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45年経って韓国内政府補償
──「日帝によって強制動員されて軍人・軍務員・労務者・慰安婦などの生活を余儀なくされた者」、その遺族に対して
──人道的次元からの見舞金などを支給する。
韓国で、その特別法が2010年に制定された。
○1965年日韓「請求権・経済協力協定」との関連で──との文言で協定通りの「国内措置」であることを示している。
○1970年代軍人軍属の「国内措置」(日本の無償経済協力から)の追加、補充措置。
○65年から35年後である。
○「慰安婦」について個別法(93年)による支援金等を出したので除外している。このことからも「慰安婦」もまた65年協定一連の枠内、国内措置であることを示している。
◆
──2010韓国特別法──
*法文・注 カナタラマ…は、韓国でのイロハニホ…に相当
対日抗争期強制動員被害調査および
国外強制動員犠牲者等支援に関する特別法
[制定2010.3.22 法律第10143号]
第1条(目的)この法律は、対日抗争期強制動員被害の真相を究明し、歴史の真実を明らかにしながら、1965年に締結された「大韓民国と日本国間の財産及び請求権に関する問題の解決と経済協力に関する協定」に関連して、国が太平洋戦争前後の国外強制動員犠牲者とその遺族らに人道的次元からの見舞金などを支援することにより、これらの痛みを癒し、国民和合に寄与することを目的とする。
第2条(定義)この法律で使用する用語の意味は以下の通りである。
1.「対日抗争期強制動員被害」とは、満州事変以降太平洋戦争に至る時期に日帝によって強制動員されて軍人・軍務員・労務者・慰安婦などの生活を余儀なくされた者が被った生命、身体、財産などの被害をいう。
2.「犠牲者」とは、第1号による対日抗争期の強制動員被害にあった人として、第8条第3号に応じて被害者として決定された者をいう。
3.「国外強制動員犠牲者」とは、次の各目のいずれかに該当する者をいう。
カ.1938年4月1日から1945年8月15日の間に日帝によって軍人・軍務員または労務者などで国外に強制動員され、その期間中に、または国内に戻ってくる過程で死亡したり行方不明者や政令で定める負傷で障害を負った人として、第8条6号に応じて国外の強制動員犠牲者としての決定を受けた者
ナ.「日帝植民地下での強制動員被害真相究明などに関する特別法」(この法律によって廃止される法律をいう。以下同じ)第3条第2項第4号やこの法の第8条第3号に応じて、被害者としての決定を受けた者として、1938年4月1日から1945年8月15日の間に日帝によって軍人・軍務員または労務者などで国外に強制動員され、その期間中に、または国内に戻ってくる過程で死亡したり行方不明者
タ.サハリン地域の強制動員犠牲者の場合は、1938年4月1日から1990年9月30日までの期間中、または国内に戻ってくる過程で死亡したり行方不明となった者
4.「国外強制動員生還者」とは、1938年4月1日から1945年8月15日の間に日帝によって軍人・軍務員または 労務者などで国外に強制動員されたが、国内に帰ってきた人のうち、国外強制動員犠牲者に該当しない人として、第8条第7号によって国外強制動員生還者としての決定を受けた者をいう。
5.「未収金犠牲者」とは、1938年4月1日から1945年8月15日の間に日帝によって軍人・軍務員または労務者 などで国外に強制動員されて労務提供などをした代価として日本国と日本の企業等からの支払いを受けることが できた給料、いろいろな手当、弔意金または扶助料等(以下「未収金」とする)の支給を受けていない人として、第8条第6号に応じて債権の被害者としての決定を受けた者をいう。
第3条(遺族の範囲等) ①この法律で「遺族」とは、被害者、国外強制動員犠牲者、未収金犠牲者の中で死亡したり行方不明者の親族のうち、次の各号に該当する者として、第8条第3号及び第6号に基づいて遺族の決定を受けた者をいう。
1.配偶者と子供
2.親
3.孫
4.兄弟姉妹
②第4条の規定による意慰労金および第5条の規定による未収金の助成金の支給を受ける遺族の順位は、第1項各号の順位とする。
③第1項各号の順位による遺族は、第4条の規定による慰労金および第5条の規定による未収金の助成金の支給を受ける権利を有する。ただし、同じ順位が2名以上の場合には、同じ持分の慰労金や未収金の助成金の支給を受ける権利を共有する。
