島には村営の公営住宅がある。2022年の資料では、村営住宅は12団地、20棟、84戸と発表されている。各団地の詳細は、在所集落に10棟36戸、南集落に2棟8戸、旧東集落に8棟32戸、池之沢集落に2棟4戸、その他の特殊住宅が1棟4戸という編成だそうです。最近は農業従事者用のプレハブ住宅が旧東集落に1棟8戸建設されたとのこと(数値に整合性がないのは、村勢資料が明確でないため)。すると、村営住宅は合計92戸となる。全て鉄筋コンクリート造りであるが、これは2012年から始まった村営住宅の長寿命化計画により、それまであった木造の住宅を耐久性の高い鉄筋コンクリート造りに建て替えることになったからである。前回の旅行の時にはあちこちに見かけられた木造の住宅はこの10年間で全て造り替えられた。この計画では、さらに村営住宅を建設し、棟数戸数を増やしていくらしい。人口の少ない南大東島に公営住宅を増やしていくのは、島外からの移住者に住宅を供給し、人口を増やしていくのが目的である。島では住宅の売買が少ないため、定住希望者のために安価に住める住宅を提供しようということであろう。
島の世帯数は662世帯(2022年3月末)であることから、村営住宅の戸数と比較すると普及率は12.6%となる。東京都で供給している都営住宅は26万5千戸であり、世帯数は689万世帯であることから(2013年)、東京都の公営住宅の普及率は3.9%である。南大東島の村営住宅の普及率がいかに高いかが伺われる。
一段目と二段目の写真は池之沢集落にある村営住宅である。前回の旅行の時には、ここには長屋のような木造の村営住宅が並んでいたと記憶している。現在はピカピカの新築の住宅に建て替えられていた。三段目の写真は在所集落にある第8団地であり、島では珍しく2階建てであった。四段目の写真はホテルよしざとの屋上から第8団地を写したもので、この団地の場所はスーパーや商店街に近く、住むにはすこぶる便利である。