とある肉屋のブログ

黒毛和牛の純血統 神戸ビーフ!

神戸ビーフは本当に高いのか?

2023-11-09 | グルメ

結論。高いです(笑)

あくまで相対的に見た評価です。
個別のブランド個体によって、価格帯は大きく差がありますので、相応の価格が付く場合もあります。
価格はいろいろな要素を取り込んで決まっていくので、なぜかという理由は一つではありません。

ただ、一つ言えることは、神戸ビーフについては、厳格な基準があるので価格はどうしても高くなる傾向にあります。例えば・・・、
◆純血の但馬牛の血統で構成されていること
◆指定された生産農家により肥育されていること
◆兵庫県内でと畜解体されていること
と決められています。

では、その但馬牛の仔牛を含む黒毛和種の仔牛が、直近1年間、いくらで取引されているのかというと・・・

!!! ダントツでした(笑)
年代や季節により、価格変動があるので、一概には言えませんが、総じて兵庫県産の黒毛和種の仔牛は常に高い状態です。
兵庫県の場合は、”純血の但馬牛”を守るために、生産者もそれ相応の仕組みを維持しないといけないので、高価にはなるかと思います。
実際のところは、他にも飼料代や光熱費の高騰があるので、農家の方も厳しいのが現状です。これはどの都道府県の生産者も厳しい状況かと思います。そして、販売する側も厳しいです・・・。

少し暗い部分に触れてしまいましたが・・・、
国産の和牛は高いと思われているそこのあなた!

今は輸入された牛肉と、国産和牛の価格差が縮まっているので、和牛を食べる機会を増やすなら絶好の機会ですよ~(笑)

ちなみに、神戸ビーフは、但馬牛→兵庫県内で育成→兵庫県内で食肉→競売(黒毛和牛 or 但馬牛ブランド or 神戸ビーフまたは神戸牛またはkobe beefなど)という過程を経て決まりますので、生きた”牛”の品種は存在しません。また、神戸ビーフ等の商標使用は神戸肉流通推進協議会の加盟をしていないと使えません。


西村家オンラインショップ

2023-10-09 | グルメ

ご覧いただきまして、ありがとうございます。
当店の商品購入方法についてのご案内です。

「goo blog」をご覧になられておられます方は、gooとサイト連携している「マルシェル by goo」より、当店の商品をご購入いただけます。

また、当店には「西村家オンラインショップ」という外部の公式サイトがあります。
こちらは、本サイトとなっており、販売中の商品を全て掲載しております。

また、神戸市のふるさと納税の返礼品にも登録されております。
返礼品取り扱いサイトは「楽天ふるさと納税」「ふるさとチョイス」「ANAのふるさと納税」「ふるぽ」「ふるなび」「au PAY マーケット」他、登録されております。

また、「au PAY マーケット」では、ふるさと納税とは別途に、通常商品のご購入もいただけます。auをご利用の方で、ポイントを貯める、使うことも可能です。

ご興味のある方は、一度、「西村家オンラインショップ」の公式サイトへお越しください。

西村家オンラインショップ

 


神戸ビーフと血統

2023-10-02 | グルメ

「夏が過ぎたのに、まだまだ暑いな~」と、季節を忘れて過ごしていたら、【スプリンターズS】の文字が・・・!
そう、競馬のG1競走と秋競馬の季節が始まっていました。完全に忘れてた・・・。
競馬をしない方は、ここからはこのブログを読んでも分からないディープな分野のお話になります。(笑)

お店では神戸牛(神戸ビーフ)を扱っています。
神戸牛というのはブランド名で、実際に神戸牛という生きた牛はいません。
神戸牛は素牛となる但馬牛という品種の中から、お肉として出回る時に、特に基準を満たしたものだけを神戸牛・神戸ビーフ・神戸肉と呼称してもよいという、ある一定上の基準をクリアしたお肉にしかつけられないブランドです。
そして、その素牛となる但馬牛が、実は競走馬の血統の世界と同じくらいすごいのです。
なにがすごいのかというと、但馬牛の血は、日本の黒毛和牛という品種の99%に入っていると言われているのです!
これは、競馬界の大種牡馬サンデーサイレンスやノーザンダンサー以上です。
さらに、サラブレッドの三大始祖の一頭ダーレーアラビアンが90%以上なので、但馬牛の血統支配率は、それよりも上なのです!
これで少し、神戸ビーフの素牛となっている但馬牛の血統のすごさを、お伝えすることが出来たでしょうか?(笑)

但馬牛はその純血な血統を守り、兵庫県内で今に引き継がれています。
また、現在でも但馬牛は全国に嫁いでいくことはあっても、血統を守るため、県内で多品種の牛との交配はされません。

血統を守ること、この価値が分かるのは、やっぱりサラブレッドのことを知っている人かなぁと思いました。
興味ある方は、牛の血統についても調べてみて下さい!

ちなみに、写真はお肉屋さんのとなりにある焼肉屋さんで、撮影した希少部位セットのお肉を焼いている写真です(笑)


炭火とお肉

2023-08-12 | グルメ

ふと、焼肉店で使っている炭を見て、記事を書こうと思いました。

炭火でお肉を焼くと美味しくなるというのは、よく聞く話です。
では、炭火で焼くとなぜ美味しくなるの?でしょうか。

強い火力でお肉を焼くことが出来るから!