④強制動員被害の死者の遺骨を引き継ぐことができる遺族については、第1項各号の該当者がいない場合は、死亡者の親族のうち、第8条の規定による対日抗争期強制動員被害の調査および国外強制動員犠牲者等支援委員会が認める近親や縁故者の順に定める。
第4条(慰労金)国家は、国外強制動員犠牲者やその遺族に、次の各号の区分に応じて慰労金を支給する。
1.国外に強制動員されて死亡したり行方不明になった場合には、国外強制動員犠牲者1人につき2千万ウォン[「対日民間請求権補償に関する法律」(法律第2685号対日民間請求権補償に関する法律として制定され、法律第3615号対日民間請求権補償に関する法律廃止法律で廃止された法律をいう)第4条第2項により、金銭を受け取った場合には、被害者1人につき234万円を差し引いた金額とする]
2.国外に強制動員されて負傷で障害を受けた場合には、国外強制動員犠牲者1人につき2千万ウォン以下の範囲で、障害の程度を考慮して大統領令で定める金額
第5条(未収金の助成金) ①国家は、未収金の被害者やその遺族への未収金の犠牲者が日本国や日本の企業等から支払いを受けることができた未集金を、当時の日本国の通貨の1円で韓国の通貨2千ウォンで換算して支給する。
②第1項の場合で未収金の額が日本国の通貨の100円未満の場合は、未収金の額を日本国の通貨の100円と見なす。
第6条(医療助成金の交付) ①国は、国外強制動員犠牲者のうち生存者または国外強制動員生還者のうち生存者は、老齢疾病または障害などで治療を必要とするか、または補助装具の使用が必要な場合には、治療や補助装具の購入に使用される費用の一部を支援する。
②第1項の規定による助成金の支給額、支給方法、その他の支払いに必要な事項は政令で定める。
第7条(慰労金などの支払いを除く)次の各号のいずれかに該当する場合には、第4条の規定による見舞金、第5条の規定による未収金、助成金の交付及び第6条の規定による医療補助金(以下「慰労金等」という)を支給してはならない。
1.国外強制動員犠牲者、国外強制動員生還者や未収金の犠牲者が「日帝植民地下での反民族行為真相究明に関する特別法」第2条の規定による親日反民族行為をした場合
2.「日帝下日本軍慰安婦被害者の生活安定支援および記念事業等に関する法律」など、個別の法律に基づいて強制動員の期間中に被った損害について、すでに一定の支援を受けていたり、現在受けている人やその遺族
3.1947年8月15日から1965年6月22日まで継続して日本に住んだ人々
4.大韓民国の国籍を持っていない人
第8条(対日抗争期強制動員被害の調査および国外強制動員犠牲者等支援委員会の設置及び業務)次の各号の事項を審議決定するために総理大臣の所属で、対日抗争期強制動員被害の調査および国外強制動員犠牲者など支援委員会(以下「委員会」という)を置く。
1.対日抗争期強制動員被害の真相調査と被害判定不能決定に関する事項
2.対日抗争期強制動員の被害に関連する国内外資料の収集分析及び遺体の調査と発掘収拾・奉還に関す
る事項
3.被害者や遺族の審査決定に関する事項
4.史料館と追悼空間造成に関する事項
5.この法律で定めている家族関係登録簿の作成に関する事項
6.国外強制動員犠牲者とその遺族や未収金の犠牲者とその遺族に該当するかどうかに関する事項
7.国外強制動員生還者に該当するかどうかに関する事項
8.国外強制動員犠牲者の負傷による障害の判定に関する事項
9.見舞金等の支給に関する事項
10.結果報告書の作成等に関する事項
11.その他、大統領令で定める事項
第9条(委員会の構成及び運営) ①委員会は、常任委員である委員長1人を含む11人以内の委員で構成し、委員は、関係公務員及び学識と経験が豊富な人の中から大統領が任命または委嘱する。
②委員長は、委員の中から大統領が任命または委嘱する。
③委員長は、政務職として補する。
④役員以外の委員の任期は2年とするが、再任することができる。
⑤委員が事故で職務を遂行することができないか闕位となったときは、遅滞なく新たな委員を任命または委嘱しなければならない。この場合、補任委員の任期は前任委員の残余任期とする。
⑥その他、委員会の組織及び運営等必要な事項は、政令で定める。
第10条(分科会) ①委員会の業務を効率的に実行するために委員会に小委員会を置くことができる。
②小委員会の組織及び運営等必要な事項は政令で定める。
第11条(委員の保護等) ①誰もが職務を行う委員・職員や鑑定人を暴行や脅迫するか、委員や従業員に業務上の行為を強要または阻止するか、またはその職を辞退させる目的で暴行や脅迫をしてはならない。
