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鬼畜の美食家  Ⅳ   4話

2021-10-04 09:50:15 | 縄奥小説

4話

 

 

 親父さんは犯人像を描きつつ指示者は一人、手配は数人、そして飼育には最低でも10人が関与していると考えつつ都内近郊で、被害者達の唸り声が聞こえずひっそりと暮らせる場所と位置づけて一人で捜査していた。そしてパソコンで検索した場所に来て見たものの「ここでは無いがこんな場所だな」と、廃ホテルの前に立っていた。ここなら数百人分の食料も手に入れられてと考えつつ、廃ホテルの中を見ようと玄関に立った。

そんな時、警視庁の捜査本部では定例の捜査状況の買い場をしていたが、どの班からも有力な情報もなく、ただ一席、親父さんの席だけが空いていた。一課長はその開いている席をチラっと見て心の中で「親父さん!!」と、声なき声を発した。そしてその頃、親父さんは一人でバス停に降り立ちパソコンの地図を見ながら目の前にあった農家のおバアちゃんと世間話をしていて、オバあちゃんから気持ちの悪い農家がこの先にあると言う情報を得た。オバあちぉんが言うには農業はしているものの、野菜や米を一度も出荷したことも無くて時々夜中に豚のような鳴き声が風に乗って聞こえるのだと言いその農家の人と会った事も無いと気味悪がっていた。

親父さんはその情報を元に地図で確認すると、確かに航空写真では農家と畑がハッキリと見えた。親父さんはその航空写真で見た農家に訪ねてみようと急な上り坂をゆっくりと前に進め、首からぶら下がっている手ぬぐいで顔の汗を拭きながら歩いた。そして少し離れた場所から双眼鏡を取り出すと中の様子をうかがった。そして「確かにそうだ… 人が一人も居ない…」と、オバあちゃんの言う事の裏付けが取れたと頭の中で考えていた。

そして双眼鏡で見る事、3時間を経過した時、一人の男が動物の居ない牛舎から二階に何かを運んで居ることを見た。見た目は普通の牛舎なのに一頭も牛も豚も居る様子が無かった。そしてニワトリの姿もソコには無かった事で、親父さんはスマホを取り出すと捜査一課長に直接電話をして応援の要請をした。一課長はそれを聞いて捜査員を300人を親父さんの言う場所に急行させた。

捜査一課長は心の中で「親父さん!!」と、叫ぶと一人「ガッツポーズ」を決めた。捜査一課長の微笑む顔を久ぶりに見た幹部捜査員達は個々にしたを向いて口元を緩めた。そして応援が来るまで親父さんは双眼鏡で「ヤツら」を見張っていた。そして1時間ほどが経過した時、捜査員達は全ての車両のサイレンを消して赤色灯も消して建物を捜査員が包囲した。そして親父さんは包囲した捜査員達を見て一安心したとばかりに、手ぬぐいで額から溢れる汗を手ぬぐいで拭いた。

 そして捜査員達が周囲から建物に近づくと中から「イギイィー!! イギイィーー!!」と、激しく危機が迫っていると、飼育員たちに知らせるように警察病院で聞いたあの声を出して唸り始めた。 そして捜査員達はスーツの裏から拳銃を出すと無線で幹部が一斉に捜査員達に突入の号令を発した。そして牛舎から二階に上った「捜査員達は動くな!! 手を上げろ!!」と、一斉に中に突入し一人の男が両手を上げて壁に持たれかかると隣の部屋から「ギイィーー!! ギイィーー!!」と、捜査員達を威嚇する唸り声を発した。

