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自走式移動胃袋 ~ The nomadic stomach ~

風林火山・風の章_2: 疾風怒濤の38時間

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なかなか筆(?)も進まないウチに4月になってしまいましたし、震災当日のドタバタも『旬』を過ぎたネタになりつつありますが、まあ前回の記事の続きということでございます。 前回ほど緊迫感はないので少々期待ハズレかもしれませんが、ご容赦願います。

3月12日(金)

【00:00】
日付が変わりました頃に、安否の確認はできていたものの少々心配しておりました社長から渋滞を乗り越えて家に帰り着いたとのことで電話がかかってきましてモロモロの報告などいたします。 しかしながら、諸事不明の点も多く歯切れの悪いコメントしかできません。

社長のお相手を済ませると、さすがにお腹も空いてきたので久方ぶりにカップヌードル(カレー)などをいただきます。 しみじみと美味しゅうございました。
食い入るように報道番組を観ていた(何の役にも立たなかった)皆様も、始発までは絶対に電車が出ないし&クルマにも乗っけてもらえないと理解していただけたことでボチボチと思い思いの格好で寝始めています。
我が手下陣はなかなか休もうとしてくれませんが、翌日どうなるか分からないという不安もあるので「とにかく寝て体力を温存しろ!」ということで会議室に押し込んで寝かしつけます。

【01:30】
安否確認を続けながら未帰還の社用車を待っていたのですが、最後の1台が青物横丁から我が社のある川崎(10キロも離れていない)まで6時間以上かけて生還してくれたので、ドライバー交代をして最後の女子ご帰宅ロットを送り出します。 まあ、ほんの少しだけホッとするのですが、大渋滞の中、横須賀まで何時間かかるのやら…

ようやく一段落した感じになりまして、報告書…というよりも全社向けの発信文書の作成に取りかかります。 A4で2ページのボリュームを想定して書き始めたのですが、情報を整理しながら従業員をソコソコに安心させつつ、キッチリと緊張感を発生させなくてはいけないので相当のエネルギーを使います。 それにしても気になるのは安否の確認できない仙台チームのことです…

【05:00】
始発から京浜急行が動き出すなど、バラバラと入る情報から何時、どのように『帰りなさい!』という発信をするかも微妙に難しいのです。 どんなタイミングで伝達したとしても、どうせ皆様好き勝手に「焦って駅に行ったら混んでいた」とか「電車が全然来ない!」とかを言われるのも分かっているので、『草』を放ち情報操作を行い「微妙に」自主判断をさせます。

Yサン「○○を駅まで送ったついでに、(24時間営業の店で)うどんと天丼のセットを食べてきちゃった♪」
ワシ 「まあ、体力維持が一番ですからねぇ…」

【07:00】
そうこうしているうちに8時からと言っていた災害対策会議を前倒しで始めることになりました。 これまでに確認された安否確認の結果報告と今後の対策、そして、社内外への発信についての論議です。 ワシとしては従業員をスッカリ追い出したり、明るくなってからの安否確認も落ち着いて打ち合わせをする段取りを組んでいたのですが、「寝てらんないよ~」とか言いだしやがるヤツ(執行役員)がいまして、妥協点として「7時から」にしました。

ケンケンがくがくとしつつも、現状の確認 → 課題の抽出 → (軽く中長期の話 →) 当面の行動目標の設定 というストーリーで会議を進め、とにかく支援隊第一便を仙台に向けて発進させることが決まりまして、具体的なアクションへ向けての第一歩が踏み出せます。

【09:00】
会議が終わり全社向けの発信とHPへのアップするネタの最終稿を作ってアップを依頼すると、ようやくワシのチームのミーティングができます。

ワシ 「足(クルマ)の手配と物資調達がワシらの割り当てなので、Wサンはクルマで、KとSは手分けして支援物資のリストアップと買い出しができる先を選んでおいておくれ」
手下K「支援対象は何人くらいで、どの程度の被害を想定するのですか?」
ワシ 「えっとね、『20人が対象で、5人が家を流されてどうしようもなくて、5人がほぼ無傷で現地支援ができるほど気力も充実、残り10人も軽く罹災してるはずだけど連絡がつかない』という設定でいこう!」
手下K「ちょっと設定が細かすぎないですか? わけわかんないし、それに仙台って30人以上いますけど…」
ワシ 「いいの! イメージを持たないと動けないから、それで行くの!!」

社長宅へ報告書のファックスを入れながら横目で見ると、手下陣がキッチリを稼働しはじめたので少しホッとします。

手下W「あの~、クルマの手配ってナニするんですか?」

【10:00】
XX事業所に電話します。

ワシ 「アンタのトコにあるクルマね、仙台に荷物運ぶので1週間くらい借りるからね」
某T長「とも2サン、3月の忙しい時期にナニを言ってるんですか? 冗談はやめてください。 絶対に無理です」
ワシ 「アンタ、ワシの出したメールというか、今、ウチの会社でナニが起こっているのか分かってるの?」
某T長「読みましたよ~、仙台も大変ですねぇ…、でもウチも大変なんですよ…なんで分かってくれないのかなぁ」
ワシ 「もういい(怒)」
(この某T長というのは組織上はワシの系列にないので強権発動ができないのです)

どうにか手下Wの頑張り(← 普通だろ!)でワンボックスのレンタカーを長期手配することができまして、次のステップ=買い出しに進みます。

しかし、某T長のあまりの判断力の無さにちょっとばかり凹みまして、ついつい上司のKYサンに
「実は我が家では今日から『瀬戸内海サーキット・西ショートコース(※)』に出るはずだったんですよ、本来なら今頃は我妻と高松の空港に…」
なんて、愚痴ってしまいました。

ということで、無呼吸連続勤務も24時間を過ぎたのですが、あまりの長さに我ながら呆れまして、風林火山・風の章も第三話に突入することを決定いたしました。
続きがあるかは自信はないのですが、とりあえず…乞御期待。

(続く…)

※: 瀬戸内サーキットとは瀬戸内海を真ん中に、本州と四国を結ぶ、淡路島ルート、瀬戸大橋ルート、しまなみ海道ルートを組み合わせてサーキットに見立てて、グルッと回りながら美味しいモノを食べ歩くツアールートのこと。
淡路&しまなみを通る外周大回りがフルコースで、東より西よりで各々ショートコースが設定されます。 尚、東ショートコース編については拙ブログの過去記事をご笑覧くださいませね♪

続く…

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コメント一覧

とも2
ヒトソレゾレ
> じぇみーサン

徒歩3時間は頑張りましたね♪ えらいぞ!

セはあれですねぇ、いくつもの選択肢があるのに「これでいいや」と思ったらナニも考えなくなるタイプなんですかねぇ?
じぇみー
当日は
何で移動するにしても大変でしたよね。
JRに頼るしかないわたしは根性で3時間弱かけて歩きましたが
3時間は想定内だったので上出来です。

それにしても、地震が起きてからの仕事量がすごいですね。
ちなみにセは、コート着込んでマフラー巻きつけて逃げる準備してました(笑
その後コンビニでお酒を買ってきて朝まで飲んだらしいです。
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