第9話 「隠れた想い」
ベラーナ機とアストラーダ機が左右に割れてGビャクヤを見る。
「任せろ!パワークロノス!これでとどめだ!」
ガリラが気付いた時には遅かった。
大爆発とともにガリラが粉々になる。
「下はバミューダから離れていませんね?」
守里が息を切らしながら、アル・レレン艦長に聞く。
「問題ない!ガリラが落下して行くだけだ!」
ベラーナとストラーダも息を切らしている。
守里は同時に汗を拭った。
「マイールは!!」
守里が叫ぶが、アル・レレン艦長が落ち着かせるように言った。
「シークル艦近くで待機。守里君、親父さんの持ってきたマーズの鉱石は本物だ」
一瞬ホッとすると続けてアル・レレン艦長は話し出す。
「親父さんによると、マーズの鉱石の一部は既に使われているとのことだ。マイールは強化されている。倒せばアゼラは消滅する」
守里はいよいよ最期が近づいていると知って黙っていられなかった。
「セイナ!」
セイナが戦艦内で振り向くと守里が叫ぶ。
「俺は…ラライナが大切だった…だけど、初めて会った時から…セイナが好きなんだ!」
セイナと初めてぶつかった時のことを思い出していた。
ずいぶん昔のようで昨日のように感じる。
ララとカンナ、トキノも真面目に感じ取っていた。
「思い出に捕らわれてじゃない!現実にいる…セイナが!」
セイナは両手をぎゅっと握って聞いている。
「もっとしっかりするまで待ってくれ!迎えに行く!」
守里が叫ぶ。
「言えんじゃん!」
ベラーナが手を叩きながら言う。
「妹がね…まあ…だろうな…」
アストラーダも目を閉じて納得する。
「生きて!絶対迎えに来ないとやだよ…私も…剣が好き…」
小さな声でセイナが言った。
ベラーナは感情を表すセイナの声を初めて聞いた。
ララもカンナも、トキノも聞いたことがない。
麻生とリリアンは娘の成長を感じていた。
「出てこいよ!マイール!!」
守里が叫ぶ。
沈黙のあと格納庫が開く音がして緊張が走った。
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