ずっと父を連れて行きたかった場所に
麻雀スクールがある。
近所のヨーカドーの中にあるので
いつも様子を伺っていた。
電話して確かめてみたところ
車イスでも大丈夫だと言う。
ならばと、試しに父を連れて行ってみた。
父は昔はよく仲間と麻雀していたので
デイサービスでもデイケアでも
相手を見つけては卓を囲んでいた。
それがコロナで出来なくなり
今ではタブレットで機械相手に少しやる程度。
何とかして麻雀を楽しんでもらいたい。
まだ頭はしっかりしているので出来るはずだ。
ヨーカドーの駐車場は、隣に併設しているタイムズで
狭くて車イス用のスペースもなく乗降しづらい。
それでもなんとかスロープを出して父を降ろした。
ヨーカドーに入れば、バリアフリー店舗になっている。
現に沢山の車イスの方がいた。
なぜ、駐車場は整備しないんだろう。
エレベーターで最上階6階ゲームセンター片隅の教室へ。
中には10卓の全自動卓があり、15〜20名の人がいた。
割合と年配の方が多く、スタッフも3名いる。
カウンターで確認して、申込書を記入する。
(もちろん代筆で私が書いた)
レベルをはかるための面白い質問事項があった。
父はこの問題もスラスラと答え
問題なく経験者レベルになった。
そして、他に2名いた体験の方々と一緒に説明を受け
スタッフ1名を加えた4名で早速実践が始まった。
ところが、皆のスピードが速くて
父の動きが追いついていかない。
手が思うように動かなくなってきてるからだ。
スタッフの方は牌を取ってくれたりして助けてくれたが
ほとんどは私が代わりに牌を動かした。
それでも、父の頭はしっかり麻雀が出来ていて
本人も物凄く楽しんでいる様子だ。
他の方々に迷惑をお掛けすると思ったが
体験の若いカップル2名も女性の方は初心者らしく
とても感じが良かった。
なんと、初戦は父が安い手だが勝てた。
私は、点数も自動で計算されるシステムに感心し
新しい牌が自動で出来上がるのにとても驚いた。
2戦ほどしてから、スタッフが一般の会員の方に交代し
父と同世代の男性が加わった。
だいぶ気難しそうな方だったので、私も緊張する。
しかし、同じ麻雀好き同士だからか
そこまで父と対戦するのを嫌がる風でもなく
「そのうち覚えちゃいますよ」と
ルールもわかっていない私に言ってくださった。
4戦ほどしたが、皆同じくらいのレベルで
中々勝敗が決まらなかった。
私はずっと横に立ったまま、父の牌を動かし続けた。
そろそろ父も疲れたかな、と思った時
ちょうど休憩になったので(体験は2時間)
それを機会に、終わりにすることにした。
まだあと30分は残っていたのだが
父もトイレに行きたくなったようだ。
対戦してくださった方々にご挨拶すると
「また来て下さいね」と温かなお言葉をいただいた。
そして、会員証をもらい支払いを済まそうとしたら
なんと、会員になることが出来なかった。
独りで出来ない人は駄目ということだ。
まあ、それはそうだろう。
いたしかたないと、体験料500円を支払い教室を後にする。
あぁ、どうせだったらあと30分
思い切り麻雀をさせてあげれば良かった。
勿体ないことをしたな…
と、思ったが、あとの祭り。
父の久しぶりの麻雀体験は
あっという間にほんの少しで幕を閉じたのであった。
これを機会に、今度は自分が覚えて
父と楽しめるようになろうと誓った私である。
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