「福島第一原子力発電所の今と未来」というタイトルで
小出裕章氏のインタビューの内容につき、
サイト「みんな楽しくHappy♡がいい♪」の管理人、
きーこさんが
文字起こしをして下さってます。
単に転載するだけでは芸がないようなので、
ポイントだけ
まとめなおす形で引用させて頂きます。
元記事は、
☆ こちら
【福島に事故処理の困難性】
(一)放射性物質の存在する場所が二つある。
イ)一つは、溶けてしまった炉心にある。
でも、その溶けてしまった炉心の状態がまったく不明。
ロ)もう一つは、
使用済み燃料プールというところにある。
ここには、使用済みになった、つまり、ウランが燃え尽きて
膨大な放射能のかたまりになってしまった――
という燃料が
プールの底に沈んでいる。
オペレーションフロアーで爆発が起き、
建屋が吹き飛んだ。
そのとき、崩れた機材などがプールの中に落ちてしまった。
猛烈に汚染した環境で
プールの底に沈んでいる放射能のかたまりを必ず取り出さなければならない…
プールから取り出して、
どこか少しでも安全な場所に移すという作業をしなければいけない。
ただ、燃料は、
プールからそのまま引きだすことができない。
やり方としては、
プールの底に
まず、鋼鉄と鉛でできた巨大な容器――キャスクを――沈める。
次に、その容器の中に使用済み燃料を水面下で移動させて、その容器の蓋をして、
初めて、その容器をつり上げる事ができる。
最後に、水に浸したまま、そして鋼鉄の鉛のかたまりで放射線を遮蔽しながら、
プールの上につり上げる、
という事をやらなければいけない。
しかし、そのキャスクというのは重さが100トンもある。
だからそれをプールの底に沈めたり、あるいはつり上げたりしようとするなら、
猛烈に巨大なクレーンがいる。
しかし、その猛烈に巨大なクレーンは、
すでに爆発で壊れてしまっている。
クレーンを支える建屋もない。
だから順序として、これから、建屋を新たにまた作ることになる。
そして巨大なクレーンを設置する。
それで初めて、つり出せるようになる。
その作業が
始められるようになるのに、
4号機の場合、
「来年の暮までかかる」
と東電は言っている。
しかし、つり出しは、それから後だ。
「何年かかるんだろうか」
と思うほど困難な仕事になるのは間違いない。
4号機が済めば、
1号機もやらなければいけない。
2号機も、3号機もやらなければいけない。
もう…大変な被ばく作業を何年もかけながらやって、
初めて使用済み燃料プールから
使用済み燃料が別のところに動いたという段階で、
今度は石棺をつくることになる。
…もう10年後になるのか
20年後になるのか、さっぱりわからない。
おまけに国や東京電力は、
今はどこにあるか分からない溶け落ちた燃料そのものも、
「どこかに掴みだしたい」と、
今だに言っている。
それをもし本気でやるなら、また10年かかるか20年かかるかという
作業になってしまう。
思うに、
多分それはできない。
技術的に、
猛烈に被ばくする状況を前にして
事実上、不可能だろう。
だからもう、そちは諦めてチェルノブイリでやったように、
その場で封印するしかないと思う。
とにかく、
使用済み燃料プールの底にあるものだけは、
出さなければいけない。
それを出すために10年というような歳月がかかる。
無事取り出し終えれば、
石棺をつくる。
しかし、何年かかけ、出来上がった石棺も、
今、チェルノブイリでそうであるように
30年も経たない内に
老朽化する。
そうなるとまた、新たなシェルター、棺が必要になる。
これの繰り返しがずっと続く。
何百年と延々とやらなければいけない。
初めの石棺を作る頃、まだ生きているかもしれない。
しかし、次の石棺の時には、私は絶対に生きていないわけで、
私たちの子ども、
あるいは、孫の世代がまた、次の石棺をつくらなければならない。
そして彼らもきっと死に絶えた頃に、
また次の石棺をつくらなければいけないという、
無限と思える作業が
ずっと続いてしまうことになるだろう。
(二)4号機使用済み燃料プールの事故処理
4号機は、
3月15日に爆発を起こした。
そして使用済み燃料プールが現在、
宙づりのような形になってしまっている。
事故当時、
4号機だけは定期検査中で、
本来、炉心の中にあるべき燃料が
全部がプールの中にあったという特殊な事情がある。
その結果、4号機の炉心の中にあった燃料の約2.5倍分が
使用済み燃料プールの中に存在している。
しかもそれが宙づりになっている
ということだ。
プール内の放射能量は、
そのセシウム137を尺度にすると、
広島原爆が
ばら撒いたセシウム137の多分5000発分はある。
もしプールが崩壊するような事態になれば、
人類が経験したことのない大惨事となる。
だから何としてもそういう事態は、
防がなければいけない――というわけで、
東京電力も
事故直後にすぐに行動を起こした。
ただ、この会社がしたのは、
やっつけ仕事だ。
ごくごく一部分のプールの底にだけ支柱を立て、
コンクリートを流して
「補強をした」と言っているに過ぎない。
もちろん、やらないよりはやった方がいい。
でも、その程度の工事でしかない。
放射能汚染が
猛烈な被ばく環境の中で、
ゆっくりと工事ができる状況ではなかった。
どこまでいけるのだろうかと、
私は、大変不安だ。
東京電力自身は、
「イヤ大丈夫だ、震度6ぐらいまでは行ける」
というようなことを言っているけれども、
猛烈に不安だな、それが。
小出裕章氏のインタビューの内容につき、
