のんきに介護

母親と一緒の生活で、考えたこと書きます。

井戸川双葉町長の訴えと近況報告

2013年01月21日 07時50分04秒 | Weblog

2012年7月10日、参院であった双葉町町長の

被曝情報隠しに関する

訴えを録画した映像を紹介します。

下記ビデオ、6:30から

井戸川町長の証言を見れます。

  ☆ 動画リンクURL:

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Dz5wpxtDIOM

さて、今月20日、

福島県双葉町の井戸川克隆町長が

緊急入院した

との情報が入って来ました。


 ――東京電力福島第1原発事故で埼玉県加須市に役場ごと避難している福島県双葉町の井戸川克隆町長(66)は20日、宿泊先の同県郡山市のホテルで「頭が重い」と職員に訴え、市内の病院に入院した。意識はあり21日以降に検査するという。【神保圭作】(毎日新聞 1月20日<福島県双葉町>井戸川克隆町長 体調不良を訴え入院」参照)。――

2012年12月20日、

井戸川町長は、

不信認決議を議会から受けました。

この件が

健康に影響したんでしょうか。

遡って調べますと、

「町長は町民の声をきく努力をせず、町民との考え方にかい離があり、自分の考えに固執している。・・・それに比べて議会は、多くの町民の声をきいてきた」


「復興のためには福島県の汚染から出る放射炎汚染土壌やがれきの処分問題は避けてはとおれない。それなのに十一月二十八日の中間貯蔵施設の現地調査を議論する会議に、町長だけが欠席し、福島県や町を落胆させた」

という批判を

岩本久人議員から受け、

不信任動議を突き付けられたようです。

これに対し、

町長は、

「町民の不満が解消されないのは、事故責任者が我々を放置していたからに他ならない。健康問題、賠償問題など、町民に損をしてほしくないという思いで精いっぱい尽くしてきた。まだまだやるべき仕事が多くある中で、不信任は残念でならない。町民どおしがいがみあうことなく、一丸となって戦えるような仕組みづくりに、議会の皆さんは力を尽くしてほしい」

と反論したらしいです。

この後、「質疑なし」「討論なし」で、

本当にあっけなく採決になってしまったと言います。

傍聴者の堀切さとみ氏

映画『原発の町を追われて~避難民・双葉町の記録』制作者)は、

「自分はただ傍聴しているだけで、

何もできなかった痛恨の念があり、この数日間、ただただ呆然としていた」

という反省とともに、

「何か仕組まれたものを感じた。なぜ今、不信任なんだろう・・・」

と疑問を投げかけていらっしゃいます

(「『正しいことしてるから叩かれる』

~双葉町・井戸川町長を応援してください!」参照/ンク)。

このサイト記事を書かれた方の文章には、

町長への共感が

溢れかえっています。

不覚にも泣いてしまいました。

以下転載します。

 

――井戸川町長を解任しようという動きは、これまでに二回あった。 理由は「町長は独断的だ」「役場が県外にあることで、県内に避難している町民は不利益を被っている」というものだ。町長は、双葉町民は県内・県外避難者の対立を深刻化させないために苦渋の決断として、役場の福島県内移転や、旧騎西高校の弁当の有料化などを決めた。にもかかわらず、三度目の不信任案が十二月二十日に出され、あっという間に八人の議員全員の賛成によって、可決成立してしまったのだ。誰かに頼まれたかのように、何の迷いもなく。

 

3・11の直後。井戸川町長は、町民を内部被ばくのリスクから遠ざけるため、役場を福島県外に移し、埼玉県の旧騎西高校に多くの町民を避難させた。私はそんな双葉町に共感し、握手したい気持ちで取材を始めた。

 

騎西高校は唯一残った避難所として、今も160人の町民が暮らしている。一方、福島県内では佐藤雄平知事、福島県立医大を中心に事故の被害を最小化するためのキャンペーンが張られ、「除染をするから帰還せよ」という政策がとられ続けてきた。井戸川町長はこの安易な帰還政策に反対し「チェルノブイリ基準」を示しながら「福島県内の多くの場所は、今なお人が住んではいけない汚染状況にある」と訴え続けた。すべては、目に見えない放射能から、子どもたちの未来を奪ってはならないという思いからだ。

 

十月にはジュネーブで、放射能汚染による内部被ばくから町民を守ろうとしない国の無策ぶり、無責任さを訴えたが、本来これは福島県知事がやるべきことだ。しかし実際にはそうはならず、小さな町の首長がたった一人で告発しに行くしかないということが、この国の惨状を示してあまりあると思う。

 

