のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

薬の売り込み? ノー、ノー、病気の売り込みっす

2010年06月12日 21時14分54秒 | Weblog
デイヴィッド・ヒ―リー博士が今年1月に

「Crazy Like Us The Globalization」

という本を出版したそうです。

内容は、抗うつ薬SSRI(商品名パキシルなど)の告発書です。

医師の立場から書かれています。

SSRIは、世界各国で当然のように医療機関によって処方されています。

日本においても相当数の人が服用していることでしょう。

しかし、実は、アメリカでの銃乱射事件が引き金となって、副作用が注目され、

攻撃性や自殺リスクが増大すると指摘されています。

依存性も高いようです。

今回、博士が来日。さらに報告のなされたのは、

妊婦が服用すると、

胎児に先天異常(出生児欠損)を引き起こす可能性が強い、ということでした。


ところで、この危険な薬を販売している会社について、

僕は、てっきり本社はアメリカにあるものとばかり思ってました。

「週刊・金曜日」(6/11発刊)の

「金曜アンテナ」の記事(瀬下美和筆)で知りましたが、

イギリスなんですね。

数か月前、

NHKの番組で知ったある情報を、このブログで伝えました。

次のような内容でした。

精神科にうつ病患者が来院したとき、

イギリスでは、国の政策によって

患者を心理療法の専門家(精神科医ではない)に回すよう義務付けたというのです。

その報告の際に述べた通り、

これって、よく考えて見て、

精神科医に抗うつ薬を処方させないための方策です。

患者から薬を取り上げるのが困難ならば、

精神科医から薬の処方権を取り上げればよいではないかという、

180度、発想を転換した思い切った政策です。

逆に言えば、そこまで抗うつ薬によって引き起こされた被害は、

深刻だということになります。

イギリスにとって製薬会社は、外貨を稼ぐ自国の企業なわけです。

イギリスが母国として

本来なら、保護すべき自国産業であるのに、国内での活路を閉じる――、

このような政策を取ったということは、

よほどの悪なんです、この会社。

穿ち過ぎですかね。

でも、日本を例に取るなら、

国を挙げてトヨタをとっちめるようなもんです。

車がよほどの害悪と認識されない限り、そのようなことはしないでしょう。

車で、人が大勢、死にます。

しかし、必要悪だという見方が成り立つ限り、産業として保護されます。

そういうもんでしょ?

だとすると、製薬会社グラクソ・スミスクライン社という会社は、

SSRIという抗うつ薬を通して、母国、イギリスの国民に

必要悪の限度を超えた害悪をもたらす、つまり、よほどの悪だ

と判定された結果、と解してよいでしょう。

うつ病に苦しんでいる方に

SSRIという「夢」の薬をやめろ、というのも残酷な気がします。

しかし、製薬会社は、報告を受けるだけで、

副作用の被害実態さえ未だ把握していないと言います。

参考までに、製薬会社側の人達が

言いそうなことを思いつくまま、以下に羅列して見ます。


「副作用? なんです、それ? あるんですか、そんなもん?

いやあ、驚きましたな。

・・・うつ状態でも新聞を読む人がいるっと。はい、記録しておきましたよ」


「副作用ねぇ、考えたことがないです。

正式な報告文書でもあればいいのですがねぇ」


「仮に副作用と見えるものがあったとしても、

それは誤診に基くものでしょ。

医師の技量についてまで、当社が責任を負うのですか」


「我々の耳に届くのは、ありがとう、

お陰で命が助かりました、という感謝の言葉だけです」


「考えれば、医師の皆さんにも気の毒なことです。

勝手に服薬を中止した患者が悪いのに、責められています。

薬の値打の分かる優秀な医師の下で、

患者は、黙って薬を飲み続けておればよいんですよ。

医師が認めたときだけ、薬を止めたらよろしい。

我々は、医師のそういう判断についてまで反対しません。

投薬量が多いようなら、

医師の指示に従い、徐々に薬を減らせばいいのです。

当社の添付書類に記してある通りです。

それならば、何の支障もありません」


「薬効を疑うから病気がいつまでも治らない。自業自得ですな」


「薬を一挙に止めた方がいいというのは、素人の意見でしょ?

もし、一挙に投薬を中止したら、

あなたの意識は、『一挙に薬を断った』という事実に固着されてしまいます。

その結果として、大量服用する危険があり、

薬が効きすぎるということにもなりかねないのです。

医者がそんなことも考慮せず、あくまで一挙にということにこだわるようなら、

さっさと別の医者にかかりなさい。その方が無難です。

あなたを診たという、その医者、精神医療については、ただのヤブですから」


「うつ病というのは、『心の病』だという理解があります。

しかし、そうじゃないんです!

この病気は身体の病気、つまりね、脳の器質的異常から起きる病気なんですよ。

直そうと思ったら、脳をいじくってやるしかないじゃないですか。

そのための効果的な方法が抗うつ薬の投与なんです。

言葉で脳がいじくれますか。

いじくれると考える人は、疑似科学の信奉者です」


などなど、論点のすり替えや飛躍、

いろいろな言い訳、言い逃れの口実があります。

つまるところ、薬が産み出す副作用について、

「実態を知らない」のが最大の防御になってる、というわけです。

確かに、「分からん」とおっしゃるという方を相手にしては攻めあぐねます。

また、これ等の主張は、

質(たち)の悪い左翼が奉じる唯物論的な発想、主義とも相性が良いようです。

そのねちっこさは、

製薬会社グラクソ・スミスクライン社が

うつ病キャンペーンでは数百万ドルかけるにもかかわらず、

副作用の実態調査に消極的なことと、きっと無関係ではないでしょう――、

はっきり言わしてもらうと、

こんな製薬会社に都合のいい屁理屈がまかり通る世の中であることが、

彼らをして、胡坐(あぐら)をかかせる真の原因でしょう。

(博士を日本に招聘(しょうへい)した薬害オンブズパースン会議は、

グラクソ・スミスクライン社に副作用の調査をするよう要望を伝えたそうですが)。


改めて考えてみて、

この会社、本当に誠意を期待できないな、という印象を持ちました。

しかしまた、製薬会社に寄りかかり、

副作用の脅威を知らぬ存ぜぬで押し通そうとする日本の精神科医は、

もっと誠意に乏しいのではないか、とも思いました。

上記ヒ―リ―博士には

「抗うつ薬の時代」(星和書店刊)という翻訳本があるようです。

うつであるか否かに関係なく、

現代人にあっては、誰にも一推しの本なのかも、です。




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