貨客船「だいとう」が運搬する貨物は、島民の生活、島にある産業に関連する全ての分野に及んでいる。離島であるからといって商品の種類が少なくなるということは無い。ただ、人口が少ないため品数、品種が少なくなることは致し方ないことであるが。
一段目の写真はプロパンガスのボンベであり、島の家庭の熱源はプロパンガスに依存しているようだ。空になったボンベは那覇にまで返送され、充填されて戻ってくる。取り扱っているのはJAおきなわである。
二段目の写真は、到着した冷凍食品を確認している宅配業者である。冷凍食品は専用の冷凍コンテナーに混載され、ヤードで荷主ごとに分類されている。冷凍食品を大量に消費する業者は那覇の問屋から直接発送してもらっているようで、流通機構は内地と変わらない。
岸壁の少し高い位置には白いタンクが設置されていた。オイルタンクかと思ったら、これは砂糖きびから粗糖を製造する際に副産物として発生する糖蜜を貯留するタンクであった。大東製糖で製造した糖蜜を順次貯留し、ホースで専用運搬船のタンクに注入するのである。製造された粗糖、糖蜜などは、「だいとう」で運搬するのではなく、専用の運搬船で運搬されている。専用船が利用されるのは、製糖作業が冬季から春先に集中しており、内地の千葉、横浜、大阪などの製糖会社に運搬しなければならないである。南大東島ばかりか石垣島、宮古島などの沖縄の各離島も同様に、専用船により運搬している。