そして中に突入した捜査員達が見たモノは、裸で四つん這いで部屋の中をグルグルと回る女達の姿だった。捜査員が「もう大丈夫だ!!」と、右手を差し出すと突然女は「ギイィーー!!」と、大声で唸りながら捜査員の手に噛みついた。そんな光景を目の当たりにした捜査員達は半歩後ろに下がって獣を見るように拳銃を構えて威嚇射撃で天井に一発「ズドン!!」と、言う音を出すと女達は「ギイィーー!! ギイィーー!!」と、大騒ぎして捜査員達を動揺させた。そして手錠を掛けた男を連れて来ると女達は顔つきを普通に戻して「イギィー♪ イギィー♪」と、男の方へと近づいて頬を男の足にくっつけて頬ずりをしてみせた。男は中に居た数十人の女達に囲まれ捜査員達は黙ってそれを見ているしか無かった。そして捜査員が他の部屋も捜索すると数十人の女達が四つん這いで走って来て手錠を掛けた男にすり寄って来た。

捜査員達は完全に女達を救出したものの何処へ連れて行けばいいのかと一瞬、固まった。女の数は全員で60人も居て捜査員は大型のバスを回すように捜査本部に要請した。そして建物を全て掌握したが逮捕された男は黙り込んで近寄ってくる女達の頭を一人ずつ撫でてやっていた。それを見た捜査員達の心境は個々に違うモノがあったかも知れない。

そして女達を60人救出した捜査員達は大喜びで捜査本部に到着すると、取り敢えず女達は5人に分けて留置場に居てもらう事にして、そこには親父さんの姿は無かった。親父さんは黙ってその現場近くを離れると35年ローンで買った我が家に戻って一人ボッチでビールを飲んだ。だがそんな事とは知らない一課長は警察署の中で親父さんの姿を探していた。そして親父さんに電話して親父さん今どこですか? と、聞くと今は家で一人ボッチのビールを飲んでます♪ と、喜びを露わにして答えた。

そして鬼畜な美食家の仲間を警視庁が逮捕したと言うニュースが東京都に、そして全国に緊急ニュースとしてテレビやラジオで一斉に発信された。捜査員達は一課長を囲んで勝利の祝杯にジュースを飲んで祝いに祝った。 だがそれは多数ある内の一番小さい飼育施設であった事は誰も知らない事だった。そして施設に警察が入ったことを知った獣医師は「大した事じゃないんだがね~♪」と、薄ら笑みを浮かべた。そして同じ頃、警視庁の留置所に入れられていた犯人の一人が警察官にタバコを吸わせてくれと頼みこんだが受け入れられなかった事で、犯人は「ギイィーー!!」と、叫ぶと留置場に居た女達が一斉に「ギイィーー!! ギイィーー!!」と、大騒ぎになって警察官は一本だけだぞと、言って犯人に灰皿と押収したタバコとライターを渡した。そして犯人がタバコのフィルターをカチっとかじった瞬間、男は口から泡を吐き出しつつ青酸カリで服毒自殺をしてその場で息を引き取った。

そして服毒自殺をした犯人の身元も解らぬまま事件は未だに終わっていないと言う事実だけが残り、留置場に居た警察官はその日のうちに退職届けを出して警察から姿を消した。そしてその事が公になるとメディアはこぞって警察の失態を非難し国民にも再び不安な日々をおくらせることになった。 そして事の重大さを知った警察官はその夜に自宅マンションで首を吊って死んでいた。

警視庁捜査本部では対応に追われる上司たちに目を背け、意気消沈して全員がガッくりと肩を落とした。捜査一課長も、まさか犯人の一人が服毒自殺するとは考えてもいなかったと上司に吐露していた。その頃、獣医師は何者かと山の飼育場が潰された事と容疑者の一人が天国へと旅だった事を話し若干の悔しさも話し合っていた。

そう言えば親父さんの奥さんが亡くなってもう10年か… と、続けて娘さんたちも二人とも結婚して家を出て行ったらしいなと、一課長が自室で寂しそうに一人呟いていた。 その頃、親父さんは二つ目の飼育場に事前に目を付けていて、翌朝、バスに乗って山中のとある場所へと向かって居た。親父さんの目は鷹のような目をしていてバスの窓から見える景色に視線を向けていた。

