2年前にたまたまネットサーフィングしていて出会いました。
一目ぼれでした。
素直に、「これだ」と。大きな家族、ban rom sai。
当時、私は、
英語のクラスの最後のエッセイで、(以前の投稿で紹介した、フリーダに似てる先生、ヘレンケラーの映画を授業で鑑賞した時の)
「今まで読んできた著名人の書物を活用して、あなたの好きな事を書きなさい」
という、なんとも寛大な先生のお言葉に甘え、
「私たちの未来をよくするために」というような、
デカクでたものを書きました。
正義について説いた John Rawls と Martin Luther King Jr. と Martha C. Nussbaum
教育について説いた John Dewey と Frederick Douglass
その他もろもろ…
世界をより良いものにするために、活躍された人達。
私が読んだ全てのものに共通していたことは、
「人間としての命を最大限に活用して生きること」
「よくするために」という言葉に含まれる「未来」への想い・願い。
じゃあ、そのために、私たちに何ができる?
という疑問の前に私が考えたのは、
「子供がいなきゃ私たちの未来はない」。
良い世界には、良い人間が必要。
良い人間を育てること。
これが、私たちが未来をよくするということに繋がっていくのではないかと、
こう思ったのです。
良い人間、というと聞こえが悪いと思いますが、
ここでいう私の「良い人間」は、
著名人の方々が唱えた「人間としての命を最大限に活用して生きる」人間です。
そして、この「最大限に活用」というのが、
以前私がお話しした、
GENIEとヘレンケラーの、二人の件のお話に繋がるのです。
人間の、「人間としての命を最大限に活用」出来るか否か、
これは、幼少時代までの成長・環境にものずごく深く繋がっています。
実は、胎児の時からそれは始ります。
じゃ、それらを得られなかった子供は手遅れ?
そうではありません。
でも、幼少時代(特に3歳までといわれている)までに出来た心の傷を癒すことは、ものずごく難しいのです。
その傷は、主に潜在意識のレベルなので、意識的に直すことは難しいのです。
また、別に最大限じゃなくっても…。最大限って難しい…。
って思われる方もいるかもしれません。
私もそう思います。
でも、私たちで最大限の努力はしてみましょう!
何をするか?
一人の人間として尊重し、愛することです。
その努力を、HIVに母子感染した29人の子供たちの為に注いでいるのがこのban rom sai です。
ban rom saiのドキュメンタリーを見てみる
コンセプトは、「大きな家族」。
我が子供の為にと、
地域で根強く残っているHIVの人たちに対する偏見・差別をなくす運動もしています。
その成果、子供たちは、HIVだからと拒否されていた学校にも通えるようになりました。
敷地内に建てられた図書館は、
地域の人たちも利用できるようになっていて、
それも、差別・偏見をなくすことに一役買っています。
ban rom saiが建てられたのは約10年前、
すくすくと成長していく子供たちに教えるのは「自立性」。
部屋のお掃除、ご飯の支度、子供たちが自ら進んでしている姿が目に入りました。
同じ敷地内で行われている、
ゲストハウスの運営、衣料製品の制作。
「働く」という行為が自然と子供たちの目に入るように…という想いもあるようです。
ban rom saiの素晴らしいところの一つは、
資金を寄付金だけに頼らないところです。
名取さんはおっしゃっていました。
「募金おねがしまぁ~~す。あなたの助けがぁ~…」って、それだけに縋るの
は、なんだか物乞いみたいでいやだったの。
それに、寄付金から入るお金だけだと不安定であてにならないでしょ。
この想いから始めたのが、
先程も少し話した衣料製品の販売、ゲストハウス、子供たちのアート盛りだくさんのギャラリー展、書籍 等です。
予算以上に得たお金を使って行われたのは、家族旅行。
大家族でタイ南部・プーケットまで行かれたそうです。
「子供たちに色んなものを見て、感じてほしいから」
と名取さんはおっしゃっていました。
ban rom saiの見学を終えて(ガイドしてくださったのは麻生さん)
予定より早めに、予約していた「土の家」にお邪魔させていただきました。
これが内装です。
この土の家は、以前ban rom saiで働いていた大地さんという方が、
赤土から一年かけて造り上げたものらしいです。
その他、二つのゲストハウスは、
デザイナーとしても活躍してる名取さんご自身と、インテリアデザイナーの娘さんで協力してデザインしたものらしいです。
二つとも、とてもシンプルで粋なデザインです。
よろしかったらban rom saiのHPでチェキラってくださいね^^
短時間でしたが、本当、我が家の様にホッとした時間をこの家で過ごしました。
お昼は、無料貸し出しの自転車で、
自然が奏でる音色をバックに好きな音楽に時たま耳を傾けながら・歌いながら3時間ほど細道を駆け回って、
家に帰って、自転車で出かける前に採って冷やしておいたラムヤイという果物を頬張って…。
(ban rom saiの敷地はもともとラムヤイ畑だったので、いたるところにラムヤイの木があるの。麻生さんが「食べ放題だから」とおっしゃっていたので。。)
ban rom saiから借りた、
佐保美恵子さん著書、「生きるって素敵なこと!-美和が問いかける幸せの形」という本を片手に、
コーヒーを淹れて、買ってきたクラッカーと一緒に堪能。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062120968/ref=cm_rdp_product_img
(本の紹介)
そして、待ちに待っていた、
ライトアップされたプール。
宿泊者は私一人だったので、貸し切り状態で泳ぎました♪
(プールの写真はデジブックのアルバムに載せてます)
ここでちょっと耳寄りなお知らせ!
