日々是好日

2月1日(土)ハネムーナーと京都半日ツアー

今日から2月。ガイドの仕事は少ないが、その代わりプライベートの予定を入れているので、それほど暇ではない。


今日は京都半日ツアー。ゲストはニューヨークからお越しのハネムーナーのスティーブンさんとアレクサンドラさん。お二人とも33歳、と資料に書かれていた。ホテルは烏丸御池にあるので、京都市営地下鉄に乗った。車内では、いつもこの菱形の物が気になっていた。


ついに、説明がきを見つけた。聖獣『朱雀』が彫られていた。


『青朽葉』も見つけた。北山丸太が京くみひもで巻かれている。


ホテルは『新風館』の中に入っている。新風館は元京都中央電話局のレンガ作りの建物を改築したビル。設計は隈研吾事務所。京都では明治時代に建てられた西洋建築を残している。第二次世界大戦中、ほとんど空襲に遭わなかったラッキーな都市だからできること。


エースホテルでお迎え。


ロビー


大きな鉢を見つけた。先日訪れた陶芸家、八田亨さんのお話しを思い出した。大きな鉢は焼いている間に割れることがあるそうだ。


今日の行程は、金閣寺と龍安寺だったが、昨夜遅くにエージェントからメールが入り、金閣寺の代わりに源光庵にお連れするように頼まれた。源光庵は一度だけ行ったことがあるが、ガイドは初めて。でもやるしかない。ただ、鷹ヶ峰周辺は研修で2022年12月に歩いた。そのときに訪れたお土居餅のお店とお醤油のお店を思い出した。東京のガイドさんからの報告で、スティーブンさんはイタリア料理のシェフをされていて2人とも『食』に大変興味をお持ちだということを知っていた。お二人にお土居餅とお醤油のどちらがいいか尋ねた。お醤油のお店に行ってみたいとのことだった。

1805年創業の『松野醤油』 お店は小さいが、奥に専用の駐車場があった。スティーブンさん、この樽の写真を撮っていた。


小ぶりの容器に入った薄口醤油、濃口醤油、刺身醤油の3本セットを購入。私「うどんの出汁は関東では濃口醤油を使い、関西では薄口醤油を使う。東京で食べたうどんの汁は真っ黒だったでしょう? こちらの汁は薄い色をしています」この説明で薄口醤油に興味を持たれたスティーブンさん、薄口醤油の大瓶を買いたかったようだが、考え直して諦めた。京都のあとはニセコでスキーをするのだから、あまり荷物を増やしてはいけませぬ。


曹洞宗の寺院、源光庵に到着。東京のホテルのデスクで、この寺院を勧められたそうだ。静かなところに行きたかったお二人。


ここでは二つ、有名なものがある。一つはこの窓。丸窓は『悟りの窓』、角型は『迷いの窓』と呼ばれている。


昨夜、行き先が源光庵に変わった時、慌てて資料を探した。運よくこのビジュアルエイドが見つかった。ガイドの友人がくれたもの。ガイドの友人のネットワークにはいつも助けられる。窓の前でこれをお見せした。アレクサンドラさん、写真に撮られた。


もうひとつの有名なものは、この血天井。足跡がくっきり見える。1600年、徳川方の鳥居元忠が家康の命を受けて伏見城を守ったが、石田三成軍に負けてしまった。城に残った380人余りの侍は、お城で自刃することを選んだ。床と畳が血で染まった。彼らを供養するために、血に染まった床板をこの寺院の天井板にしたそうだ。


冬枯れの庭も美しいと思えるようになってきたのは、私が枯れてきたからだろうか。


静かな寺院の雰囲気を楽しんでいただけた。ちなみに、門の周囲の砂がピンク色なのは、血天井とは関係がないそうだ。寺院の格が高いことを示すらしい。


また車に乗り、龍安寺に行った。駐車場からお寺に向かう間にお土産物のお店やお茶の試飲ができるところなどがある。孔葉堂の香葉茶を試飲した。青しそ、梅、昆布、抹茶からなる粉末のお茶。昆布が入っているので『旨み』の説明が英語で書かれていた。スティーブンさん、”Umami”という言葉をご存知だった。ちなみに彼はニューヨークで『出張シェフ』をされている。依頼者のお宅に行って、キッチンで料理を作りお出しする仕事。ニューヨークなら、優秀なシェフは引っ張りだこだと思う。


龍安寺の庫裏。ここから入る。寒いのでスリッパーも用意されていた。


入ると目に飛び込んできたのは『ブッシュカン』 1年くらい前、お茶の先生に見せてもらった。インドが原産で仏様の手のようだから、この名前がついている。スティーブンさん、この柑橘類についてご存知だった。おそるべき33歳。ちなみにお二人と私は、羊年だということがわかった。なんと私は3回りも上の羊年。


石庭の広縁でゆっくりお庭を鑑賞してから、伽藍の中も見学。細川護熙元首相の襖絵。40面の力作。特に誕生したばかりの幼い龍の絵が素晴らしい。細川さんは60歳で政界を引退してからは、作陶、書、絵画などのアートに専念されている。


いつもは入れないところに入れる特別公開中だった。めったにないことなので、拝観した。


龍安寺を創建した細川勝元の木像を祀る細川廟。細川元首相とは、細い血のつながりがあるそうだ。


池の周囲を歩いた。15分くらいの適度なウォーキング。


このあと行程にはなかった嵐山の竹林に寄った。車が使えるのは1時まで。今日のドライバーさんは5分でも遅れたら延長料金をもらいます、というタイプの方だったので、2人で周到に回り方を検討した。嵐山では竹林だけ行き、竹林滞在時間は20分にした。竹林はいつもより空いていて、いつもの写真スポットで他の方が入らない写真を撮ってあげることができた。


そしてこの新風館に入っているエースホテルに戻ってツアーは終了した。道は空いていて、1時より10分くらい早く帰れた。お二人の希望を入れて元の行程を少し変えた。とても満足してもらえた。素敵なハネムーンになって私も嬉しかった。アレクサンドラさんはファッションの輸出入の仕事をされていて、イタリアとニューヨークを行き来する生活をされている。大西洋を渡るにはそれほど時間がかからないが、お二人が太平洋を超えた日本を新婚旅行の地に選んでくれたことを嬉しく思う。明日のお茶体験、その後のニセコでのスキーを思う存分楽しんでください。


半日ツアーだったので、京都を少し歩くことにした。三条通りを歩いていると、このビルに人がどんどん入っていく。ここは京都文化博物館。旧日本銀行京都支店


大シルクロード展が開催中だった。今朝、阪急電車に乗り合わせた女性が、この展覧会のチラシを熱心にご覧になっていた。この展覧会を見るために京都に向かわれたのだろう。


せっかくなので私も入ってみた。瑪瑙象嵌杯(めのうぞうがんはい)5−7世紀


囲碁仕女図屏風、複製。原作は唐・8世紀


車馬儀仗隊(しゃばぎじょうたい)後漢・1−3世紀


女子俑(よう) 唐・8世紀


寺町京極通りを歩いて阪急で帰ることにした。これは下見?  “mumokuteki cafe”  ベジタリアンのゲストのために、一度、入ってみたいと思っていたカフェ。




ジンジャーエールを注文した。


帰宅して、本日のお買い上げ品を並べた。こんなに買ってしまった。


夕食。博物館のショップで買ったハーブキャンドルに火を灯して、冷食のパスタを食べた。





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