のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

知事が大阪維新の会を率いる意義について

2011年01月18日 09時38分41秒 | Weblog
橋下知事を見ていて思い出すのは、ヒットラーです。

根拠はと言うと、

(1)誇大妄想性

「大阪を世界の五本の指に入る都市にする」という宣言に顕著に

現れているのが彼の“誇大妄想”癖です。

根拠も何もない、このような戯言で

(俺は偉いんだ)

ということを言いたいんでしょうね。

もし、仮に五本の指に入るとしたなら、

住民の参加や対話が想定されない

市民不在の最悪の都市として、でしょう。

「大阪から日本を変える」というキャッチフレーズの下、

彼の求める「ワン大阪」が実現した日には

リーダーとして

自由、大胆に戦後改革のすべての成果を擲(なげう)つに違いないです。


(2)ビジョンの欠如

彼の好きな言葉、もとい暴言の一つに

「くそ教育委員会」というのがあります。

市町村小学校学力調査の結果を個別発表させるためなされた失言なのでしょうか。

教育委員会を好きな人は、さほどいないでしょう。

思うに、それを見越した上での強がりです。

しかし、ぶっちゃけた話、

このお兄ちゃんには、ビジョンがないのですね。

その代わり、大変に臆病なわけです。

シャレにならんです。

臆病すぎるため、

かえって、荒ぶるんですな。

たとえば、次のような言葉に注視です。

「小さい頃からギャンブルをしっかり積み重ね、

全国民を勝負師にするためカジノ法案」を通して欲しい

(2010年11月12日「朝日新聞」発言)。

こんなことも言ってました。

「ダメ大阪市を徹底的に粉砕してやる!」

まるで駄々っ子です。

この方の力の拠り所は、国民の支持です。

ラジオ、テレビに出ずっぱりで

人気を博しています。

心酔している人は、弁護士会に彼の懲戒請求した弁護士を脅すなど、

違法・脱法行為まで辞さないほどです。

橋下知事が「大阪維新」と称する改革は、

大衆に支えられて成り立った昭和維新に酷似してます。

大衆を愚劣だと決めつける気はないです。

しかし、熱狂に煽られて心ない行動に走る人が大量発生する、それが大衆の属性だ、

というのは歴史の教えるところです。

「総統を泣かすな」

というのがナチスの合言葉でした。

それを思い出すべきです。

大人になってもガキ大将というのは、

おしなべて泣き虫と相場が決まってます。

そんな輩、遠慮なしに泣かしてやりゃあいいんですよ。

教育委員会が怪しからんとしても

それは、国家レベルでの教育政策の問題です。

「全国民を勝負師にする」という目標を平気で掲げる

人間に語ってもらいたくない話題です。


(3)統制・支配への固執

都市経営は都市が担うべきです。

そうあってこそ、自治と言えるのです。

しかし、政策とは“統制”だ、ぐらいのことしか

知事の脳裏には浮かばないのでしょう。

大阪市の外郭団体に関して、

「ガバナンス(統治)が何も利いていない、

やりたい放題だ。

府では絶対に認めない」(2010年10月10日「大阪日日」)