サイト「みんな楽しくHappy♡がいい♪」の管理人、
きーこさんが
文字起こしをして下さってます。
単に転載するだけでは芸がないようなので、
ポイントだけ
まとめなおす形で引用させて頂きます。
元記事は、
☆ こちら
【福島に事故処理の困難性】
(一)放射性物質の存在する場所が二つある。
イ)一つは、溶けてしまった炉心にある。
でも、その溶けてしまった炉心の状態がまったく不明。
ロ)もう一つは、
使用済み燃料プールというところにある。
ここには、使用済みになった、つまり、ウランが燃え尽きて
膨大な放射能のかたまりになってしまった――
という燃料が
プールの底に沈んでいる。
オペレーションフロアーで爆発が起き、
建屋が吹き飛んだ。
そのとき、崩れた機材などがプールの中に落ちてしまった。
猛烈に汚染した環境で
プールの底に沈んでいる放射能のかたまりを必ず取り出さなければならない…
プールから取り出して、
どこか少しでも安全な場所に移すという作業をしなければいけない。
ただ、燃料は、
プールからそのまま引きだすことができない。
やり方としては、
プールの底に
まず、鋼鉄と鉛でできた巨大な容器――キャスクを――沈める。
次に、その容器の中に使用済み燃料を水面下で移動させて、その容器の蓋をして、
初めて、その容器をつり上げる事ができる。
最後に、水に浸したまま、そして鋼鉄の鉛のかたまりで放射線を遮蔽しながら、
プールの上につり上げる、
という事をやらなければいけない。
しかし、そのキャスクというのは重さが100トンもある。
だからそれをプールの底に沈めたり、あるいはつり上げたりしようとするなら、
猛烈に巨大なクレーンがいる。
しかし、その猛烈に巨大なクレーンは、
すでに爆発で壊れてしまっている。
クレーンを支える建屋もない。
だから順序として、これから、建屋を新たにまた作ることになる。
そして巨大なクレーンを設置する。
それで初めて、つり出せるようになる。
その作業が
始められるようになるのに、
4号機の場合、
「来年の暮までかかる」
と東電は言っている。
しかし、つり出しは、それから後だ。
「何年かかるんだろうか」
と思うほど困難な仕事になるのは間違いない。
4号機が済めば、
1号機もやらなければいけない。
2号機も、3号機もやらなければいけない。
もう…大変な被ばく作業を何年もかけながらやって、
初めて使用済み燃料プールから
使用済み燃料が別のところに動いたという段階で、
今度は石棺をつくることになる。
…もう10年後になるのか
20年後になるのか、さっぱりわからない。
おまけに国や東京電力は、
今はどこにあるか分からない溶け落ちた燃料そのものも、
「どこかに掴みだしたい」と、
今だに言っている。
それをもし本気でやるなら、また10年かかるか20年かかるかという
作業になってしまう。
思うに、
多分それはできない。
技術的に、
猛烈に被ばくする状況を前にして
事実上、不可能だろう。
だからもう、そちは諦めてチェルノブイリでやったように、
その場で封印するしかないと思う。
とにかく、
使用済み燃料プールの底にあるものだけは、
出さなければいけない。
それを出すために10年というような歳月がかかる。
無事取り出し終えれば、
石棺をつくる。
しかし、何年かかけ、出来上がった石棺も、
今、チェルノブイリでそうであるように
30年も経たない内に
老朽化する。
そうなるとまた、新たなシェルター、棺が必要になる。
これの繰り返しがずっと続く。
何百年と延々とやらなければいけない。
初めの石棺を作る頃、まだ生きているかもしれない。
しかし、次の石棺の時には、私は絶対に生きていないわけで、
私たちの子ども、
あるいは、孫の世代がまた、次の石棺をつくらなければならない。
そして彼らもきっと死に絶えた頃に、
また次の石棺をつくらなければいけないという、
無限と思える作業が
ずっと続いてしまうことになるだろう。
(二)4号機使用済み燃料プールの事故処理
4号機は、
3月15日に爆発を起こした。
そして使用済み燃料プールが現在、
宙づりのような形になってしまっている。
事故当時、
4号機だけは定期検査中で、
本来、炉心の中にあるべき燃料が
全部がプールの中にあったという特殊な事情がある。
その結果、4号機の炉心の中にあった燃料の約2.5倍分が
使用済み燃料プールの中に存在している。
しかもそれが宙づりになっている
ということだ。
プール内の放射能量は、
そのセシウム137を尺度にすると、
広島原爆が
ばら撒いたセシウム137の多分5000発分はある。
もしプールが崩壊するような事態になれば、
人類が経験したことのない大惨事となる。
だから何としてもそういう事態は、
防がなければいけない――というわけで、
東京電力も
事故直後にすぐに行動を起こした。
ただ、この会社がしたのは、
やっつけ仕事だ。
ごくごく一部分のプールの底にだけ支柱を立て、
コンクリートを流して
「補強をした」と言っているに過ぎない。
もちろん、やらないよりはやった方がいい。
でも、その程度の工事でしかない。
放射能汚染が
猛烈な被ばく環境の中で、
ゆっくりと工事ができる状況ではなかった。
どこまでいけるのだろうかと、
私は、大変不安だ。
東京電力自身は、
「イヤ大丈夫だ、震度6ぐらいまでは行ける」
というようなことを言っているけれども、
猛烈に不安だな、それが。
以上
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます