ロビーで待っている時、ソファーの隣に座っていた男性ガイドと話をした。英語だけでなく、スペイン語のガイド資格も持っておられた。私より年上だった。彼のゲストが来られた。なんと5月24日の夜、一緒にお好み焼きを食べたビアンカナさんだった。束の間の再会を喜び「ニックさんは?」と尋ねた。先に帰国されたそうだ。ビアンカナさんはヨガのインストラクターをされながら大学に通っておられる。Chinese medicineの勉強をされているとのことだった。大学は夏休み中だろう。男性ガイドと鞍馬山のハイキングツアーに出発された。
私のゲストはシアトルから来られたケリーさんと娘さんのリアットさんだった。リアットさんの大学の卒業を祝って、母娘で日本にいらした。ケリーさんはブティックを経営されていたが、コロナの影響などもあって最近、閉店したそうだ。大学生の娘さんと高校生の息子さんとお父さんはお留守番。お父さんは会社経営をされていて、お忙しいそうだ。3匹のワンちゃんもお留守番。ワンちゃんのかわいい写真を見せていただいた。1匹はドーベルマン。とても賢いがやんちゃらしい。
地下鉄で東山駅まで行き、浄土宗、総本山の知恩院まで歩いた。三門。私「浄土宗は楽なんですよ、南無阿弥陀仏とずっと唱えるだけで極楽に行けるんですよ」と言うと、ケリーさん、ユダヤ教にもよく似た、繰り返し唱える歌のようなものがあると教えてくれた。
長い石段を登り御影堂へ。中に入ると法要のために集まっている人がいた。「ここでは本物のお寺を見ることができます」と言ったものの金閣寺のように観光地になってしまっているお寺には行かれていないので、違いはわからないだろう。
半日ツアーの場合は、金閣寺や二条城に行くツアーを選ぶゲストが多い。あえて東山ツアーを選ばれたのは、静かなところに行きたかったのだと思う。2〜3日前に、リアットさんからWhatsAppにメールが届いた。ツアーの入ってない日に行く場所を推薦してほしいという内容だった。よく調べておられて無鄰菴も候補に入っていた。
知恩院の方丈庭園
方丈庭園から石段を上り、山亭庭園まで行った。市内が一望できる。
日本の墓。家族で同じ墓に入るんです。たとえ生前、夫婦仲が悪くても。
ゲストさんのお庭には様々な色の紫陽花があるそうだ。
円山公園へ。古くは武田五一や小川治兵衛が設計に携わった歴史のある公園。コロナ前から遊水路の工事をしていて、ようやく完成したが、上流の方には水がなかった。この水はどこから引いているのか聞かれたが答えられなかった。
池にはたっぷり水があった。
池には
きれいな鯉が泳いでいた。
そしてウォーキングツアーは続く。ねねの道に入り、この階段を上り、高台寺に行った。高台寺は出家したねねが秀吉の菩提を弔うために祈願し、家康が部下に命じて建立したお寺。ねねと秀吉の木像がある。今日はねねと秀吉のことだけにしておこう。明日は大阪城で茶々の話をすることになる。
このお寺も坂道や石段が多い。この先にお茶室が二軒ある。この後の竹林は貸切状態だった。
お二人はあまり写真を撮られないし、さっさと歩かれる。予定より早く進んだので、圓徳院にも入った。ねねはここで19年暮らし、客人をもてなしたと言われている。自分で作る枯山水。石を配置して砂紋を引ける。
圓徳院を出ると、ドライフルーツを売っていた。お二人、大喜び。私も試食させていただいた。りんご、美味しかった。100グラム1000円は高いと思うが、300グラム買われた。この屋台の右隣に2匹のわんちゃんを連れている男性がいた。ケリーさんとしばし、イヌトーク。
最後に八坂の塔に行って全行程は終了。ケリーさん、塔のすぐ横にある陶器のお店に入って行かれた。洋服、鞄、小物、本などを売るブティックを経営されていたので、良いものを見つける素晴らしい勘がある。
大正11年創業の陶器のお店だった。招き猫も作家さんの手作り。ケリーさんはお母さんへのお土産に黒い招き猫を買われた。Tax Freeで12000円だった。パスポートを持っていらしてよかった。
お店を出るとフォーマルな服装をした男女がカメラを構えていた。新郎新婦さんがやってきた。カメラを構えていたのは、結婚式に参列した人たちだった。歓声が上がった。良い場面に遭遇した。
半日ツアーなので、昼食はなし。このあとは自分たちで散策されるとのこと。朝、伏見稲荷のことを聞かれたので京都の地図をお渡しした。良いお天気だったが、ちょっと蒸し暑かった。明日は大阪全日ツアー。「9時にロビーでお会いしましょう」と言ってお別れした。
京阪電車で帰ることにした。南座の隣にある老舗の和菓子店で、
水無月を買った。いつもならお茶の先生が作ってくれる水無月をいただくのだが、3月になってから一度もお稽古に行けていない。
7時ごろ、リアットさんからメールが届いた。明日の大阪ツアーはキャンセルするとのことだった。明日も京都を観光したいそうだ。その方がいいと私も思う。大阪までお連れして、道頓堀や新世界に行ってもあまり喜んでもらえないゲストだと思っていた。食事の制限もあるし、私の体調も万全ではないので、少し気が重かった。リアットさんはワシントンの大学では現代ビジネスとジャーナリズムを専攻されていたそうだ。とても聡明そうな方だったので、ネットを使えば迷うことなく、ご自分たちが行きたいところに行けると思う。京都観光を楽しんでください。