 捜査本部では飼育場を摘発した事で「もう事件は終わっただろう」と、考え被疑者死亡と検察側に状況を説明した。ただ検察側は「本当に事件は終わったのか?」と、捜査員達に疑問を呈していたが、捜査員達は実際の所、まだ容疑者は別に居るだろうとも考えていた。しかしそれは事実だったと後に捜査員達にそう思わせた。検察側は警察庁の発表どうりに被疑者死亡とこの件を終わらせた。

バスに乗っていた親父さんは過去に起きた事件が絡んでいる事は承知の上で、客観的にあの事件と今回の事件が絡んでいると睨んでいたため、他にも大きな飼育場が絶対にあるはずだと考えていた。そして捜査本部の朝の会議で親父さんの席だけが無人のままだった事に一課長は、親父さんも何か疑問があるのだろうと考えつつ会議を進めていた。

そしてバスを降りた親父さんはパソコンの地図を頼りに「俺ならこんな場所で飼育するだろうな…」と、バス停から徒歩で山中の細い道をひたすら歩いていた。そして細い道路に沿って農家に聞き込みを始めたが何の手がかりも無いまま、一軒、二軒と農家に聞き込みして10軒になった集落のはずれの農家で妙な話を聞く事になった。それは前回と同じで牧場と農家を兼業する割に出荷したことが無い農家があって、近所付き合いも無く付近の農家からは薄気味悪いと評判になっていると言う。

親父さんはその話を聞くと「やっぱりそうか…」と、目を細めて農家の婆さんに「大きなトラックを見たことは無いか」と、聞いて見ると婆さんは「出荷しているトラックは見た事は無いが豚のような動物を荷台に乗せて黒い煙を吐いて坂を上っているトラックは見たことがある」と、親父さんに話した。親父さんは目をキラリと光らせ婆さんに礼を言うと急な坂道を徒歩で登って行った。そして前回と同様に大きな3階建ての建物と牛舎に畑を見つけ、双眼鏡で相手の動きに目を光らせた。そして親父さんは「俺ならここの建物で飼育するな…」と、独り言を言いつつ中の様子をうかがった。

すると数人の男達が中から出てきて、続けて裸の女達が50人程、あとを追うように「ギイィ♪ギイィ♪」と、小さな唸り声を上げて四つん這いで緩い階段をゆっくりと降りて来るのが見えた。その瞬間、親父さんは「やはりここだったか…」と、地面で四つん這いで歩く裸の女達は数人の男達の後を追って建物の周りを歩き始めた。親父さんはそのままじっくりとその光景に目を奪われつつ、女達はあの男達の事を親か何かだと信じ切って居るのかと疑問を感じた。

 親父さんは双眼鏡でその光景を見ていたが女達は畑の中でしゃがんで大便をしているように見えた。そして親父さんは「まさか畑の肥やしか?」と、女の数を数えて50人は居ると確信した。そしてこのことを捜査一課長に報告すべき電話を掛けた。すると一課長の声は大きくんって「親父さんに二度も助けられたな♪ 私も参ります!!」と、言うと捜査員を500人現場に向かわせると言って電話を切った。捜査一課長は親父さんの捜査に驚きを隠せなかったが、心の中で「親父さんこそが我々には必要なのだ」と、肝に銘じていた。

そして1時間後にサイレンと赤色灯を消すと何百台もの捜査員を乗せた車がやって来て建物を包囲して捜査員達はスーツの内側に隠し持っている拳銃に手を掛けた。そして一課長の号令の下、一斉に捜査員達は静かに建物に近づいて、車両に残った捜査員達は一斉にサイレンを鳴らし赤色灯を回した。そしてその音に驚いた男達10人は手に拳銃を持って窓を開くと捜査員達に向かって「バアァン!!」と、発砲し捜査員達も応戦するかの如く拳銃を一斉に発砲した。そして数十分の間、こうちゃく状態が続くと、12人の男達が両手を上げて建物から出てきて逮捕された。 そして40畳はあろうかと言う室内からは「ギイィーー!! ギイィーー!!」と、暴れるように捜査員達に体当たりして来た。

