のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

「救済」の代価

2012年08月29日 23時09分40秒 | Weblog
☆ 動画「民主主義を踏みにじったギリシャ 」 (2011.11.03放送)

http://democracynow.jp/video/20111103-2

翻訳:小田原 琳 字幕動画


動画にマイケル・ハドソン(Michael Hudson)

という方が登場します。

この人、

ミズーリ大学カンザスシティ校の経済学教授です。

長期経済動向研究所の所長をしてらして、

『超帝国主義国家アメリカの内幕』の著者のようです。





<解説>

日本にとって、

とても他人事でない欧州債務危機。

ギリシャの財政赤字拡大に端 を発しました。

2011年、

秋カンヌで開かれたG20サミットの中心議題にもなりました。

日本人には、

「デフォルト」って言葉が

難解かもですね。

債務不履行のことです。

えっ?

余計に分かりにくくなりましたか。

簡単に言えば、

ギリシャが発行している

国債が

返済不能になる

ことだって

考えて下さればよろしいかと

思います。

ヨーロッパの国々は、

仲がいいので、

財政支援を行うことになりました。

もちろん、緊縮財政政策を求めた上です。

ユーロを使い続けるかぎり

ギリシャは、

ヨーロッパ諸国の一員として

ユーロ―を使う限り、

独自の通貨政策が取れません。

ただし、かつて国際通貨基金(IMF)が

第3世界に押し付けたような政策をやむなくとれば、

ギリシャ経済は、

壊滅的な打撃を受け

向こう10年は立ち直れません(*-1)。

かくして

ギリシャにとって

大きな問題は、

EU(欧州連合)の支援策を受け容れるかどうかです。

計画停電を思い出すと、

どれほど

同国にとって

真剣に議論すべき事柄かが分かります。

国民生活に決定的な影響を及ぼすこと間違いなしの

緊縮財政政策を

飲み込むかどうか、という問題です。

国民生活第一のギリシャのパパンドレウ首相は、

問題解決を図るべく、

国民投票にかけようとしました。


[ギリシャのパパンドレウ首相]


立ちはだかったのは、

G20首脳達です。

ギリシャのこの指導者、

パパンドレウ首相に集中砲火を浴びせました。

(ユーロの安定が害されるじゃないか)

みんなの思いは、

この一点でまとまっていたようです。

背景を説明します。

ギリシャ国債の最大の保証人になってい たのは

米国の投資信託(MMF(*-2))や

ヘッジファンドでした。

これらの金融機関は、

欧州の銀行がこわがって手を出さなかった

リスキーな国債に逆張りをかけて

保証証券(CDS(*-3))を売りまくっていました。

ですから、

もし、ギリシャが返済不能になれば大損してしまいます。

このウォール街のばくち打ちには

困ったときの星条旗頼みが

皮算用として、組み込まれていたようです。

日本でも、

国旗頼みで

横車を押す人がいますね、

あれと似てます。

「御免なすって」

と言ったかどうかは知りませんが

ウォール街の期待を背に受けて

ガイトナー 財務長官や

オバマ大統領が欧州に出向きます。


[ガイトナー 財務長官]

ガイトナー 財務長官やオバマ大統領の

用件というのは、

「ギリシャには情け無用で行きましょうや」

というウォール街の

仁義なき期待を伝えることです。

要するに、

アメリカのお役人たちとしては、

EU諸国が

ギリシャに債務減免したりしなように出張ったわけですな。

「わかってると思うけど、

言うこときかんかったら、われ、締め付けるで」

という脅しをかけ、

ギリシャに血を流させろと命じたということです。

こうした状況の下、

ギリシャで起きた民衆デモは、

ニューヨークの ウォール街占拠とまったく同じです。

民主主義を踏みにじる

グローバル金融資本への 反発が原動力になっているのです。

結局、国民投票は行われませんでした。

(野郎、ケチつけやがって)

パパンドレウ首相は、

内閣信任決議が可決されたものの、

左右 両派の合意で

大連立政権をめざす形で辞任したと言います。

2011年11月に

ルーカス・パパディモス氏を首班とした新政権

(PASOK,新民主主義党、及び国民正統派運動による連立内閣)

が成立し、

2012年5月 にEUの第2次支援が合意されました。


[ルーカス・パパディモス氏]

パパディモス氏は、

元ギリシャ中央銀行総裁 で、

欧州中央銀行副総裁も務めたお人でもあります。

しかし、同月の選挙で

この連立与党は過半数割れ起こしました。

この後、6 月の再選挙で、

第一党になった新民主主義党のアンドニス・サマラスが

首相となり、

民主左派の連立政権が発足しました。


[アンドニス・サマラス首相]

欧州中央銀行(ECB)から評価を得ようと、

政府資産を売却したり、

歳出を削減し、

支援確保をめざし財政目標達成に励んでいます。

財政は、黒字に向かうでしょうか。

予断を許さないです。



(*-1) 10年は立ち直れません:IMFが第三世界に押し付ける政策は、途上国の債務を円滑にし、第三世界の富が先進工業諸国の銀行へと間断なく流れるようにしている。この富の移転は第三世界の多数派の貧困層に破壊的な結果をもたらした。  ――古森義人著、『国連幻想』(産経新聞社刊)

(*-2) MMF:(Money Management Fund)の略

(*-3) CDS:「Credit default swap(クレジット・デフォルト・スワップ)」の略称。リスクを回避するために開発された金融商品の中でも、企業の債務不履行(デフォルト)を対象にしたもの。要は「企業が倒産して借金が棒引きになるかもしれないことに対する保証・保険を金融商品化したもの」と説明すれば分かるだろうか。

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