のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

蝙蝠のこと

2008年02月27日 19時05分55秒 | Weblog

蝙蝠(こうもり)来い
簑(みの)着て来い
行燈(あんどん)の油に火を持つて来い
……………………

岡本かの子著「蝙蝠」の一節だ。昔は、日本にも一杯、蝙蝠がいた。しかし、今や絶



滅危惧種に指定されている。

だが、日本で、この生き物がパンダやコウノトリと同じような温かな目で保護される

日は来るのだろうか・・・


蝙蝠の知られざる一面を、記したい。

おおざっぱに言うと、大型と小型にまず分類される。吸血鬼の手下のように扱われて

いる大型種は、実は、果実しか食べない菜食主義者だ。

小型種の中には、血を吸うモノもいる。ただし、ちょっと傷をつけて舐めるような形

の摂取の仕方だ。もちろん、ウィルスの感染が心配だから安全というわけではない

が、普通に思われているような残忍さは持ち合わせていない。体重は、わずか6g、

一円玉6枚ほどの重さだ。梟や鷹に捕食されるのが運命のような、弱い動物だ。


結局のところ、蝙蝠たちは、人間にとり脅威であるどころか、思いの外、多くの恩恵

を授けてくれている。

古くは、アメリカなどは蝙蝠塔をまず作ってから西部開拓を始めた。蚊などの虫被害

を避けるためだ。日本でも、蝙蝠塔のようなものこそ作っていないけれど、害虫駆除

には蝙蝠の力を借りてきた長い歴史がある。

近くでは、飛行機が発明された頃、こぞって人間は、蝙蝠の姿態をコピーした。レー

ダーも蝙蝠から学んだ知恵だ。忌み嫌うのはあまりに恩知らずな行為と思う。



蝙蝠は、平安時代”加波保利”と記されていたようだ(本草和名)。そのことと直接

関係あるかどうか知らないが、以前に住んでいた僕の家の近所に「河堀神社」という

神社があった。

(蝙蝠が一杯いたんかな・・・)

蝙蝠は、広葉樹林の樹穴を住処にしたりする。その樹穴が減るのは時代の趨勢だろ

う。しかし、ほうっておいていいものかと、自分の住んでいた地域の問題としても

胸痛むものがある。



蝙蝠の保護に多くの人が動くには、ヨーロッパからもたらされた偏見とまず戦う必要

があるだろう。騙されたと思って、下記のURLにアクセスして、蝙蝠の優雅さと安

らぎのある光景を堪能していただきたい。ひとりでも多くの人が

「蝙蝠って、かわいいやん」と感じるようになることを願う。

http://www2r.biglobe.ne.jp/~fruitbat/ 

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