のんきに介護

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原発労働者が語る(5)/「俺たちは使い捨て」-南相馬の復興ために

2013年01月04日 00時59分02秒 | Weblog

(続き)

 

【Ⅴ】南相馬の復興ために

――原発に批判的なったのは

 それは、事故後のこと。
 政府とか、原子力保安院の対応とか、東京電力の対応とか、マスコミで流れる情報だけでなく、自分自身で電話をして、「あれはどうなの?」と聞いても、全然、誠意ある答えが帰ってこなかった。
 ホールボディーカウンターの問題。俺は、3月、4月の段階で受けておかないと、将来、補償問題になったとき、証拠が残らないなと思って、まず福島大学に問い合わせたら、「受け付けていません」。県の放射線にかんする窓口に相談すると、あっちこっちの病院の名前を教えてくれる。そこに全部かけても全部断られる。
 「なんでホールボディーカウンターを受け付けてくれないんですか」って聞いたら、「いま、ここに住んでいる住民は内部被ばくの可能性はないから、検査する必要がない」、全部の病院・機関が、口をそろえて同じことを言う。
 「なんか根拠あるの」と聞いても、「いやその可能性はないので」。
 その後、福島第1原発近くに自宅があり、事故後に家族の避難などのために帰宅したり、福島第1、第2両原発から他原発に移った作業員が、何千人も内部被ばくしていたという報道があった。それが出てからもう一度、同じ所に電話をかけまくった。
 「何日間とか何時間しかいなかった人間があれだけ内部被ばくしているのに、何で俺らはしていないと言い切れるのか」
 そしたら、「さあ、そういう情報があるんですか」と、保安院がいってたからね。発表したのも保安院の委員長だったんだけど。
 あの対応で、「ああ、もう信じられない」と思った。その前から体質はわかっていたけど、あそこまでヒドイとは。

・・・略・・・

 ――県外の人たちへ一言

 この間、テレビのインタビューを受けた。「これから、被災地にどういう支援を望みますか」って質問をされた。
 たしかに食糧や水をもって来てくれたこととか、ガレキ撤去に来てくれていることとか、すごくありがたい。
 ただ、こういうこともある。
 南相馬市民が、どんなに一致団結して騒いだって、たかだか何万人。
 全国の人間が、一斉に声をあげてくれないと国は動かない。「その声をあげてくれることが一番の復興の近道だと思います」ということを言った。

・・・略・・・        
 物資支援やガレキ撤去もあるが、それよりも、国を動かしてもらう、それに力を貸してもらえる、というのが、被災地にとっては、一番、復興への力になるのかなと思う。

(了)


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