その通りです。その通りなんです。そして、火加減が一番難しいんです。

そして、これが人それぞれなんで、また難しいところなんです。
さっと火を通して肉の色が変わらないうちに食べたい人もいれば、しっかり火を通して、焦げ目がついたお肉を食べたい人もいますから。
タイプの違うこの二人が焼肉をすると・・・、領土問題が発生します(笑)

ただ、お肉を食べる時に知っておいて欲しいのは、お肉は焼き過ぎると硬くなるということです。

なぜお肉は焼くと硬くなるのでしょうか。
それは、お肉に含まれる「タンパク質が硬くなること」と「水分が減ってしまうこと」が大きな要因です。
これにより、食べた時にお肉が硬く感じたり、パサパサに感じたりします。
ですので、お肉の食感やジューシーさを楽しむなら、出来るだけ焼き過ぎないようにすればよいということになります。

炭火の特長として、炭火は赤外線を発しますので、炎の熱に比べて、お肉の中まで火が通りやすいことが挙げられます。
ですので、炭火で火を通すと、硬くなりすぎない状態で食べれる可能性が少し上がります。
ただ、炭に近すぎると表面がすぐに焦げてしまい、中はまだ火が通っていないことになります。
反対に少し遠目でじっくり焼くと、低温調理のようにじっくりと火を通すことも可能です。

それともう一つは水分です。これも焼き方で変わってきます。
でも正直、この辺り火加減のことは、人それぞれの好みなので、自分の好きなようにして、食べたいように食べるのが一番だと思います。☚ここ重要(笑)

それと、炭火で焼くと、”風味”が加わることです。家のフライパンで肉を焼くのとは、ちょっと一味違うのがこれです(笑)
風味というのは、炭から出る香り、肉汁やタレが落ちて炭で焦げて燻されてつく香りのことです。
だから、お店で食べる焼肉は、家の焼肉とはちょっと違う味になるんです!

ちなみに、鶏肉、豚肉、牛肉を比較して水分の多い順番はどの順番でしょう?

答えは、鶏肉、豚肉、牛肉の順番です。鶏肉が一番水分の多い肉です。だから鶏肉は焼き過ぎると、パサパサとした食感になりやすいんです。
鶏肉の水分を逃さない最高の調理法。それは唐揚げです!
厳密に言うと、お肉に打ち粉をすれば、焼いても水分の流出を抑えられるので、ジューシーに仕上げられるということなんです。茹でたり似たりすると効果はありません(笑)
豚肉は打ち粉をしたら、しっかり焼いた方がいいです。牛肉は赤身なら打ち粉をした方がいいです。脂がついている豚肉や牛肉は・・・、ジューシーというより・・・、その・・・。

鶏肉をジューシーに食べたいと考えている方、打ち粉ですよ~!


セリ

2023-06-02 | グルメ

テレビなどで、いろいろなセリをしている場面を目にすることはあっても、実際に参加することはないかと思います。東京の築地市場なんかは、昔からテレビでもよく見る機会がありました。人が指でサインを送るやり取りなんかをイメージする人も多いかと思います。そういえば、東京証券取引所も、昔は、そんなことやってました(笑) 神戸ビーフの取引も、昔は手でやりとりをしていました。立会人を見てサインを送っていたのが、だんだん競売相手が絞られてくると、最後は、その相手を見ながら駆け引きをしていたらしいです(笑)
時代が変わって、最近では、ちょうど、東京証券取引所が電光掲示板に変わったころ、神戸ビーフの取引市場もボタン入札に変わっていったそうです。そして今では機能的な入札になっています。ざっくりと、どんなことをしているかというと・・・、一番イメージしやすいのが馬券購入です(笑) 
セリの1時間ほど前に行くと展示が始まっています。パドックを見るようなイメージです。そこには出走表にあたる上場されている牛の名簿が手に入ります。名簿には出荷者、血統、重量他最低限の情報が記載されています。競馬場で手に入るものと一緒で、競馬新聞のような詳細なデータなどはありません。同じ農林水産省の仕組みだなぁと感じます(笑) この名簿にメモをしながら、展示されている枝肉を見て、判断していきます。そして、ここからプロの仕事になってきます。スジ、脂、模様、重量など、商品になる部分がどのくらいになるのかなど、目で見て判断していきます。ちなみに素人の自分では、ほとんど分かりません(笑) A3とA5ぐらいは、並んでいたら見分けがつくかなという感じです。
そして、お目当ての枝肉をピックアップして入札に臨みます。入札は、始まって数十秒で購入決定に至る世界です。考えている余裕はありません。ここもプロの世界です(笑) 応札者、値段の上がり方、商品の見極め、予算など、ありとあらゆることを一瞬で判断しなければならず、もはや勘の世界です。値段を吊り上げるための横やりなんか入ってきても、素人だと絶対に分かりません(笑) そして、たった10数秒から数10秒に繰り広げられる駆け引きが終わり、次の競売へと進みます。多いときだと100頭もあるとのことで、見ているだけで疲れます。でも気を抜いたら終わりなので気は抜けません(笑)
今回、肉職人の社長が隣でニヤリとしながら「買うたで」と、早々に落としていました。セリは流れもあります。最初の高値に戸惑って様子を見ている雰囲気の間に落としていました。高値相場かなと認識する前のことで、序盤が過ぎて相場が形成されると、さっきの値段で買いたくても買えない、そこまで上がるの?!と躊躇してしまい、恐らく自分だったら、買いたいけど買えないか、思っていないものを買っていたんだろうなと思いました。ちなみに、目を付けていたもう一頭は終盤に登場したようですが、思っていたより高値が付いたそうです。
セリがどんな雰囲気なのか、少しは伝わったでしょうか? 肉のプロの世界を少しでもご想像いただけたらと思います。
でも、農家の方が手塩にかけて育てた牛なので、A5でもA4でもA3でもいいんじゃない?! 違うといえば違うけど、そんなに変わらないけどなぁと、元も子もないことを考えてしまいました(笑) 競争があるからいいものが出来て適正価格が維持されるので、今のご時世、どの業界も避けられない仕組みですね(笑)