②誰もが対日抗争期強制動員被害の調査と関連して、情報を提供しているか、提供しようとするという理由で解雇・停職・減給・転補等、いかなる不利益も受けない。
③委員会は、対日抗争期強制動員被害の調査と関連した証拠・資料等の確保や隠滅の防止に必要な対策を用意しなければならない。
④委員会は、対日抗争期強制動員被害の実態を明らかにしたり証拠・資料などを発見または提出した人に、必要な補償や支援を行うことができる。その補償や支援の内容や手続きなどに必要な事項は政令で定める。
第12条(委員会等の責任免除)委員会、委員、職員および委員会の委嘱または委任を受けて業務を実行する 専門家、煥定員または民間団体とその関係者は、委員会の議決に基づいて作成・公開された報告書や公表の内容についての故意または重大な過失がない限り、民事または刑事上の責任を負わない。
第13条(秘密遵守の義務)会員または会員であった人、委員会の職員や職員だった人、鑑定人や鑑定人だった人、委員会の委嘱に応じて調査に参加したり、委員会の業務を行った専門家や民間団体とその関係者は、その職務遂行過程で知り得た情報・文書・資料または物品を他の人に提供または漏洩したり、そのほか委員会の業務遂行以外の目的に使用してはならない。
第14条(不利益の禁止)誰もがこの法律に沿って委員会に 1つの申請・申告・陳述・資料提出などの理由で不利益を受けることはない。
第 15条(委員の職務上の独立と身分保障)①委員は外部のいかなる指示や干渉を受けないし、独立してその職務を遂行する。
②委員は、身体上または精神上の障害で業務遂行が著しく困難になったり、不可能になった場合、および刑の宣告に基づく場合を除いては、その意思に反して解任されることはない。
③委員が第2項の規定による身体上または精神上の障害で業務遂行が著しく困難になったり、不可能になった場合に該当するかどうかは、在籍委員の3分の2以上の賛成で議決する。
第16条(委員の欠格事由)①次の各号のいずれかに該当する者は、委員になることができない。
1.大韓民国の国民ではない人
2.「国家公務員法」第33条各号のいずれかに該当する者
3.政党の党員
4.「公職選挙法」に基づいて実施される選挙の候補者(予備候補者を含む)として登録した人
②委員が第1項各号のいずれかに該当することとなるときは当然退職する。
③委嘱委員が次の各号のいずれかに該当するときは解嘱することができる。
1.心身の障害により職務遂行が不可能または著しく困難であると認められるとき
2.職務怠慢、品位損傷、その他の事由により委員として適切ではないと認められるとき
第17条(委員の除斥・忌避・回避)①委員は次の各号のいずれかに該当する場合はその審議決定で除斥される。
1.委員またはその配偶者や配偶者であった者が慰労金などの支給申請をした場合
2.委員が慰労金等の支給申請者との親族、または親族であった場合
3.委員が慰労金などの支給申請について、当事者の代理人として関与したり、関与していた場合
②慰労金等の支給申請者は、委員に審議決定の公平性を期待するのが難しい事情がある場合は、委員会の委員の忌避を申請することができる。
第18条(議決定足数)委員会は、この法律に特別の規定がある場合を除いては、在籍委員の過半数の賛成で議決する。
第19条(委員会の存続期間や調査期間等) ①委員会は2011年12月31日まで存続する。ただし、期間内に委員会の業務を完了することが難しい場合には、国会の同意を得て6ヶ月以内の範囲での2回に限り存続期間を延長することができる。
②委員会は、慰労金などの支給のために2011年2月28日までの対日抗争期強制動員被害の調査(「日帝植民地下での強制動員被害真相糾明等に関する特別法」第12条の規定により被害申告や真相調査の申請をを受けたものに限る。以下同じ。)を完了しなければならない。
③委員会は、第1項及び第2項の規定による期間内に業務を完了するために委員会の業務処理の状況や期間中に完了するための計画や対策を四半期ごとに総理大臣に報告しなければならない。
④第1項の規定により、委員会の存続期間が満了する当時の委員会の所管事務は行政安全部長官がこれを承継する。
第20条(事務局の設置) ①委員会の事務を処理するために委員会に事務局を置く。
②事務局事務局長1名とその他の必要な職員を置く。
③事務局長は、委員会の議決を経て委員長の提請で大統領が任命する。
④所属する職員のうち5級以上の公務員または高位公務員団に属する一般職公務員は、委員長の提請で大統領が任命し、6級以下の公務員は委員長が任命する。
