のんきに介護

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原発労働者が語る(4)/「俺たちは使い捨て」-東電の腐敗と恐怖支配

2013年01月04日 00時58分37秒 | Weblog

(続き)

 

【Ⅳ】東電の腐敗と恐怖支配

(08年、民主党の国会議員が福島第二原発を視察。写真中央が、後に経済産業大臣になる直嶋議員)

ヘルメットを被せてあげる

 東京電力の闇というか恥部を見てきたね。とくに検査は恥部を見ちゃう仕事。
 それから、見ていて一番、見苦しかったのは、通産省の役人が、立ち会いに来たとき。
 「こちらにどうぞ」って椅子に座らせる。
 東京電力の社員が、3人も4人も寄ってたかって、おろし立てのピッカピッカのヘルメットを「失礼いたします」って、被せてあげて、顎ひもまで締めてあげる。
 そして「失礼いたします」って靴も脱がせて、新しい靴を履かせるあげる。
 本当に重要な部分に、役人でもエライさんが来るときね。

 殿様、殿様以上だね。だってこうやって座っていればいいんだから。そうすると、東京電力の社員が「失礼いたします」って。
 「おめえ、靴もはけねえのか」って、俺らは、冷ややかに見ている。
 原子力のことを何も分からない役人が、「これは、こうなんですね」と東京電力の適当な説明を受けて、「あー、オッケー、オッケー」
 俺らは、「ほんとに?それでいいの?何にも見てないじゃん」
 まあ、あとは、仕事が終わってから接待。電力さんに連れられて。
 それも見ていたら、本当に嫌になるね。そこで働いている自分のことが情けなくなってくる。
 電気をつくるとということがメインで、それには、誇りもあった。だけど、ああいう人たちのために、俺たちが、こうやってヒドイ思いをしているのかと思うと、ほんとに情けない。

ヤクザが幼稚園児に見えるくらい怖い 

 俺の名前が出ちゃうとマズイね、やっぱり。ものすごい圧力が来るだろうから。東京電力はおっかない会社なんで。 
 実際、消させる人間もいるからね。自殺に見せかけて。どう考えても状況的におかしいだろうというのがあるからね。すべてがグルだから。人が殺されようが、何しようが刑事事件になんないから。
 そういう中で、みんな暮らしているし、会話するにしても、何するにしても、そういうのが、心の縛りになっている。
 怖いよ。その辺のヤクザが幼稚園児に見えるくらい、怖い。
 なんせ、電力会社、国、ヤクザ、銀行。一体のものだから。そこに狙われたら、もう勝ち目はない。
 殺されないまでも、何かあったら、逃げられない。
 佐藤栄佐久知事も逃げられなかった。プルサーマルを容認しなかっただけ。それで抹殺された。からんだ会社が水谷建設。発電所の建設には必ず水谷建設がからんでいる。
 町全体にはそんなに恐怖感はないけど、原発に携わっている人間が恐怖感を持っている。そして、原発に携わっている人間がたくさんいる。
 いまでも電力会社に勤務している人間は、へたなことを言ったら、自分の生活がなくなる。殺されるまでは行かないけど、仕事がなくなって、生活ができなくなる。となると言えない。
 俺のように、これだけ話すのはまれ。いまも仕事をしている人は、こういう話をするのは無理。もしばれたら、大変なことになる
 俺だって、ずっとこうやって話し続けたら、脅迫とか、それなりのことはあるんじゃないかと、想像をする。
 普通の会社で、内部告発をして、どっかに飛ばされるというレベルではない。
 この支配をうち破っていくことは相当に難しいと思う。
 それを変えようと思ったら、国民全員で騒がないと。それくらいのことがないと、かわらないんじゃないかと思う。

(続く)


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