福島県内の自治体の多くが、帰還政策に追従していく中で、井戸川町長は、町民の命と権利を守るために孤立無援で闘ってきた。そんな町長の存在は「福島は安全だ」といって事故の責任をうやむやにする国、県、東電にとって、目の上のたんこぶだったに違いない。だからといって、国や東電が井戸川おろしをするわけにはいかなかったのだ。

 

岩本議員は「町長は町民の声を聴く努力をしていない」という。こんな言葉が、双葉町民から出てくることに愕然とする。何を根拠にそう言うのか。町長は福島県内の仮設を回って懇談会をしてきた。仮設を回る回数が足りないというなら、もっと回ればよかったのか? そして、そういう町議こそどれだけ町民と向き合ったのか。

 

3・11直後の福島第一原発の爆発のとき、避難できず町にとり残された三百人の無念さを背負い続け、町民すべての被ばく検査が終わるまで、自分は検査をしないと言いはる町長を、私はとても暖かい人だと感じるのだが。よその人間が双葉町のことを見つめているのに、双葉の議会が町長のしてきたことを認めないというのは、・・・ちょっと度量の狭さを感じてしまう。

 

中間貯蔵施設の会議に出なかった町長のことを「自分の町、自分の考えだけでコトにあたろうとした」と岩本議員はいうが、自分の町のことを考えることがなぜ悪いのか。岩本議員は誰と向き合っているのだろう。町民感情の頭越しに着工を急ぐ、県と向き合ってるのかな。また町議たちは、町長が主張している「町民の健康問題」については、何も見解を言わない。私は町議ひとりひとりにそれを聞きたいと思う。井戸川町長にインタビューしたとき、「私は反原発ではない。ただ、日本を滅ぼしたくないだけだ。健康な子孫を残すということが大事で・・・・」と語った。そのことに対して、どうして誰も共感しないのだろうか。反論でもいい。なぜかかわろうとしないのか。

 

佐々木清一議長に至っては、議会の後の記者会見で「国とけんかするのも、放射能について言及するのもいいが、町民を一つにすることを考えるべき。自分ひとりの考えでなく、町長としてやるべきことは双葉郡をひとつにすることだ」と言った。自分の考えもなしに県のいいなりになることが、町民に向き合うこととどう結びつくのか。町民の頭越しに中間貯蔵施設を作ることを前提とする会議に対し「自分は反対だ」と表明することも許されない。・・・原発事故の最大の被害者である町の議長が、それを許さないのだ。とにかく歩調を合わせることが大事なのだ。こんな議会がどうして、町民のやるせなさに向き合えるんだろう? 前代未聞の世界的な原子力災害に対し、本気になって向き合う井戸川町長に、追いつける人は双葉町議会にはいない。

 

不信任が決まったことを知った、旧騎西高校の避難所の町民たちは「あんなに頑張ってくれてる町長なのに、本当に許せない」と、悔しさを隠せない様子だった。泣き出す人もいて、つらかった。傍聴席から「町長は町民思いだ!」と叫べばよかったのに、できなかった自分を苛んだ。しかしこの不信任決議は、マスコミの報道とは別にどんどん広がり、多くの人が井戸川町長にエールを送っている。そして今、町長不信任に抗議する、双葉町民の署名活動が始まった。「双葉の人間はおとなしい」と言ってきた人たちが、動き始めているのだ。日本社会はちょっとだけ成熟している・・と思う。

 

井戸川町長は、自分のしていることがすぐには理解されないことを知っている。そして、個人が自分の考えを表明することが、民主主義の基礎だということも。こんな人が、双葉町の中から登場してくることが、未来を作ることになる気がしてならない。――

 

思うところのある方に

今一度、

読んで頂きたく、

双葉町のホーム・ページにある

井戸川町長の挨拶を

紹介したく、引用します――。

☆ 引用元URL:http://www.town.futaba.fukushima.jp/message/20121220.html/

町民の皆様へ

 町民の皆様、皆様の苦しみは計り知れないものです。毎日、皆様と話し合いができれば良いのですが、なかなか叶えられませんことをお詫び申し上げます。


 私が一番に取り組んでいますのが、一日も早く安定した生活に戻ることです。双葉町はすぐには住めませんが、どこかに仮に(借りに)住むところを準備しなければなりません。そこで、国と意見が合わないのは避難基準です。国は年間放射線量20mSvを基準にしていますが、チェルノブイリでは悲惨な経験から年間5mSv以上は移住の義務と言う制度を作りました。