捜査員達の中の一人が天井に向けて威嚇の発砲をすると室内は突然、静まりかえって、四つん這いの女達はジリジリと後ろへ下がって行き部屋の角にまで後退した。そして再び「ギイィー ギイィー」と、涙を流して唸り声を寂しそうに上げた。

そして走って来た警察の大型バスに女達を乗せると女達は、初めての椅子にギコチ無く座っては周囲を全員が見回し「ギイィー ギイィー」と、互いに何かを発信していた。そしてバスが走り出すと女達は一斉に腰を低くして辺りを見回した。そして犯人を全員逮捕した捜査員達は犯人を乗せて警視庁に向かった。

だが一台だけその場に待機していた車から捜査一課長が居りてきて満面の笑みで親父さんに抱き着いて労をねぎらった。すると一課長が「どうしたら二度も続けて犯人達の居場所が解ったんですか!?」と、親父さんに聞くと親父さんは、いやぁ…「俺ならこう言う場所に女達を隠すだろうな~」と、長年の経験と感に頼っただけですよと、口元を緩めて笑った。

捜査一課長は親父さんを車に乗せると冷房を強くして熱くなった親父さんに涼を向けた。そして親父さんにタバコを一本渡すと一課長は親父さんのタバコに火を点けた。そして数十台の鑑識の車とすれ違いざまに「親父さん!! 定年前で恐縮ですが、本部に移籍しませんか!!」と、親父さんを喜ばせたが親父さんは「謹んでお断りさせてもらうよ」と、大笑いした。

 そして12人の逮捕者だしたニュースは号外で新聞記事になり、テレビでは臨時の犯人逮捕のニュースを一斉に報道した。そして今度こそは自殺者を出さないために留置場の警官達はタバコもライターも押収して監視を強化した。だが留置場は女達の悲しそうな「ギイィー ギイィー」と、言う声が反響して留置場は葬式会場のようになっていた。

だが世の中がホッとしていた陰でソレに腹を立てている人物も居た。獣医師は「どうやら警察には鼻の効く刑事が居るようだ」と、苦笑いして何処かへ電話を掛け「獣たちを別の場所に移せと指示すると、移転先にはまだ時間が必要だ」と、部下? から返事が返って来た。そして獣医師は「このままじゃ潰される!!」と、部下? らしき人物に物静かな声で話した。

そしてそれから一週間が経過したが事件は起こらず東京は少し寒くなってきていた。「そして更に数週間が経過しても事件が起こらなかったことから捜査本部を解散してもいいのでは?」と、警視総監から直々に一課長に連絡が入ったものの、一課長は「今はただの様子見かも知れませんもそれにまだDNA鑑定の終わって居ない被害者もいますので」と、捜査本部の解散には否定的な発言をした。

そしてそれから一週間が過ぎた頃、捜査一課長の権限で上と相談して、定年前の親父さんを警視庁の捜査員として迎えつつ「これで定年しても所轄よりは退職金も少しは上がるでしょう♪」と、一課長室で親父さんと談笑する一課長だった。すると親父さんは一課長に、あと残りが数十人ですか… と、顔を曇らせながら一課長の目を見て言葉少なめに課長室を出て行った。

たが世の中が安心した頃、事件は再び発生した。119番に200人の女性が怪我をしていると言う情報が消防署に入ったことで、消防署は都内から集めた200台の救急車を一斉に発進させ捜査本部に情報を提供した。捜査員達は一同に鑑識と共に現場へ直行した。そして現場に到着して見た物に捜査員達は背筋に冷たい氷を入れられた思いだった。その場所は朽ち果てた村の中にあった廃小学校で体育館に机を四角く囲んでテーブルのような造りをしていて、その上には血で染まったコップが無造作に置かれていて、その中身は客達が飲んだであろう生き血の形跡が見られた。そして壁に立て掛けられた女は裸で十字架のように両手を釘で打ち付けられていて、生きたまま肉をナイフで切ったであろう痕跡も見られた。