⑤事務局長は、委員長の指揮を受け、事務局の事務を管掌し、所属職員を指揮監督する。
第21条(職員の身分保障)委員会の職員は、刑の宣告・懲戒処分又は委員会の規定に定める事由に合致しなければ、その意思に反して退職・休業・降任や免職されることはない。
第22条(届出及び申請の却下) ①委員会は、対日抗争期強制動員被害の調査や、第27条の規定による慰労金等の支給申請が次の各号のいずれかに該当する場合は、これを調査せず却下することができる。
1.申告や申請がこの委員会の調査対象に含まれない場合
2.申告や申請の内容がそれ自体として明らかに虚偽であるか、理由がないと認められる場合
3.委員会が却下した申告や申請と同一の事実についての再び報告または申請した場合。ただし、届出人又は申請人が従前の申告や申請時に提出しなかった重大な疏明資料を持つ場合には、この限りでない。
②委員会は調査を開始した後でも、その申告または申請が第1項各号のいずれかに該当することになった場合には、その申告または申請を却下することができる。
第23条(被害の真相調査の方法等)①委員会は、被害の真相調査と慰労金等の支給の審査をするために、次の各号の措置をすることができる。
1.申立人・証人や参考人などの陳述書の提出の要求、出席要求、証言または表明を聞く
2.関係人、関係機関・施設・団体などの関連資料や物件の提出要求
3.対日抗争期強制動員被害が発生した場所などについての実地調査
4.死亡者の遺族がない者で犠牲者の遺骨を保管したり、遺体の所在を知っている者や団体などの関連資料
や遺体の提出要求
5.行政機関やその他の関係機関に必要な協力要請
6.検査官の指定や鑑定依頼
②委員会は、必要と認めるときは委員会または所属職員への第1項各号の措置をさせることができる。
③第1項第2号から第5号までの規定に基づいて、関連資料や物品または遺体の提出、必要な協力を求められた関係機関等の長は、大統領令で定める特別な事由がない限り、これに応じなければならず、関連資料の発掘及び閲覧、実地調査をするために必要な便宜を提供しなければならない。
④第1項第2号により提出の要求を受けた関係機関等の長は、そのデータが外国で保管しているものである場合には、その国の政府と誠実に交渉しなければならず、その処理結果を委員会に通知しなければならない。
⑤委員会は、関係機関を通じて外国の公的機関が保管しているデータについて、その国の政府にその開示を求めることができる。
⑥委員会は、被害者の遺体情報を収集・管理しており、犠牲者の遺族にその情報を提供することができる。
第24条(届出及び申請の却下)委員会は、対日抗争期強制動員被害の申告や申請を調査した結果、その内容が次の各号のいずれかに該当する場合にはその申告または申請を棄却しなければならない。
1.申告や申請の内容が事実ではないことが明らかか、本当だと認めるほどの客観的な証拠がない場合
2.対日抗争期強制動員の被害に該当しない場合
3.被害の真相調査が適切ではいない場合で、大統領令で定める場合
第25条(被害の真相調査と被害判定不能の決定)①委員会は、対日抗争期強制動員被害の真相を明らか
にできなかったり明らかにすることができない場合は、調査不能であるとその理由を記載した決定をしなければならない。
②委員会は、被害者や親族の方が被害届を出していた場合の被害の真相を明らかにできなかったり明らかにすることができない場合は、被害判定不能であるとその理由を記載した決定をすることができる。
③委員会は、第1項及び第2項の決定以後、対日抗争期強制動員の被害を証明することができる新しい資料が発見された場合、被害届出人か真相調査申請者の申請に依ったりまたは職権で再調査することができる。
第26条(決定等)①委員会は、その被害の調査を完了したときは、次の各号の事項を決定しなければならない。
1.対日抗争期強制動員の被害状況
2.その被害の原因・背景
3.犠牲者と遺族
②委員会は、第1項の決定をした後、必要に応じて被害の実情調査などについて公表するか、大統領と国会に報告することができる。
第27条(慰労金等の支給申請)①慰労金等を支給受けようとする者は、大統領令で定める証拠資料を添付して書面で委員会への慰労金等の支給を申請しなければならない。
②第1項の規定による慰労金等の支給申請は、2011年6月30日以内にしなければならない。ただし、委員会が被害者や遺族について調査中の場合には、第29条の規定により決定書の正本を受け取った日から60日以内に慰労金等の支給を申請することができる。
