「○○であるべき」「するべき…」
突然ですが…私は所謂
「べき論」はあまり好きではありません。
ミーティングや会議の場でもよく飛び出すフレーズなのですが、
とても鼻につくというか…
議論を仕掛けられている気がするのです…最悪の場合、戦闘モードになり論破したくなる…という私の悪い癖があります…(笑)
何をもってして「べき」なのか?
何を根拠に「べき」なのか?
それであなたは何をするのか?
「べき論」って結局のところ…その人の理想論や価値観が根拠にあるのだから、それを振りかざし押し付ける…説得するなんて…そもそもおかしな話だと思うのです…。
しかし…よくよく考えると、以前からそうだった訳ではなく…ここにも前職での経験がひょいと顔を出す。
会社も大きくなるにつれ、外部から立派な経歴とスキルを持った人材や幹部候補といわれる方が入社してくる。
そうすると、社長に向け猛烈な自己アピールが繰り広げられるのですが、プレゼンや会議の場で
この「べき論」を延々と語られる場合がある…。
社長は目を閉じて黙ってそれを最後まで聴いて…
必ずこうおっしゃった。
「はい…貴方の言いたいことはわかった…。で?あなたは明日から何をやるの?どんな成果を出すの?うちは評論家は要らないんだよね…」と…
瞬間に場が凍りつく…。
その時、初めて気がついた…
私が「べき論」に違和感を感じてた理由が…。
それともうひとつ、新しく入社した幹部候補の方が、べき論だけでなく「この会社は…」という表現を使った時…
社長は決まってこう言っていた
「ん?あなたどこの会社の人なの?」と…
どちらも納得の指摘だった…。
そんな指摘が続き、自尊心が傷付けられると…人は問題行動を起こす…
最悪の場合「アフターファイブの居酒屋評論家」が出てくる…。
会社の公の場で、こてんぱんに指摘され、承認欲求を満たすことができない人が中心となり、べき論に共感する人と集い、熱く評論、議論を繰り広げる…。
当然ですが、発展的な話ではない事は確かです…ともすると、経営批判、社長批判が飛び出す訳ですから…。
そこで私はこう、面と向かって言ったことがある。
「そこまで会社を批判し、バカにする会社から高額な給料もらって…公の場では議論もできず…恥ずかしいと思わないのですか?」
「そんなに会社を自分の思い通りにしたいなら独立したらいかがですか?」と…そして続けてこう言った。
「私は、少なくとも自分が会社も社長も信じられなくなり、批判するようになったら潔く会社辞めますよ…」と…。
「話す相手を間違えたんじゃないですか?私は会社の創業メンバーですよ…そんな人が会社を良くしてくれるとは到底思えません…私は、一緒に会社を良くしてくれるる人とだけ仕事がしたい…」とキッパリ言ったときは、自分の愛社精神に誇りを持っていた。
何故ならば、自分では何にもイノベーションを起こせないのに、会社に依存し、しがみつく輩には成り下がりたくないと思っていたからです。
変革も起こせず、独立もできず、転職もできない…成果もあげられないなら、やることは一つしかないのです。
そんな私も昨年コンサルタントとして独立し、色んな経営者の方とお会いしてきました。
コンサルタントとして、ともすると「べき論」を言いそうになる時がありますが、前職のこの経験がいつも私にブレーキを掛けて、こう問いかけるのです「で?あなたは何をやるの?どんな成果を出すの?」と…。
べき論言う前に
有言実行そして成果を出すこと
以外にありません…。
そうやって信頼関係は作られて行くと思うのです。