そして女から切り取った肉を七輪で焼いた痕跡や、女の両手を縛り天井の柱から吊るされた女は二つの乳房を生きたまま切り取られ、ムチで尻を叩かれた形跡のある女はグッタリしていて何の応急処置も施された痕跡は無かった。床は血だらけでガスコンロに乗せられた鉄板には生きたまま切り取られた肉片が焦げついていて煙がくすぶっていた。女達は乳房や尻肉を生きたまま切り取られている者や、左右の太ももを生きたまま切り取られて刺身で喰った形跡も見られ体育館は血の匂いと、全身にロウソクが垂らされて火傷をおってその痛みから床で転がっている女も居て、恐らく女をいたぶって楽しんだであろうショーのような物だったに違いなく、客達が歓喜して生き血を飲みながらショーを楽しんだであろう事が容易に見られた。

それでもまだ運が悪かった女はガスバーナーで焼けたのであろう、全身に大火傷を負い虫の息でテーブルの上に乗せられて女の焼けた匂いの肉を箸で喰われた女も居た。更には数百人の靴の跡が血の上に残されていて、生きている女を喰いそしてロウソクを垂らし苦しさから七転八倒している女や、十字架に両手を釘で打たれムチを使って女の裸体を打ち付けて楽しんだりした形跡が山のように見受けられた。そして残酷なほどに生きた女の身体には無数のフォークの跡やナイフの跡がハッキリ見える形で残って居る女も居た。捜査員達は前回逮捕して女達を奪われた腹いせにこんなことをしたのだろうと額から脂汗を滲ませた。

そんな状況で裸体は綺麗だった女達が数人居て複数の男達にレイプされ陰部からは鮮血が流れ「ギィィィィ ギィィィィ」と、唸る女達の顔には男の液体が大量に掛けられていてその匂いに女達は嘔吐して机を汚した形跡もあった。恐らく客達は考えられる全ての残虐な行為をして楽しんだであろうことは直ぐに解るほどだった。体育館は200人の瀕死の状態から発する鼻に付く匂いを充満させていた。捜査員の一人は「こんな残虐なことをする人間とはどう言う人間なんだ!!」と、叫んだ。そして鑑識もまた焼き鏝(やきごて)で、女の主要部分を焼いて楽しんだ客も居たことは女達の身体をみれば一目瞭然だった。

救急車は怪我人の女達を車両に乗せると次々に車を走らせていく一方で天井から吊るされて肉を切り取られた女の救出も行われ、十字架に張り付けられた女も釘を抜いて救出したがその女も全身をムチで打たれ身体中に赤く腫れた傷口に消毒液を丁寧に塗り込んで救急車に乗せて搬送した。そして捜査員の中では例えようのない匂いに嘔吐し始める者も居て別の捜査員は背中をさすっる者も居た。

だが、いつもとは違っていたのはその残虐性と女達の全てがレイプされて陰部から鮮血が流れていたことだった。女達は「ギィーー ギイィーー」と、その痛みに虫の息で、唸り声を上げていて捜査員達の中には女に哀れみを感じて涙ぐむ者も居た。前回の犯人逮捕の報復だと言わんばかりの非道に捜査員達は心の中で必ず主犯を逮捕するぞと言う気持ちがそれぞれにもたらされた。

ただ、捜査員達はまだ捜査していない客の存在が気になっていた。そして鑑識は何か手がかりは無いかと体育館の床を四つん這いになって探して居て飛び散ったであろう生き血に足を滑らせる者も居た。そんな折、捜査本部に居た親父さんと一課長が顔を強張らせながら「残りは… あと30人でしょうか…」と、一課長に親父さんが小声で言うと一課長は顔を曇らせつつ無言で頷いた。すると一課長は親父さんに「もう一度犯行をするだろうね」と、親父さんを見た。

