いらないおもちゃ

先日、小学校の友愛セールがありました。
フリーマーケットが行われていて、兄ちゃんは
「あれが買いたい」
「買っていいでしょ？」
と誘惑に駆られていました。
お金は持たせていませんでした。
「後で返すから、お金を貸してほしい」
と言われました。
「・・・」
当然ですが、貸しません。

数日後、
「僕、このおもちゃ、もう使わない。
でね、こういうおもちゃが、この前の学校でやってた時、売ってた。
だから、僕も売りたい。」
と言いました。
「この前の学校でやってた？」
「うん、フランクフルトとか食べたやん」
「友愛セールの事？」
「そうそう、それ。その時、おもちゃとか売りよったやつ」
「フリーマーケットがしたいの？」
「それそれ。僕も売りたい」
「ふーん、いいけど、来年になるけど。」
「うん、いいよ」
「出店料が５００円かかるよ」
「えーーーーーー５００円
そんなにー」
「そう」
「えーじゃぁ、いいや」
「・・・」

兄ちゃんは、自分が持っているおもちゃと似たようなおもちゃが売られているのを見たようです。
値段もしっかりチェックしていたようで、出店料に５００円も出したら、損をすると分かったようです。

私は、

フリーマーケットはいつかさせてもいいかな…

と思っていたので、
「他にも、もう使わないおもちゃや洋服なんかも出せばいいんじゃない？」
と言うと、目を輝かせて、
「そっか」
と言い、おもちゃを物色し始めました。
当然ですが、兄ちゃんがすればＴちゃんもします。
「Ｔちゃん、兄ちゃんのとＴちゃんのを一緒に置かないで」
と喧嘩が始まりました。

・・・

２人にそれぞれバザー行きボックスを用意してあげました。


だんだんと２人は欲望の塊と化してきました。
「これも売る」
「あれも、うる」
『使わなくなったおもちゃ』ではなく『お金になるおもちゃ』を物色しています。

「・・・」
私は唖然です。
Ｔちゃんが、
「これも、うる」
と持ってきたのは、ここ最近で届いたばかりの『し○じろう』の付録でした。

オイ
いい加減にしろよーーー
主旨をきちんと説明しなかった私がいけなかった…

と反省し、
「…君達、ちょっと待ちなさい…」
２人は
「何？」
と私を見ました。
「あのね、使わなくなったおもちゃを選ぶんだよ。
ここにあるおもちゃは誰がお金を出して買ったのかな？」
「お父さんとママです」
「そうです。大事にしないのなら、もう買いません。
せっかく買ってあげたのに、そうやって自分のお金にかえるなんて…。
大事な事は、
『大切に使った物を、まだ使えるから、次の欲しい人に譲る』
そうやって『物を大切にする事』だからね。
間違えないように」
と言われ、ようやく欲望の塊から、欲求程度までに戻りました…。

やれやれ…

ふと、Ｔちゃんのバザー行きボックスを見てみると…
・瓶の蓋だけ
・くしゃくしゃの折り紙
・２個で１つになるおもちゃの方割れ
など、

こ、これは…
ごみですね…

というものがたくさん入っていました…
（もちろん、ちゃんとしたカードなども数点ありましたが…）
「Ｔちゃんには、まだちょっと難しかったね。
Ｔちゃんはいらなくなったおもちゃを入れなさい。」
「わかった」

そして兄ちゃんに、
「壊れている物は売れないからね」
と念を押しました。

まだ一年も先の事なのに、熱心に物色している２人。
いつまで覚えている事やら…ハハハ