と主張し、平松市長を攻撃しています。

とんでもないことです。

こんな風に市政に介入し事業仕訳をなされたら、

自治の活力が枯渇し、

終には都市機能の崩壊に至ります。

確かに外郭団体は何をしてもいいわけではないでしょう。

しかし、知事がくちばしを差し挟んで意見を言うなど

もってのほかです。

地方自治の本旨って、

市町村自治の中にこそあるものなのです。

府県は、ミニ霞が関です。

府県の、府県による、府県のためにする自治って、

府県という名の“自治体”が音頭取りの主体であったとしても

地方自治の背理以外の何物でもありません。

大阪市の自治権は、戦前からの都市自治権拡充の

歴史的努力の賜物と言うべきです。

大阪市を飲みこもうとする府県主義は時代に逆行しています。

解体・再編成すべきとするなら、

それは大阪市でなく、大阪府でしょう。

許認可権をもって天下り人事をし、

市町村をあたかも府の下請け団体のごとく扱ってきた弊害を

未だに払拭し切れていないのではないでしょうか。


(4)デマによる民意の盗みどり

ヒットラーは、情報操作に長けていました。

橋下知事もなかなかのものです。

たとえば、2010年4月28日の記者会見で、

「大阪市の借金を消す案をいま一生懸命考えている」

と述べましたが、これまた気が抜けるほど、根拠がありません。

財政実態は、大阪府の方が遥かに悪いのです。

では、謙虚に反省するのとは逆に、

大阪市財政の攻撃をするのは何故でしょう。

府の赤字隠しを目的にした高等戦術、とまで言い切るのは、

高寄昇三氏です(「大都市構想と橋下ポピュリズム」岩波「世界」所収)。

負債残高をみれば、

大阪府は増え続けていますが、大阪市は減少基調です。

平成20年度を例にとれば、

人件費の削減率は、

大阪府5・2%、大阪市7・3%です。

データーを見る限り、

コスト・カッター(人件費等の経費削減者)としての実績は平松市長が上で、

橋下知事の敏腕ぶりは数値からは虚名としか言いようがないです。

知事としての責任から

逃れたいばっかりに口にしているごまかしという批判は免れません。

この点に関しては、マスコミにも責任の一端はあります。

消極的に、沈黙を守る形で知事を援護射撃しているように見えるからです。


これに関連して、

大阪都構想の可否論の前に、

府民が是非知っておくべき情報があります。

マスコミは、それを丁寧に伝えているとは到底、言えません。

その一つは、

「東京都に都政なし」と言われている現実です。

これ、流言飛語ではないんです。

毎日新聞のアンケート(2010年10月9日)によると、

ほとんどの区長が都政の効用を認めていません。

こういう記事っていうのは、

新聞社の垣根を越えて報道すべきなのではないでしょうか。

特別区は、市制をしき、

東京都を戦前の東京府に戻し、

東京都の東京一体性の事業は都市連合機構で処理すべき、

という内容の報告書までまとめられていると言います。

知ってましたか。

僕は、上掲の高寄氏の論稿で知りました。

橋下知事は、自分に不利なこの手の情報には触れません。

マスコミが暴露しないと、

知らぬ、存ぜぬで通されてしまいます。

もう一つ、

あまり論じられていない事実に

大都市の経済・社会的一体性を活用して、

公営企業の経営、都市基盤の整備、生活サービスの拡充をしてきた、ということがあります。

ことに、各区の財政力格差を市域内で財政調節するという役割が重要です。

大阪市を分割し特別区方式にすれば、

何とその財政力格差は一〇倍以上に及ぶそうです。

西成区のように、四人に一人が生活保護費受給人員という区の財政が

極度に窮迫するのは目に見えています。

交付税・交付金では財政調節するのは難しく、

このような貧困区は、ますます貧困になる財政メカニズムに苦悩することになります。

東京都の実態を参考にして言うと、

大阪市の税源の四割が大阪都税に組み込まれ、

特別区には固定資産税の課税権もなく、町村以下の自治権しか付与されません。

公営企業は大阪都が経営主体となり、

現在の大阪市の権限・財源・事業の多くが大阪都に取り込まれてしまいます。

それでいてなお、知事が

「小規模自治体になれば無駄がなくなり、

住民サービスが向上し、市民参加がすすむ」

とするのは、行政実態から遊離した空理空論でしかありません。


以上、橋下知事がなぜヒットラーに見えるのか、

その理由を説明しました。

2011年の統一地方選挙において

維新の会が躍進しようものなら、

地方権力の一元化が進み、確実に翼賛体制が形成されることでしょう。

何としても、そのような事態は、阻止したいものです。


さて、ここまで書けば、

自ずと知事が大阪維新の会を率いる意義は明白でしょう。

同会は、政治団体のような外観がありますが、

知事のシンクタンクの機能は持ち合わせていません。

単なる傭兵集団です。

言わば、人気の一欠片(かけら)でいいから分けて頂戴なと

よだれを垂れ流しながら、知事をつけ回している、くれくれ坊主の一団です。

知事のため何か悪さをするかもしれません。

ただ、分が悪いとなったら、逃げ出すことでしょう。

語るに落ちる人達ですから、相手にならないようにするのが一番です。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2011-02-11 17:50:09
大阪市を分割し特別区方式??
大阪都構想では市を解体して
市税は都が扱い各区に分配しますと
維新の会ではいうてましたよ。


返信する
☆Unknownさんへ (忠太)
2011-02-11 17:57:52
平たく言えば「山分けする」という発想ですか。
返信する

コメントを投稿