そして一課長は親父さんに30人飼育できる場所は何処だろうと尋ねると、親父さんは右手の人差し指で頭をコツコツと叩いて天井を見上げた。すると親父さんはパソコンを開いて「俺ならここと、ここら辺かな~」と、一課長に指さして伝えると一課長は「何故?」と、言う顔をして見せると、親父さんは「街から離れていても少し走るだけで普段の生活の買い物も出来る上に大型車も走れて施設の音もこの森が隠してくれるし女達を飼育するにも適しているし…」と、一課長に目を合わせずに答えた。そして「もし俺が犯人だとして施設の運営をするなら後はここら辺とここら辺だね」と、親父さんは続けた。

 一課長は腕を組んで親父さんの言葉に「確かにそうかも知れない」と、頷くと「但し大勢で歩き回るとコチラの動きが相手に解ってしまうから単独での捜査がいいですよ」と、親父さんは答えた。そして親父さんは極力車は使わない方がいいですよと続けた。取り敢えず俺は明日には施設を探す一人の行動を許してくれんかな~と、一課長に言うと捜査本部の中にある長椅子に横になるとコートを布団代わりに仮眠をしていた。その頃、現場では鑑識の邪魔をしないように捜査員達は調べ終えた場所に移動して「何で今回はこんな惨い(むごい)ことをしたのか」と、独り言を言うと「おそらく前回の我々の行動に腹を立てたんだろう」と、班長が言うと一同は個々に頷いて見せた。

そして一課長も親父さんと同様に長椅子に横になると疲れているのか直ぐに眠ってしまった。そして早朝に捜査員達が戻ると今回の犯行の悍ましさ(おぞましさ)に付いて一課長に報告して眠い目を擦りながら、一課長はパソコンを開いて犯行が行われる前に施設を探し出そうと捜査員達に単独行動で親父さんが示した場所を指さして教えて、親父さんの方を見ると既に親父さんは捜査に出たことを他の捜査員から聞いて一課長は驚きを隠せなかった。親父さんはホワイトボードに自分の行き先を書いていた。それを見た一課長は捜査員達に仮眠を取らせ別の捜査員達に指示を出した。中には車がつかえない事に不満を言う者も居たが、一課長の話を聞いて納得したとばかりに捜査員達は捜査する場所に各自がホワイトボードに書き込んで会議室から出て行った。

その頃、親父さんはバスに乗ってパソコンを開いて犯人達がいそうな場所を涼しい顔をして見入っていた。そして「何とかして次の事件だけは阻止しなければ」と、心の中でつぶやくと窓の外に視線を移してバスを降りた。そして歩く事、一時間「ここら辺なら隠れるのに丁度いいかも知れないな~」と、時計を見て「もう9時か」と、坂道を歩いて林を抜けて砂利の道路を右に大きく曲がると突然、開けた場所に建っている大きな倉庫を見つけた。親父さんはバックから双眼鏡を出すと身を屈めて倉庫の方に視線を当てた。そして待つこと2時間、黙って倉庫を見ているとひとりの大柄な男が中から出てきて牛たちに餌を与えているのが見えたことで「ここは違うな…」と、もう少し見ていようと身体を低くして双眼鏡で辺りを見ると大型のトラックがあるのを発見した。

そして親父さんとは別々に移動して居た捜査員達も親父さんと同様に、目的地の少し手前から双眼鏡を取り出して倉庫や建物を注視していた。だが親父さんは倉庫を注視して離れようとはしなかった。そして親父さんは「何かおかしい…」と、自分でも解らない違和感に「なんだろう… 何かが変だな…」と、倉庫を見ていると「こんな山の中の倉庫に寝泊まりしているのか?」と、自家用車が一台も無いことに目を大きく見開いた。そして再び倉庫を監視していると黒いワゴン車が街の方から走って来て倉庫の前に車を置くと4人の黒スーツの男達が中に入って行った。そして黒スーツの男達は作業着に着替えて倉庫の二階に外階段を使って入って行くのが見えた瞬間、親父さんは確信した。ここに居るかも知れない。

