なおみってさ

猫と唄って日々の足跡

コロンボの女優

2014-05-11 01:33:35 | 映画
BSで放映されている「刑事コロンボ」を録画している。

帰宅して、猫達の相手をしながらノンビリ観る。


もうこのシリーズは半世紀近くも放映され続けて
小さい頃に、両親の寝室のテレビで観てたのに
気づけばワタシも「イイ年」になったものだ。

ヘンリー・マンシーニのテーマソングはあまり好きではなかった。

罪を犯した人間が追い詰められ、暴かれる後味の悪さか。
自分までコロンボに追いつめられてる感覚が不愉快というのか。

イイ年になると
映画でも音楽でも感情移入の仕方が変わってくる。
出演する俳優の映画も沢山観ていたりする。

庶民派代表刑事が、富豪や女優などのセレブリティ・学者や弁護士などを
自分のぺースに取り込むコロンボのセオリーに感心するし

ほんとに嫌なオトコだ。

と思ったりもする。

コロンボにはホントは嫁さんなんかいないんじゃないかとさえ思え
視聴者も騙されてるんじゃないかと疑いたくなるのである。

そして何かしらトラウマや問題を抱えた犯罪者。
それらをちょっと考える時間が楽しい。

犯人が女性の話には
ワタシのお気に入りが多い。

特に リー・グラント「死者の身の代金」
   ジャネット・リー「忘れられたスター」
   ジョイス・バン・バタン「黄金のバックル」
   フェイ・ダナウェイ アン・バクスター...。

どの俳優にも言えることだけど、この番組に出演できることは
本当の喜びなのだろうと感じる。
脇役も区別なく。
75分から120分まで、尺は違えど
視聴者は位置挙動何から何まで観ている。
犯人を演じる女優は多くはもう若くはない。
アップになれば皺も、崩れた体のラインも、ピーク時とは比べものにならない。
主演を張れる映画も、もはや無い。

架空の、作られたキャラクターを
少ないセリフと、瞳の動き一つでもって
観るものを納得させられるような女優の姿を
このシリーズで沢山見せつけられた。



私がシリーズの中で残念に思ってるキャスティングは
ジーナ・ローランズ。
彼女の旦那はジョン・カサヴェテス。
カサヴェテスも「黒のエチュード」で犯人を演じている。

夫妻はコロンボ役のピーター・フォークとは友人で
カサヴェテスの映画でローランズとフォークは夫婦役になったり
このシリーズもそういう関係での出演なのだろう。

ローランズは足の不自由な令嬢で、
旦那は彼女の財産目的で結婚。
更に、その旦那は会社社長である母親を殺す。

最後はコロンボは旦那をしょっぴいていくのだけど、
彼女は泣き崩れるばかり。
旦那は最後まで嫌なヤツで救いようがない。

そこでドラマは終了。

あんまりじゃないかなぁ。

車椅子のローランズはどうなったんだろう。
男に懲りて、死んだ母代わりに会社社長になるだとか
多少は前向きな雰囲気を残して欲しかった。

アメリカのドラマなんだし!

観る度に後味が悪いのである。

そんな話もシリーズの中に見つけられるのも
ちょっとした楽しみでもあるんだけど。