41話 「守るために」
ジャイワナーゾに向かって守里とベラーナが向かおうとすると、後方から攻撃があった。
「まだ戦力があるのかよ!」
撃ってきているのはミサイルのようだった。
ジャイワナーゾの後ろに大きな戦艦がありそこから攻撃をしている。
「守里!あいつは俺が引きつけておく!」
ベラーナ言うと同時にララ機は守里にドッキングした。
「セイナが乗っている!気を付けて引きつけておいてくれ!」
叫ぶと同時に大きな戦艦の後方が開いた。
守里がスクリーンを見ると、セイナの姿があった。
マイールに促されてセイナは後方にきていた。
マイールは話し出した。
「本来ならね。アベルトがしたことを知っているから殺したいところさ。でもマーズの鉱石が手に入ったら技術が必要になる。君の…」
セイナは落ち着いて黙って聞いていると、話は続く。
「でもね。アベルトは技術ならDがいるから殺せって言うんだよ。どうなりたい?」
無表情に聞いてくる中にも優しさが見えて、セイナは動揺した。
すぐにキリッとした表情になり、セイナは答えた。
「剣が助けてくれるから生きる」
マイールは嬉しそうに答えた。
「死にたい人間を殺したくない。俺はアベルトの考えについていけない。君を助けよう」
意外な答えに戦艦が動き出すと、Dが現れて言った。
「なぜ進路を変えたんです?その少女は殺すように…」
まで言うと目の前でDが銃口を構えた。
マイールの方が瞬間的に早かった。
マイールはDを撃ったあと、セイナが駆け寄った。
「剣の…だ、大丈夫ですか?なんで…」
Dは静かに答えたがセイナにしか聞こえないような言葉だった。
「アベルトを助ける…気は…しない…こうなることが…剣に…してやること…」
自殺行為に近いことをしたDの心臓近くから血が流れている。
セイナは涙を堪えられず、涙を流した。
Dが、守里の父親の息が絶えた瞬間だった。