(ある日の自宅玄関前から)
空が青いから
白をえらんだのです
☝の詩は奈良少年刑務所の
絵本と詩の教室で書いた受刑者Aさんの作品です
Aさんのお母さんは毎日毎日
お父さんから暴力を受けていました
Aさんは
「僕はまだ小さかったのでお母さんを助けてあげることができなかった」と
Aさんは大きくなってお母さんを助けられなかったことを
悔やみました
(希望が丘文化公園から)
身体の弱かったお母さんは
亡くなる前にAさんに言いました
「お母さんは いつでもお空にいるから見上げてね」と
Aさんは ず~と自分を責め続けて
自傷行為をするようになりました
刑務所の中でも自傷行為は止みませんでした
寮美千子先生の「絵本と詩の教室」に参加して
Aさんは一編の詩を書きました
他の受刑者はAさんの詩を褒めたたえました
「お母さんは白い雲に乗ってニコニコ笑っているようだ」と
Aさんは少しづつ自傷行為を止めるようになったそうです
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2007年から奈良少年刑務所の外部講師を務めた
寮 美千子(作家・詩人)さんの講演を拝聴しました
*(少年刑務所は2016年に少年犯罪の激減により廃庁になっています)
彼らは加害者になる前に皆、被害者だった
親から虐待を受けたり
貧困だったり
学校にも行けず
心身共にバラバラに
自分を守るために鎧を付け
鎧とは
何も話さなかったり
いつもヘラヘラ笑っていたり
目は虚ろだったり
顔は土気色
そんな悪い鎧を纏うことで
自分を防御していたのです
そんな彼らが少しづつ変わって行く様子を
寮 美千子さんは実感した、と
(☝の写真は記事の内容と無関係です)
(琵琶湖地球市民の森から)
ある時、刑務所の指導官が
「君の好きな色は何か」
と問うと
「青と赤」と答える
他の受刑者は
「凄い二つの色を答えたことが凄い」という
別の受刑者は
「僕は覚せい剤が好き」という
指導官は
「正直に答えたことが素晴らしい」と褒める
彼らの話すことに絶対に否定はしない
「何故、覚せい剤が好きなのか」と 問う事もしない
けれども自分から
「バラバラだった身体をひとつに纏めてくれたから覚せい剤が好き」と
「でも、初めは良かったけれど、、またバラバラになる」
「悪循環なので止めたかった」ともいう
(琵琶湖地球市民の森から)
名前で
呼ばれたことも
なかったから
☝の詩はBさんの作品です
Bさんのお父さんは企業戦士
仕事ばかりでBさんの名前を一度も呼んだことがなく
警察官が
「お父さん、貴方にとってBさんを漢字一字で表すとどんな字ですか?」
お父さんは
「宝」と書いたそうです
お母さんは
「子」と書いたそうです
寮 美千子さんの講演を拝聴しながら
とめどもなく涙が流れました
幸いにもマスクを付けていたので
涙はマスクの中に流れ落ちました
今は子ども食堂などがあり
流石にひもじさで万引きする子どもはいません
もっと早い時代に子どもたちを救えなかったのか、と
悔やまれます
生まれたときは真っ白で可愛い子どもたち
そんな子どもたちを犯罪者に仕立てたのは
私たち大人です!
国の社会の責任なのです
貴方たちは何も悪くないのです
そんな事を考えさせられた一日でした