移動雑貨店 nicher(ニッチャー)のブログ 店主のお気に入りのモノを持って街から街へ。 文具、雑貨、手作り作品等

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一本の鉛筆✏️

2017-05-16 06:04:29 | 出店情報
先日ふとこんな事をボンヤリと…


『うちの商品、鉛筆ばかりだな…』


今更ながら…



元々、マニアでは無いけれど文具は好きだったし、鉛筆が嫌いな訳じゃなかったのですが、だからと言って特別大好きでもなかったような…。



振り返れば、店を始める前の事…


たしか…あらためて鉛筆に興味を持ち始めたきっかけが、ある文具屋さんで出会ったステッドラーの太軸鉛筆。

単純に太さに驚いて買ったような気がします。
でもその後間もなく、ある一本の鉛筆との出会いが。


その鉛筆というのが、当店の看板商品『LYRA groove太軸鉛筆』。



その鉛筆との出会いは、今でもハッキリと覚えています。


知人がその鉛筆を『これ知ってる?』と。


初めて見た瞬間

『うわー、めっちゃカワイイ〜、なんだこれ〜‼︎』

と、まずは見た目に衝撃を受け、手に取った瞬間さらなる衝撃が…。


『持ちやすい…』


当店でお買い上げ頂いたお客様からも、『持ちやすい』または『使いやすい』と、沢山のお声を頂いている通り、持ちやすく使いやすいのです。

難しく言ってしまうと、人間工学に基づき…なんちゃらかんちゃら…。


見た目だけではなく、とにかく機能的にも優れているのです。


もちろん好みがあるので一概には言えませんが、私はあの時初めて見た、側面に溝だらけの鉛筆に衝撃を受け、更にその使い心地に感動したのでした。



そして、今の雑貨店の構想が頭の中で具体化されつつある頃に


『雑貨店を始めたら必ずこの鉛筆を置く‼︎』


と、仕入先のあてもないのに決心しておりました。



それから数ヶ月後、不安だらけの中にちょっぴりの期待を持ち、自分も見た事がない移動雑貨店を何とかオープン。
そして運良く取引先も見つかり、オープン時にお目当の鉛筆も置く事が出来たのでした。


取引先様にもあらためて感謝…。


不安の嵐の中ではありましたが、数少ない商品ラインナップに、お目当の鉛筆を並べられた事が嬉しかったのを覚えています。



オープンから二年。


鉛筆の種類もだいぶ増えました。
これまで何本の鉛筆を販売してきたかは分かりません。


当店にお見えになるお客様が、あの時の自分と同じような反応や、持った時のニヤリと笑った瞬間を眼の前で見れるのはとても嬉しくありがたい事です。


それはどの商品も同じ。


『雑貨店をやってて良かった…』と思う瞬間でもあります。





それから、こんな事も思ったりもします。

ここからは私の想像、妄想ですが…


この鉛筆一本をお客様に届けるまでに、一体どの位の人が関わっているのだろうか…と。


私の前には、取引先の方。
その間には配達してくれる宅急便の方。

取引先の前にはメーカー、もしくは代理店から海を渡り届ける人達。

そしてこの鉛筆を製造しているメーカーの人達。
そこにはその鉛筆をデザインした人達。

それから鉛筆の原材料となる木や黒鉛に携わる人達…。



ここまでざっくりと考えても、鉛筆が出来てお客様に渡るまでに、沢山の人達を介して届けられています。


ここからは更に私の妄想が加速…。



この鉛筆をデザインしたのは、遥か遠く異国の地、自然豊かな街に暮らす、ドイツのハンスさん(※もちろん仮名)55歳。


鉛筆が大好きで、持ちやすく書きやすい鉛筆を日々探求している、勤続20年以上のハンスさん。



ある時、ふとひらめいて試作品を作り、LYRA本社の会議でプレゼン。

ハンスさんの熱い思いが見事商品化に結びつき、世に届けられる事に。



でもその前に、鉛筆を加工する勤続30年を過ぎた工場長カールさん(※こちらももちろん仮名)と、熱いバトルが…


ハンスさん
『こんな鉛筆を作って欲しい』


カールさん
『こんなデザインの鉛筆、簡単にできる訳ないじゃないか‼︎どれだけの工程になると思ってるんだ‼︎』


ハンスさん
『そこを何とかお願いします‼︎きっと良いものが出来上がるはずなんです‼︎』


カールさん
『そう簡単に出来るか‼︎』


とかなんとかいうバトルが続けられながらも、工場長にも職人としてのプライドが。

そのプライドで、困難を乗り越え何とか形になり、最後には工場長カールさんとデザイナーハンスさんも固い握手。


をしたとかしないとか…。


なんて妄想をしてみたりして。
(※名前、設定は勝手な妄想です)



でも、そんな鉛筆一本が誕生するのにも、色んな ドラマがあったのかな、なんて考えたり、出来上がった鉛筆が色んな人や場所を渡り、私達のような販売店に辿り着き、そしてお客様の手に届くんだろうなと。


さらに購入したお客様の手から、その方の家族や知人、恋人などの手に渡る事もあるでしょう。


そこでも、手に取った方が鉛筆と出会った時、また私と同じ様に『楽しい』などと思ってくれたなら、なんて思います。


そんな『楽しい』や『使いやすい』、『持ちやすい』『カワイイ』など、そんな声が一つでも多く聞きたくて、これからも当店には並び続けると思います。



当店で手に取っていただいた商品を通して、モノが持つ力、モノを作る人の想いを時に感じていただき、そして意味なく単純に『なんか楽しい‼︎』『なんかカワイイ‼︎』と、そんな心躍る瞬間も共有できたらと思ったりもしています。



途中、妄想話しが暴走しましたが…



これからも、そんな妄想もしつつモノ選びを楽しんでいきたいと思います。

そして、当店にいらっしゃる方々に楽しんでいただけるよう、努力していきたいと思います。



長文、駄文を最後まで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。



〜みなさんの街から街へ、気まぐれ店主セレクトのモノ達をお届けに参ります〜


移動雑貨店nicher 店主