れかかって限界じゃないすかね…(*´Д`)

そして、さっきの所が「鯨峠」で間違いなさそうです。

ココですね。峠も若干の切通しになっています。

ちなみに、右手に登ると赤ペンキを塗った樹が沢山あります。この先に道があるようです。

どうやら尾根筋を通って、「石坂森」とかそっちの方に抜けていく道があるようです。

また今度確かめてみたいと思います。

しかし、コレ、本当に道なのかな…。かなり苦労しそう…。

とりあえず、今回は帰ります。今度はちゃんと登山道を行きます。

「大滝」の表示が見えます。先に滝があるんでしょうか???

う~~ん、こっちの方がやはり、「道」って感じがしますね。幅も広いし。

ピンクリボンも石積みもあります。これこそが「道」の証!!!!( ゚Д゚)

冬枯れの道を歩くのもいいものです。日向は少しだけ陽の温かさを感じます。

ただ、落ち葉に隠れた小さな沢には注意です。落ち葉だと思っていると、ビシャッと足元が濡れます。

今度はちゃんとピンクリボンを確かめながら帰ります。

また、切通しに来ました。こっちが旧道で間違いなさそうです。

切通しを下ります。急坂ですが、これが一番合理的な道だったのでしょう。

その後は木々の間を進みます。ピンクリボンがないと行先を見失いそうです。

もし、次来るときがあったら、この大きな木が目印になりそうです。この木を右に進めばちゃんと来られたはずです。

この先がさっきの伐採作業場所でした。

 

そうして、林道に出れば、あとは延々と歩くのみです。

 

けっこう、ガッツリと歩くコースですね、こりゃあ…。

 

 

(おわります)


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