時の事です 私の二つ前の席の高齢婦人の
二人は買い物帰りの様で 大きめな声でお
喋りに夢中 話し声は周囲に丸聞こえです
次の停留所で男性が乗って来られ私の前の
席に座ると 老婦人の一人が知人だった様
で 振り返り男性に 奥さんが入院された
のに 未だお見舞いしてない事を言い訳し
ています 男性はお気持ちだけでと答えて
もう話したくない様子ですが 女性は容態
を子細に尋ね それに小さな声で答える男
性 畳み掛ける様にトイレはどうしている
かと尋ねた時に 私の心がプツンと切れて
独り言の様に 「あーもう!うるさい!」
と口にすると 老婦人に聞こえ 周りの視
線が自分に向いている事に気付いた様です
それからは黙って 次の停留所で男性に挨
拶して降りました その次の停留所で男性
が降りる時 振り返り私に笑顔を向け会釈
されました 私も会釈して心が温かくなり
自分の独り言は間違ってなかったと安心し
ました 奥様の看病だけでも辛いのに他人
から一番触れられたくない事を大声で尋ね
られどんなに嫌かと 想像に難くないです
あまり怒ったりしない私ですし クレーム
等も言いませんが 今日は最初から怒りを
感じていて 最後に爆発し 我慢出来ずに
マスクをずらして声に出してしまいました
これが狂暴そうな男性だったら 卑怯です
が 恐くて見てみぬ振りをした事でしょう
ご高齢の物静かな男性の笑顔と寂しそうな
後ろ姿を思い出して あの時は切れても良
かったんだと 決して後悔はしていません
ー今日の昼食ー
ミックスサンドウィッチ
ミックスサンドウィッチ
卵 ハム レタス 頂き物のハムがとても
美味しく 熟柿が冷たくゼリーみたいです
「雪の午後長き戦の世の紅茶」
(石田波郷)
*お正月のお花を生け直しました*
「雪掻いて黄菊の花のあらはるる」
(高野素十)