鬼畜の美食家 Ⅱ 5章
数日後、捜査一課長の自宅にやって来た佐野志郎似の男はスーツのポケットから出したラジオのような機械持って勝手に家に上がり込むと機械からアンテナを伸ばして家の中をぐるぐる回って何かを探してたい。
すると様志郎似の男の持つ機械に何かの反応音が聞こえ「みーつけた」と、ソファーの裏側から一つのコンセントを取り外した。そして奥さんが首をかしげてもお構いなしとばかりに台所の壁の中に埋め込まれたコンセントをドライバーで外すと「みーつけた」と、ニヤリと笑うと、またまた別の部屋へと移動して同じような作業を繰り返した。
そして笑顔を見せた佐野志郎似の男は笑いながらソファーの真ん中にあるテーブルに取り外されたコンセント6個を置いた。そして「いやあぁ、すまんすまんつい仕事柄で調べたくなったんだ」と、事の詳細を打ち明けた。
「こういう場所でも普通にあることなんだわ」と、ニッコリと微笑んで一課長の視線に視線を重ねた。そして佐野志郎似の男は「こう言う官舎でも普通に盗聴器が仕掛けてあるのさ」と、ホっとした表情でテーブルの上におかれたコンセントを見つめると台所に居た奥さんも目を丸くした。
捜査一課長はコンセントを見つめると「まさか自分の住んでいる官舎にこんなにも盗聴器があるなんて」と、目を丸くして、いやあ助かったよと緊張していた顔を緩ませた。 そして、ところで電話の続きなんだが例の事件で公安はどうなっているんだ? と、友人に訪ねると、「こっちもてんてこまいさ」と、右手を頭の上に置いた。
そして笑いながら一課の情報は公安には「だだもれさ」と、盗聴器の話しをすると、実はなと一課長の耳に自分の口先を近づけて数分間喋りまくり一課長は黙ってその話をかるくうなづきながら聞いていた。すると奥さんが御茶を持ってくると「あらあら、ヒソヒソ話しですか?」と、明るい笑顔で二人を見つめた。
翌日、一課長は朝から鑑識を呼び出すと捜査本部の中にある盗聴器の発見を急がせた。そして一つ、また一つと、最後は全部で15個の盗聴器を探し当てたが刑事達は呆然とその光景を見て無口になった。一課長の脳裏には昨日聞いた公安の動きにも注意して自分の席に着くと、一課長に敬礼!と、全ての刑事達は課長に頭を下げた。
そして昨夜の夜に公安の友人から聞いた話を考えつつ政財界の有力者に刑事達を張り付かせることを決意すると「各班長はここに張り出された人物を徹底的にマークしろ!!」と、命令して「意味もなく人間の肉を食らう星を絶対にあげる!!」と、意気込んだ。そして書く班長達は「よし!行くぞ!」と、号令をかけた。
だが、一課長も鑑識もは見逃していた・・・ 蛍光灯の裏側に張り付いた盗聴器が犯人達の物とも思わずに。 そして一課長の命令によって刑事達はべったりと張り付くと額から流れる汗をハンカチで拭いた。
そして新聞やテレビでは現在開かれているオリンピックの話題よりも「鬼畜の美食家」と、銘打って大きく取り上げ、ラジオからユーチューブまで「鬼畜の美食家」と、題して至るところで炎上していたが被害にあった被害者たちはその殆どが心を病んでいた。
「しかし・・・ 誰なんでしょうねえー 鬼畜の美食家なんて名前をつけた人は」と、横に居た一人の刑事が居た。
だが政財界にべったりと張り付いていた刑事達からは何の反応もなく、ただ暑さとの闘いでもあった。 100人態勢から200人規模に膨らんだ捜査本部の電話はまだ一軒もなく捜査一課長も気をもんでいたが、その間を縫うように次の事件が起きようとしていた。
「こんだけ張り付いてたらテレビドラマなら何かの進展がありそうなんですけどねえ」と、刑事がが言うと別の刑事は「テレビなら1時間で犯人を逮捕出来るんですがねえ」と、手ぬぐいで汗をふいた。