③委員会は、前項の規定により提出された申請書とその他の関連する証拠資料に不備な点があると判断したときは、その申請人に補完しなければならない事項および期間を明示し、それを補完することを要求することができる。この場合、補完期間は60日以内とするが、補完に関連した事項を徹底的に案内しなければならない。
④その他、慰労金等の支給申請に必要な事項は、政令で定める。
第28条(慰労金など支給申請の審議と決定)①委員会は、慰労金等の支給申請を受けた日から6ヶ月以内に支援可否と、その金額を審議・決定しなければならない。ただし、その期間内に決定することができない正当な事由がある場合には、委員会の決定に1回に限り90日間の範囲での審議決定期間を延長することができ、被害者や遺族について調査している場合は、その調査が終了まで審議決定期間を延長することができる。
②第27条第3項の規定により申請人が申請書類を補完する場合は、補完された書類を受け取った日を支給申請日と見なす。
③その他審議決定に必要な事項は、政令で定める。
第29条(決定書の送達と再審議) ①委員会は、第22条の規定による却下の決定、第24条の規定による却下の決定、第25条の規定による被害の真相調査と被害判定不能の決定、第26条の規定による犠牲者と遺族の決定、第28条の規定による慰労金等の支給をするかどうかの決定をした場合には、遅滞なくその事由を明示し、その決定書の正本の届出人または申請人に送達しなければならない。
②第1項の送達については、「民事訴訟法」の送達に関する規定を準用する。
③被害の報告人や被害の真相調査の申請者だった人が死亡しているか、所在不明の場合には、その配偶者または直系卑属に送達しなければならない。
④委員会は、第1項及び第3項の規定による送達をする際に配達対象者に再審請求の申し立てとその手続きと期間、その他必要な事項を知らせなければならない。
⑤第1項及び第3項の規定により決定書を受け取った人は、受信した内容に異議がある場合は、決定書を受け取った日から60日以内に委員会に書面で再審請求をすることができる。
⑥第5項の規定による委員会の再審決定は、60日以内にしなければならない。ただし、その期間内に決定することができない正当な事由がある場合には、委員会の決定に1回に限り30日の範囲での再審決定期間を延長することができる。
⑦再審決定書の送達については、第1項及び第2項を準用する。
⑧第4項から第6項までの規定による再審の請求の手続きに必要な事項は、政令で定める。
第30条(申請人の同意や慰労金等の支給)①決定書の正本の送達を受けた申請者が慰労金などの支給を受けようとする場合には、その決定についての同意書を添付して委員会への慰労金などの支払いを請求しなければならない。
②見舞金等の支給に関する手続等必要な事項は、政令で定める。
第31条(慰労金などの支給を受ける権利の保護) 慰労金などの支給を受ける権利は、譲渡または担保として提供したり、担保権を行使することができない。
第32条(租税免除)慰労金などは、「租税特例制限法」で定めるところにより、国税と地方税を賦課してはならない。
第33条(消滅時効等)①慰労金および未収金の助成金の支給を受ける権利は、決定書の正本を申請人に送達された日から1年間行使しない限り、時効の完成により消滅する。
②第6条の規定による医療支援金の支給を受ける権利は、第27条第1項の規定による支給申請をした日から発生する。
第34条(返還等)①国家は、慰労金等の支給を受けた者が次の各号のいずれかに該当する場合には、彼が受け取った慰労金等の全部または一部を返納させることができる。
1.虚偽やその他の不正な方法で慰労金などの支給を受けた場合
2.錯誤やその他の事由により、誤って支給された場合
②国が、第1項の規定により慰労金などを返還する場合には「国税徴収法」を準用する。
第35条(結果報告書の作成等) ①委員会は、第19条の規定による存続期間の満了する日から6ヶ月以内に委員会の活動に関する総合的な結果報告書を作成して、大統領と国会に報告し、これを公表しなければならない。
②第1項の規定による報告書には、この法律の施行前の日帝植民地下での強制動員被害真相糾明委員会と太平洋戦争前後の国外強制動員犠牲者支援委員会の活動に関する事項を含まなければならない。
③第1項の規定による報告書に含まれている内容は、大統領令で定める。
第36条(類似名称の使用制限)委員会以外の者は、対日抗争期強制動員被害の調査および国外強制動員犠牲者等支援委員会、または類似の名称を使用しない。
