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刑務所の篤志面接委員について

2014-09-05 13:30:58 | 日記
住職が刑務所で篤志面接委員として、収容者に講義をしている様子を、名古屋テレビで放映された時の写真です。



現在の私の仕事となっている、篤志面接委員という仕事をご紹介致します。この仕事は法務省を退職し浄徳寺住職となったわけですけれど、その翌年に以前の上司が法務省名古屋矯正管区長として赴任してきて、三重刑務所の篤志面接委員の就任を請われ、平成5年からその職についています。
 篤志面接委員の仕事は全国の矯正施設(刑務所、少年院等)の受刑者や少年院在院者等の改善更生と社会復帰を図るために,各種の処遇・教育が行われていますが、これらの人々の抱える問題は、現代社会の状況を反映して複雑で多様であるため、公務員である矯正職員の力だけでは十分対応できない場合には、専門的知識や豊富な経験を持つ民間の篤志家の協力を得る必要があります。
そこで、篤志面接委員制度が設けられ、法務省から委嘱を受けた篤志面接委員が受刑者や少年院在院者等の改善更生のために様々な奉仕活動を行っているいるのです。
 私の三重刑務所での仕事は、悩みを抱えている者に対する個人面接と仮釈放(受刑成績優秀者を刑期終了前に仮に釈放する制度)者の出所前に社会に出た時の心得、現社会の状況などを講話形式で教育活動を行っているのですが、最近の傾向では、現在の社会の不況などで、社会そのものの就業率が低いこともあるのですが、釈放後の就職が90パーセント近く決まっていないことです。
 これでは再犯を促すこととなってしまいます。本来は、刑務所に任せて、社会復帰するのではなく、社会全体が社会復帰させるといった行動をおこさなければ、本来の社会復帰は実現しないのです。受刑収容者は、社会が生み出したものなのですから、単に社会から隔離しておけば良いという事にはなりません。犯罪を生み出した社会が手を伸ばすことが、犯罪者を社会に復帰させる大きな力となりうるのです。

21年の暮に名古屋テレビの番組UP!で篤志面接委員活動状況を取り上げていただき、受刑者に民謡を指導している先生と愚僧が取り組んでいる仮釈放前教育の講義中の様子が放映されました。犯罪者を憎む前に、犯罪そのものは社会も生み出す因を持っているわけですから、犯罪を憎んでも、犯罪者も犠牲者の一人であることも知って欲しいし、このを興味本位ではなく、身近なものとして捕らえて欲しいと思っています。受刑者の釈放後の仕事が本当に無い状態が続いています。このテレビ放映から社会がもっと人間と犯罪に対して関心を持って欲しいとの願いが通じてくれればいいと願っています。



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