そして刑事達が張り込んでいたやさきのこと。とある場所では、いつものように美食家たちはその冷房の効いた部屋でブラジャーと黒いパンストを履いた〇〇新聞の女記者が全身麻酔をかけられマッサージチェアにその身を預けられ大股開きにされていた。
すると今夜の獲物を近くで見ようと6人の客達が顔半分に仮面を付けて口元をニヤニヤさせて近づいてきた。すると一人の紳士が大股の真ん中の匂いを嗅ぎ「今夜の獲物も最高ですなあ」と、他人が見ている前で黒いパンストをビリビリと音を立てながら破っていき、白いパンティーの上から鼻を押し付けて匂いを嗅いだ。
そしてビリビリに破かれたパンストを丸めて口の中に運んだ紳士はクチャクチャとその女の匂いと味にしばし酔いしれた。 すると別の紳士は女からパンティーを剥ぎ取るとその内側に顔を押し付け鼻で大きく呼吸してピチャピチャと舐めはじめた。
「まあ! 下品ですこと」と、一人のマダムが笑みを浮かべてニヤリと医者らしき男の方へ視線を向けた。 そして「まあぁ! 今夜の獲物はピンク色ですこと」と、女記者の陰部に指を入れてその指を自分の口に入れてしゃぶった。
刑事達が張り付いている政財界の大物とは全く無関係の女記者のことなど誰も知るよしはなかった。 まさに「鬼畜の美食家」と、名前を付けた張本人だと言うことは誰も知らず医者らしき男と看護師だけが知っていた。 すると医者らしき男が今宵は獲物にもショーを見せて始めたいと思っていると語ると客達は「うおぉー」と、歓喜を上げた。
そして10分ほど経過したころ白衣の医者ふうの男は麻酔の切れたことを察すると無言のまま女記者の両手足をロープで縛り、今夜の獲物は鉄板焼きですと客達に歓喜して見せると、客達は両手を飢えに万歳とばかりに大喜びした。
女記者はうつろな眼差しで回りを見渡すと、今の自分の置かれた立場に仰天してみせた。すると白衣の医者らしき男は女記者に「今夜は貴女がお客様たちへの獲物です」と、一声かけると女記者は全身を振ってリクライニングベッドの上でもがき始めた。
「無駄ですよ♪ どんなにもがいても状況は変わりませんし今夜のパーティーは貴女が主役ですから♪」と、もがく女記者を笑った。 そして女記者に対して「我々に鬼畜の美食家と言うステキな名前を付けて頂いたほんのお礼です♪ まあ御自身で後に記事を書いて下さい」と、微笑んだ。
女記者は部分麻酔のかけられた自分の乳房がメスで切り取られる様子を見て失神しそうになりながらも、その乳房が熱い鉄板の上に置かれてジュージューと音を立てて焼ける匂いに嘔吐しそうになった。
客達は目の前の焼かれる乳房をみて歓喜してフォークとナイフで乳房を数枚に切ると、ジュージューと焼ける匂いに各自が自分の方へと焼けた乳房を取り寄せた。 女記者はその光景に何度も嘔吐を繰り返しつつも、もう片方の乳房が切り落とされるのを目前で見て「ギャアー!!」と、大声を発した。
そして焼けた乳房を夢中で食う客達に白衣の医者らしい男は「次に何にしましょうか?」と、声をかけると殆どの客達は「太もも・・・ 内ももの肉を食いたいと要望しつつ」柔らかな乳房を口に運んだ。そして別の客は尻の肉を注文した。
客達の要望で内ももと尻肉を注文された医者らしき男はリクライニングベッドを倒して、客達にその姿を見せつけるように看護師に鏡を持たせて女記者にも見えるようにそのプリンプリンした内ももと尻肉が切り取られるところを見せつけた。 女記者はそれを見ると失神したが医者らしき男は女記者になにやら注射して目覚めさせた。
「こう言う趣向もたまには宜しいでしょう♪」と、客達の前での獲物の捌き方を見せると客達からは拍手喝采を浴びせられた。
