ねここねこの家

アモクロノス~旅の戦い(battle of the journey)~2 第18話 「守る心」

 

第18話 「守る心」


「渡しておくよ」


ゲンナ号にきた守里は、それだけ伝えて肩をたたくとその場を去った。


「…聞かないんだな…まあさ、その方がいいかもな」


カンナが現れて言った。


「ベラーナの両親はアゼラに殺されたようなものなの。だから…」


ベラーナは遮って話し出す。


「誰だって事情はあるってな。剣だってそうさ。だから俺なら大丈夫だよ」


ベラーナは思い出の鏡を手にしてジャケットに入れた。

普通に話していたが、誰もが戦いに巻き込まれている。

守里は感傷的になりたくても、今はなれないことも分かっていた。

ベラーナも同じだろう、そう感じていた。


「俺シークル艦に戻っているよ。警備が薄くなるからさ」


守里はそう告げてベラーナと握手を交わしたが状況を理解していた。

今は戦いの中にいることを。


「こちらシークル艦!ジャイワナーゾが動き出した!」


守里は急ぐと、ベラーナはゲンナ号を守るために隠れていた。


突然セイナから連絡が守里に入った。


「あのね、あのジャイワナーゾには…多分アストラーダが乗っていると思うの。動きが早いから。」


守里は思い立ったようにセイナに告げた。


「セイナ…守るから!アストラーダからもマイールからも!それに…」


聞いていたカンナやララが告白と思い驚くと、守里は続けて告げた。


「みんなのことも!親父から守ってみせる!死者は出したくないんだ!」


アル・レレン艦長は感じていた。

若い守里には荷が重いかもしれないが、同じ思いだと。

恐らくその場を知っている誰もが死者を出したくない、そう思うだろうと。


「俺だって同じ思いだぜ!剣!カッコつけんな!」


守里はジャイワナーゾに向かいながら、あまりの早さに驚き告げた。


「ジャイワナーゾも新型タイプだ!」


緊張しているのは待ってるカンナやララだけではなかった。

シークル艦で待つセイナや麻生、クルーのみんなが同じだった。

ベラーナは守里の優しさも感じていた。


「まずはミサイルを!」


新たに加わったわずかなミサイルで先制すると軽くかわした。

接近戦に持ち込む。


「くっ!」


守里は余裕も伺える新型ジャイワナーゾに二刀で戦う。

青く光った時、守里は力を込めて刺した。

腕をかすめただけだった。

その時、新型ジャイワナーゾから声がした。


「守里君だね?君にお願いがあるんだ。その力が必要でね。仲間にならないか?」


アストラーダの声だった。


「…ふざけるな!」


守里が力を込めて両手で押し通そうとする。

新たに加わった攻撃で…そう思った時、早いスピードでその場を離れた新型ジャイワナーゾ。


麻生を始め誰もが驚くほどの早さだった。


アル・レレン艦長は感じていた。

この空間をあの早さで動くのは戦闘機でもできない。


アル・レレン艦長と麻生はマーズの鉱石が悪用されていることを知ったが、それだけじゃないことも分かっていた。


「…親父…」


守里の声は誰にでも聞こえていた。

アル・レレン艦長と麻生は、守里の父親の力で強化されていることを悟った。

守里とベラーナも同じだった。

ただ、カンナやララ、セイナは複雑な思いでいた。


優しく頼もしい主人とねここねこ。猫ちゃんず(しまちゃん♀おおちゃん♂さきちゃん♀)と生活中。

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「小説」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事