前回はペンドルトンと
ビーチ・ボーイズとの関係性を
ネルシャツで結んだお話をさせて頂きました。
しかしビーチ・ボーイズを象徴する
洋服と言えば、大勢の人達が思い浮かべるのは
ネルシャツよりも、今日お話する
ストライプのボタンダウンシャツの方かも。
もちろんロールのしっかり付いたヤツね。
(これぞビーチ・ボーイズといった姿)
ビロードやロンドンのように
太幅のストライプと水色×白の
コントラストが海みたいに爽やかで
透明感全開のファルセットボイスで奏でる
サーフィン・サウンドとも相性抜群◎
ちょっと一瞬、本題とは逸れますが
この宣材写真は2パターン存在しています。
皆さんご存知だったでしょうか。
それは名曲、リトルホンダ/ウェンディの
ジャケット写真で確認ができます。
(よく見ると並びが鏡写し)
中央にいるマイク・ラブだけを見てると
小さな変化には気付けませんが
ブライアン・ウィルソンの位置が
左端から右端に変わっているのが確認できます。
一体何のためにこんな細工をしたのか。
そしてどちらが最初のフィルムなのか、謎です。
さっ、本題に戻りましょう(笑)
ボタンダウンシャツをこよなく愛する
グループだなんて聞いたら、
アイビーリーガーとして
これほど嬉しい話はないので
興味を持ってしまうのに時間は必要ありません
1960年当時は、ディック・クラークの
アメリカンバンドスタンドに出演したり
カルフォルニアではライブも敢行したりと
ビーチ・ボーイズとしての人気は絶頂で
露出も増えていたので
多くの場面で、ボタンダウンは顔を覗かせました。
(今でも憧れる太幅ボタンダウンシャツ♪)
そして、ボタンダウンを語る上ではもうひとつ。
細幅タイプもよく着用していました。
モノクロバージョンとカラーバージョンで比較。
色や形は同じものだと推測します。
(細めのストライプシャツは赤色だった)
(こちらは同型シャツのモノクロバージョン)
ビーチ・ボーイズのストライプボタンダウンが
最大にカッコいい理由は
袖丈にあるのでは?と、僕は思います。
シャツの身幅に対する袖丈の異常な長さ。
遠目から見るとラフに見えて
リラックスしたような雰囲気に
強い憧れを抱きました。
しかし当時のシャツについて
ほとんど情報が残っていないのも
悲しい事実なんですよね。
メーカーすら今も判明していません。
まさに幻のボタンダウン。
(太幅バージョンも着用してました。)
しかしこうなると、
赤色の太幅ボタンダウンというのが
欲しくなってきてしまうのも運命(笑)
今日は最後に手持ちのボタンダウンを
紹介しようと思います。
(西海岸の風を感じる60'sボタンダウン)
(ブランドはEnro。当時流行したメーカー。)
アメリカでは親しみのあるEnroで
テーパードボディーの文字が誇らしい。
トラッド趣向の流れも汲んでるので
何処かブルックスブラザーズの
それのようなタグに近い気がします。
そういや、レッドフリースも赤色でしたっけ。
(フロントライン。可愛すぎます♪)
(白の貝釦。当時ならではのディテール。)
特に注目してほしいのが
襟元と前見頃のボタンの大きさです。
現行品は統一されたものが付けられてますが
当時は襟用の小さめなボタンを
付けるというのがスタンダードでした。
それとハンガーループに3点留め。
アイビーは背中が賑やかなんです。
(ハンガーループ&3点留め部分)
洗いざらしのコットンが
段々と色褪せてくる姿もまた一興。
ビーチ・ボーイズがいた頃のアメリカは
今日眺めても、輝いているのでした。
2020-03-13(金)
Kohei