そして注射で目を覚ました女記者はと言うと看護師が撮った動画を見せられ、大きくえぐられた大陰唇とクリトリスの焼け具合を見せた。看護師らしき白衣の女性はえぐり取られた股間の縫い合わせの部分も動画として女記者に見せた。 女記者は号泣しつつ白衣の医者らしき男に「けだもの!!」と、叫ぶとと客達から拍手喝さいが再び巻き起こった。
女記者はその全てを見せられ大粒の涙で頬を濡らし「殺してやるう!!」と、応急処置を拒みつつも受け入れ医者らしき男から再び注射を打たれると女記者は気絶するかのように眠った。同時に客達に「本日のお食事会は終わりました」と、伝えると一人、また一人と客達ははその場から部屋から姿を消した。
鬼畜の美食家となずけた女記者は獲物にされてしまったがゴットハンドで知られる医者のような男は警視庁から外国にまで捜査が徹底されていたにも関わらず、その男のことを知る国は無かった。果たしてこの医者のような男は日本人なのかそれとも外国人なのかまだ謎のままだった。
そしていつものように119番に電話が入るといつもと同じように救急車は大学病院に女記者を乗せ警察本部に連絡が入った。政財界の大物達に張り付いた刑事達にも動揺が広がりつつも、捜査一課長はそのまま刑事達に張り込みを命令して頭を抱えた。
血管を一つも切らずに肉だけを剥ぎ取ると言う人間業とは思えない手口に一課長は悩んでいた中で、病院から女記者が目をさましたと言う連絡を受け、残っている捜査員達を病院に急行させた。 そして病院の医師の立ち合いの元、鬼畜の美食家たちの情報を少しでもとばかりに、女記者は「私は自分の身体が切りき刻まれる様子を見せられた」と、証言した。
そして気絶していた間の動画を見せられた事や取り除からた下半身が縫い付けられて行く事も刑事達に話して聞かせつつ大粒の涙で頬を濡らしていた。素人なら警察に証言するどころか心を病んでしまって、まともに話も出来ないのに、この女記者からは凄まじい殺気を刑事達にも伝わった。
大物政財界の犯行に違いないと思っていた一課長は部下からの報告で、その残虐性にショックを覚えた。 そしていつものように現場に出向いた刑事と鑑識から今度は部屋の中から鳥の羽のよう物を見つけたと報告が入るやいなや課長は朝一で科捜研に協力を要請した。
「猫の毛・・・ そして犬の毛・・・ 今度は鳥の羽」か・・・
一課長は今回の事件も5年前の過去の事件も何かを警察に知らせるための犯行かも知れないと、一人で関係者の写真を見つめていた。そしてそこに病院から引き揚げてきた刑事達から客は3人の女性と男が3人居たと言う証言がとれたと自慢気に一課長に報告をした若い警視庁の刑事に一課長は大きな拳で相手の頬を殴っった。
公安と警視庁と検察庁のトップが何やら不審な動きをしていると言う佐野志郎似の友人の言葉に一課長は、ますます神経をとがらせつつ、明日からは別の班にも公安から出てきた政財界の大物の範囲を広げて行くことを決めた。
コロナがまんえんしていてオリンピックも開催される中で公安から入手した大物政財界にも張り付いた刑事達は牛乳とあんパンを片手に、手ぬぐいで汗を拭き元総理大臣にも張り付いていたが、それらしいしぐさを見せなかったことから、元総理大臣は無関係なのではとの結論を一課長に進言した刑事も数人居た。
だが、捜査一課長は捜査員達にもうしばらく張り付いてろとはっぱをかけ、なんだー オマエの朝飯は牛乳とあんパンかよと言って一課長が大笑いすると、他の刑事達はハンバーガーを持ってアンパンをもってる刑事に「オマエなあー♪いつの時代の刑事物だよおー♪」と、久しぶりに本部は刑事達の笑い声が響いた。