親父さんから捜査本部の一課長に連絡が入ったものの親父さんは「もう少し確信が持てる何かを探して見ます」と、電話を切ると、街の方から黒塗りの外車が倉庫の前で来て止まった。そして中から白衣を左手に右手にカバンを持った医師風の男が倉庫の一階゛分のドアから中に入って行った。親父さんは「獣医師か?」と、しばらく様子を見ていると白衣で出てきた男は牛舎の中に入るとそのまま見えなくなった。

そして2時間が経過した時、白衣の男は牛舎の奥から出てきて再び一階の中に入って行った。すると今度は二階に外階段で入って行った男達4人が居りてきて、一階の中に入って行った。それから2時間が経過したが倉庫からは誰も出て来なくなって「何でスーツで来て作業着に着替えて男達は二階で何をしていたのか」と、疑問を自分にぶつけた。そして時間が経過して午後3時になった辺り、別の捜査員達から一課長に「変わったところはありません」と、個々の捜査員達から連絡が入って居た。

同じ時間に親父さんは双眼鏡で黒塗りの外車のナンバーを捜査本部に伝えると「親父さんの元に捜査本部からメールが来てナンバーから持ち主は…」と、住所を特定した事を親父さんに伝えた。そして親父さんは住所をパソコンで調べるとねグーグルのスリートビューで、ボロボロのアパートの写真を見つけた。そしてそのアパートの入り口に立っている古い看板を見た瞬間「アレは獣医師か…」と、思った瞬間、一階から出てきた獣医師は黒塗りの外車でその場を離れて街の方へと向かって行ったが、4人の男達は一階から出てくると二階へと入って行き「ギイィー ギイィー」と唸り声を上げる女達を30人出してきて畑の中に羊のように放牧させた。これを見た親父さんは一課長に応援を要請し一課長も同伴で500人の捜査員を親父さんの指定した場所に向かい獣医師のアパートも抑えて欲しいと連絡すると一課長は200人の捜査員を現場に向かわせた。

 そして時間は午後の4時半を示し倉庫の男達は「ギイィー♪ ギイィー♪」と、楽しそうに唸り声を上げる女達を二階へと先導して行った。親父さんは「ここがヤツらの最後の施設か」と、胸の中にホッとした何かを感じた。 そして時間は17半、親父さんの指定した場所に到着した一課長は倉庫を包囲し尚且つ獣医師も逮捕させ、最後の施設に向けてサイレンと赤色灯を回した車両が倉庫の前で止まって中に居る男達を仰天させた。

捜査員500人の体制に男達も諦めて両手を上に上げて二階から降りてきた。そして男達に何かあったのかと言うように中から「ギイィーー!! ギイィーー!!」と、ざわめく唸り声が聞こえた。そして捜査員は手錠のかかった男を一人連れて行って200人の捜査員が倉庫の二階に入って行くと、突然、女達の唸り声が消え男のことを心配してか女達は手錠のかかった男の方に行って周りに集まった。捜査員が男に「この女達を外にある大型のバスに乗るように指示しろ!!」と、言うと男は「ギイィー」と、一声かけるた、そして女達は男に付いて行き静かにバスに女達を乗った。

こうして30人の女達は全員無傷で確保が出来て獣医師も逮捕され事件は終わったのかと思われた時、獣医師は「俺を捕まえたらオマエラ全員が後で後悔するからなー!!」と、獣医師は調べ室で大声で怒鳴った。そして「鬼畜の美食家達」を、逮捕した警察が記者会見を開いて主犯を含む被疑者を全員逮捕したことを発表した。この会見で世間はようやく安心して暮らせると胸を撫でおろした。

だがこの事件はまだ終わっては居なかった。それは「何故、全員が同じ年齢で家畜のように言葉も話せず文字も読み書きが出来ないのか」と、言う最大の疑問が残ったがそれは、親父さんがつき止めてくれた例の事件から始まったことだった。

 


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