 私たちは、この事故で最大の被ばくをさせられました、町民の皆様の健康と家系の継承を守るために、国に基準の見直しを求めています。この基準がすべてです。仮に住む場合は安全でなければなりません。子供たちには、これ以上被ばくはさせられませんし、子どもたちが受ける生涯の放射線量は大きなものになります。事故から25年が経ったウクライナの子供たちには働くことができないブラブラ病が多く発生しているそうです。

 私はこのようなことが一番心配です。町は絶対に事故を起こさないと言われて原発と共生してきました。しかし、今は廃虚にさせられ、町民関係も壊されました。自然も、生活も、生きがい、希望やその他すべてを壊されました。一方どうでしょう。これほど苦しんでいる私たちの思いは、皆さんが納得いくものになっていないのです。これを解決するのが先だと訴えています。


 私が皆さんに多くの情報を出さないと叱られていることは十分承知しています。出したくても出せないのです。納得のいくような情報を国に求めていますが、出してこないのです。国とは隠し事のない交渉をすることを求め続けてきています。町民の皆様を裏切ることは決していたしません。これから多くの情報を出していきます。


 放射線の基準に戻りますが、ICRP(国際放射線防護委員会)勧告を採用していると国では言いますが、国際的に採用している訳ではありません。ヨーロッパには独自の基準があり、アメリカでも自国の基準を作って国民を守っています。最近のICRP勧告では日本を非難しています。もう1~20mSvを採用しなさいと言っています。これは大変なことで、区域見直しも賠償の基準も変わってきます。


 このような中で冷静にと言っても無理かもしれません。このような環境に置かれているのだから、皆さんの要望を常に政府、与党には伝えてきました。政争に振り回されて進んでいません。

 福島県内に避難している町民を県外に移動してもらう努力はしましたが、関係機関の協力は得られずにいます。しかも盛んに県内に戻す政策が進行しています。県に理由を聞いても納得のいく返事は来ません。町民(県民)の希望を国に強く発信して頂きたいと思います。


 町民の皆さん、損をしないでください。財産には目に見えるものと見えないものが有りますので、区別しなければなりません。目に見えるものは形や重みのあるもの価値が直ぐに判断できるものです。見えないものは未来です。一番心配なのは健康で、被ばくによる障がいであります。ウクライナでは障がいに要する費用が国家の財政を破綻させるような事態になっています。今のウクライナが25年後の日本であってはならないのです。子供に障がいが出ればとんでもない損害です。この見えない、まだ見えていない損害を十分に伝えきれていないもどかしさがあります。まだ発症していないからとか、発症したとしても被ばくとは関係がないと言われる恐れがあります。水俣病のように長い年月をかけて裁判で決着するような経験を町民の皆さんにはさせたくありません。

 昨年の早い時期から町民の皆さんの被ばく検査を国、東電、福島県にお願いし、被ばく防止も合わせてお願いしてきました。しかし、思うようになっていません、原発事故による放射能の影響下に住むことについて拒むべきです。


 損について一部しか言いきれていませんが、一番大きなこと、何年で帰れるかについて申し上げます。今は世界一の事故の大きさのレベル7のままだということ。溶けた核燃料の持ち出し終了が見通せないこと。処理水をどうするのか、核物質の最終処分はどのようにいつまで終わるのかなど多くの要因を考慮して、木村獨協大学准教授が最近の会議の席上、個人の見解として双葉町は場所によっては165年帰れないと発言しました。私には可か不可の判断できませんが、大変重要な言葉だと思います。半分としても80年だとしたら、この損害は甚大なものです。

 また、被ばくの影響についても責任者に対して担保をとっておく必要があります。


 中間貯蔵施設については、議論をしないまま、調査だから認めろと言いますが、この費用の出どころを確かめることが重要です。この施設は30年で県外に出すと国は言っていますが、約束は我々とはまだ出来ていません。この施設の周りには人が住めません。六ヶ所村では2km以内には民家がないようで、双葉町では町の中心部が殆ど入ってしまいます。では、どうするのかの議論が先です。ボーリング調査を行うのは着工です。予算の構成を見ますと、整備事業の下に調査費が付いています。これは行政判断としては着工になります。着工の事実を作らせないために、私は非難覚悟で止めていることをご理解ください。

 十分すぎるほど議論して町民の皆さんの理解の下に進めるべきです。日本初の事業です。双葉町最大の損害で、確かな約束を求める事をしないまま進めてはやがて子供たちに迷惑をかけます。新政権とじっくり話し合いをして、子供たちに理解を貰いながら進めます。このように、私たちには大きな損害があることをご理解ください。


 寒さが一段と厳しくなりました、風邪や体力の低下に気をつけて予防を心がけてください。これからもお伝えします。


 平成24年12月20日

双葉町長 井戸川 克隆 


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