第37条(追悼事業支援)政府は対日抗争期強制動員により死亡した者を追悼し、歴史的意味を反芻し、平和と人権のための教育の場として活用するために、次の各号の事業施行に必要な費用を予算の範囲で支えることができる。
1.追悼空間(追悼墓地・追悼塔・追悼公園)の造成
2.対日抗争期強制動員被害史料館や博物館の建設
3.その他の関連事業
第38条(家族関係登録簿の作成)対日抗争期強制動員の被害により家族関係登録簿が作成されていない、又は家族関係登録簿に記載された内容が事実と異なるなった場合、他の法令にもかかわらず委員会の決定に基づいて、最高裁判所規則で定める手続きに沿って家族関係登録簿の作成や記録の訂正をすることができる。
第39条(職員の派遣等) ①委員長は、委員会の業務の遂行のため必要と認める場合には、国の機関又は地方自治団体の長に所属公務員の派遣およびこれに必要な支援を要請することができる。この場合、派遣要請を受けた国の機関又は地方自治団体の長は、業務遂行に重大な支障がない限り、これに従わなければならない。
②第1項の規定により職員を派遣した国の機関又は地方自治団体の長は、委員会に派遣された人に人事上不利な措置をしてはならない。
第40条(権限の委任・委託)①委員会は、業務を処理する場合に必要と認めるときは、政令で定めるところにより、その業務の一部を特別市長・広域市長・道知事・特別自治道や市長・郡守・区庁長(自治区の区庁長をいう)に委任することができる。
②委員会は、大統領令で定めるところにより、慰労金等の支給に関する事務を金融会社などに委託することができる。
第41条(罰則適用における公務員議題) 公務員以外の委員会の委員や職員は、「刑法」第129条から第132条までの規定による罰則の適用は公務員として見なす。
第42条(罰則) ①第11条第1項に違反して職務を行う委員・職員や鑑定人を暴行や脅迫したり、委員・職員または鑑定人にその業務上の行為を強要または阻止するか、またはその職を辞任させる目的で暴行または脅かす者は5年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金に処する。
②虚偽やその他の不正な方法で慰労金などの支給、あるいは受け取った者は、5年以下の懲役または2千万ウォン以下の罰金に処する。
③第2項の未遂犯は罰する。
④第13条に違反した者は2年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金に処す。
第43条(過怠料) ①次の各号のいずれかに該当する者は1千万ウォン以下の過怠料を賦課する。
1.正当な理由なく、第23条第1項第3号による実地調査を拒否・忌避した者
2.正当な理由なく、第23条第1項第4号による遺体および関連資料の提出を拒否した者
3.第36条に違反して、類似の名称を使用した者
②第1項の規定による過怠料は、政令で定めるところにより委員長が賦課徴収する。
附則
第1条(施行日)この法律は、公布の日から施行する。
第2条(この法律の施行のための準備行為) この法律施行前に行われた委員会、所属公務員や職員の任命、委員会の設立準備行為などは、この法律の施行のための準備行為とみなす。
第3条(事務移管等に伴う経過措置) ①この法施行当時、従来の日帝強占下強制動員被害真相究明委員会と太平洋戦争前後の国外強制動員犠牲者支援委員会(以下、「従来の 2つの委員会」という)の所管事務は、第8条の規定による委員会がこれを承継する。
②この法律の施行当時、従来の 2つの委員会の活動と、従来の 2つの委員会で行った行為は、第8条の規定による委員会が行うか、または委員会に行ったものとみなす。
③この法律の施行当時、従来の 2つの委員会に提出された届出と申請等は、第8条の規定による委員会に提出された報告の適用などとみなす。
第4条(委員及び役員等の経過措置)この法律の施行当時、従来の2つの委員会の委員(委員長を除く)、所属公務員および職員は、第8条に基づく委員会の委員、所属公務員、および職員と見なす。
第5条(派遣職員等に対する経過措置) この法律の施行当時、従来の 2つの委員会に派遣された役員および職員は、第8条の規定による委員会に派遣された役員および職員とみなす。
第6条(他の法律の廃止)次の各号の法律は、それぞれ廃止する。
1.日帝強占下強制動員被害真相究明などに関する特別法
2.太平洋戦争前後の国外強制動員犠牲者等の支援に関する法律
(訳:蔡鴻哲さん 感謝)