秘境の入口地方、一昨日あたりから金木犀が香り始めました
好きな香りです
私が育ったところは小学校入学のお祝いで金木犀(銀だったかも)の苗が配られて
だからなのか…もしかしたら因果関係が逆かもしれませんが…
やたらと金木犀を見かける地域でして(うちにも子供の数分、2本ありました)
生垣とかにしてあるお宅も多くて
秋ともなると町中が金木犀の香りと言っても過言じゃない感じ
とはいえ好きとか嫌いとかなんとも思ってなくて
香ったからとて「ああ、秋だね」って思うだけのただの風物詩な存在でしたかね
変わったのは3年前…あれ、4年前かな?なんしかコロナ初期の頃です
9月の頭にコロナに感染して一時的に嗅覚を失いまして
以降、ワサビを山盛り食べてもわからない、というある意味無敵の無臭空間で生きていましたが
ちょうどこのぐらいの時期ですね
私より少し前にコロナに感染して、重症化して息ができなくなって
タライ回しの挙句隣町の病院まで救急車で運ばれてった旦那さんが
2ヶ月近くぶりにICUを出られた記念に電話をかけてきて「退院用の服持ってきて!」
電車に乗ってえっちらおっちら差し入れしに行った帰り道
ふと鼻腔をくすぐる微かな香り…これは…金木犀!?
必死にあたりを見回して、近隣のお庭にようやく見つけた咲き初めの金木犀
気のせいじゃない!
嗅覚戻ってる!
わかる!わかるよ!匂いがわかる!
もう泣きながら帰りましたよ…もうすぐ50歳のオバチャンが…
ということがありまして
その時から金木犀は特別な香りになりました
なんていうかね
絶望しかけていたんです
旦那さんは入院したまま帰ってこれないし
コロナ初期だからいろいろ厳しくて面会もできないし
お医者さんは「(旦那さんを失う)覚悟だけはしとけ」とか言うし
鼻が効かないからご飯が美味しくないし
コーヒーにいたってはひたすら不味い泥水だし
猫トイレの匂いもわからないから掃除のタイミングがわからないし
自分が臭いかもしれないと思うと人と会うのも怖くて外に出れなかったし
あのままだと多分鬱になってましたね
それが
旦那さんが元気になってきて
蚊の鳴くような声だけど電話かけてきてくれて
近いうち退院するから服持ってきてとか言ってて
そんなん人混み嫌でも頑張って電車乗りますやん
ついでに買ってきてって言われたモンも全部買いに行きますやん
ゲッソリだけど生きてる旦那さんと会えてホッとしたところに
金木犀の香りドーン!でしたから
もう再始動の象徴みたいになっています
やっぱり庭に金木犀欲しいですね
西側の、荒地に面した洗濯干し場の窓は雨の日以外だいたい開けてあるので
その窓のすぐ前に植えたらきっと一番に咲き初めに気付けるはず
あの土地に最初に植え付けるのは金木犀、今決めました!もう決めました!変更は受け付けません!
さあ…この冬は土壌改良頑張りますよー!