9月全国ロードショー決定の映画
「プール」 http://pool-movie.com/
監督:大森美香さん
出演:小林聡美さん・加瀬亮さん・もたいまさこさん・伽奈さん
映画の舞台はなんと、このban rom saiのゲストハウス。
そして、私がお嬢様気分を味わったこのプールが、映画でのメインスポットなのです。
みなさん、もしよろしかったら御覧になってみてください^^
この映画のキャッチフレーズ
「理由なんて、愛ひとつで十分だ。」
なんとも、私好みです。
この映画を通して、より多くの人がban rom saiの存在を知って、
より多くの人が、子供たちの事を考えるようになって、
家族の在り方について考えるキッカケになればいいなぁ…と願っています
ということで、お嬢様気分も束の間、
お部屋に侵入してきた猫のグッドモーニングコールと、
鳥達が家の屋根をかさかさと移動する音で目が覚め、
美味しく、心の温まる朝食を頂いた後、
早速、お暇の準備。
帰る前に、名取さんに会いたい!と
鈴木さんにお伝えしたところ、
「名取さんは今、日本での講演が終わってタイに昨日帰ってらっしゃるのですが、 今はバンコクにいらしてまして。
おそらく今日の夜には…。でも、スケジュール が分からないので、麻生さんにメールで聞いてみてください」
というお返事。
肩を落として帰る自分に、
絶対会えるから、とりあえず麻生さんに連絡してみよう!
と後押しする自分。
翌日の朝、さっそく麻生さんにメール。
そして、その次の日、13日に時間が取れるとのお返事。
よっしゃ!とガッツポーズをとった手がだらしなくブランと垂れ下がったのが13日の朝。
麻生さんから、
「ごめんなさい。都合が悪くなりました。
今週の名取のスケジュールはとても忙しくて、はっきりとしたことは言えませんが、今のところ14日の午前10時ということでどうでしょう?
また変更があり次第連絡します」。
大丈夫、きっと会える。
と自分に言い聞かせ、14日の朝を待ちました。
麻生さんからの連絡はなし。
ということは…。
そうです!
この写真が物語ってくれてるでしょ?
この達成したって感じの表情。笑
名取さんは本当に、
キリッと、でも、とても気さくで温かい人でした。
30分という短い時間でしたが、
二人で、私が上記に述べた、子供の事、これからの事を語りました。
ban rom saiの子供たちも、それぞれ色々なバックグランド経てここにきており、
幼少時代の傷を今も引きずってる子は少なくないという事実。
その傷は、幼い時は幼い時の形で表現され、
思春期の今では、それがまた違う形で表現されているとおっしゃっていました。
それと、HIVの悪化を抑制するお薬の副作用のこと。
副作用のないお薬はないわけで、
でも、事例がない故に、どういう形で副作用が起こっているのかが分からない。
お薬に対する、変化・状態を正確に述べることは子供にはまだ難しく。
その副作用は、フィジカル的なもの、もしかしたら、メンタル的なものかもしれない。ということ。
子供の事、家族の事は、全ての人に共通する重大な事なのに、
国はまだ、その重要性に真正面から取り組もうとする余裕がない。
だからこそ、私たちがNPOやNGOで組織を立ち上げて、
まずは一人一人から、家族から、地域から…と、
土台のしっかりとした運動をする必要がある。
各地の地域が動き出すと、もしかしたら、国も動き出すかもしれない。
それぞれの国が動き出すと、世界が動くかもしれない。
ban rom sai。
ガジュマルの木の下の家 という意味を持つこの言葉。
ガジュマルの木は神聖な木で、幸運・守り神の木と考えられているそうです。
名取さんは、ban rom saiという場所が、
子供たちにとって、ガジュマルの木のような存在でありたいという願いを込めて名前を付けたとおっしゃっておりました。
この写真が、ban rom sai 大黒柱のガジュマルの木です。
さすが、熱い思いを抱く、このban rom sai。
案の定、こんなに長くなってしまいました。
最後まで目を通してくださった方、本当にありがとうございます。
では、最後に、
発展国も、発展途上国も、
大人が仕出かす惨事の犠牲者は、罪のない子供達です。
この世界が、国々が、各地域が、各家族が、
これから生まれてくる子供たち、今生きている子供たちにとって、
ガジュマルの木のような存在になれるように。
私たちも、しっかり根を張ってすくすく成長していきましょう。