「社会的責任を果たす医師の会」元会長という
アイラ・ヘルファンド博士という方からの投稿記事が
25日朝刊の毎日新聞に載っていました。
それによると、
福島原発のそれぞれの原子炉には、
広島型原爆の1000個分の放射性降下物に匹敵する
放射性物質があるとのことです。
1945年8月6日に広島に落とされ原爆で燃えたウランは
約800グラムです。
それの1000倍というわけですね。
福島第1原発は、全部で6基ありますから、
その量の6倍が放射性物質の総量だということになります。
単純計算して4800キロです。
チェルノブイリは、
出力100万キロワットの原発で
1日約3キロのウランを燃やしていたと言います
(「週刊・金曜日」前出記事、広瀬隆・文「原発震災」参照)。
ところで、
体内被ばくが怖い理由として、
テレビでなされる専門家と称する人の説明を鵜呑みにして、
僕が前に投稿した記事の説明――「ベクレルとシーベルト」――では、
“放射性物質が体内に残留する不安”というレベルでしか
体内被ばくの危険度に触れられていません。
しかし、もっと違う観点から、人体にとっての脅威を分析する必要があるようです。
「放射線は距離の自乗に反比例して強さが決まる」と、
僕は「『動』中の『静』を見極める」という記事において述べました。
外部被ばくの場合は、安心材料です(注、この考え方は修正しました。下記リンク記事参照)。
しかし、この物理法則が
体内被ばくの場合は、
恐怖の材料にしかなりません。
数値を挙げて、具体的に説明しましょう。
1マイクロシーベルトの放射性物質が1メートルの距離にあったとします。
さて、あなたは、それを食べたとします。
体内に取り込まれた放射性物質との距離はと言うと、
ミリでは計れません。
ミクロンの単位で測定するしかない距離です。
1メートルは、1000ミリ。
1ミリは、1000ミクロンです。
距離の2乗に反比例するということは、
近づくのですから、
1000×1000の2乗倍ということです。
計算すれば分りますが、何と1兆倍です。
それだけ危険度が増すということです。
放射性物質は、たとえ1粒飲んだだけであっても、大変な被害を被ります。
「週刊・金曜日」に
記事を投稿されている広瀬氏が
体内被ばくした際の
年齢との関係を示した
京都大学の原子炉実験所のグラフを
挙げておられたので、紹介します。
見て下さい。
※クリックすれば、大きく見えます。
単位の意味が飲み込みにくいと思いますが、
縦軸の「がん死/1万人・シーベルト」というのは、
人数と被ばく量をかけ合わせたものに対するがん死者の比率です。
1ミリシーベルトを1万人が受けたか、
10ミリシーベルトを100万人が受けたことを想定して、
がん死者の比率を棒グラフで表しています。
これを見ると、
0~10歳児までが突出して多いのが
視覚的に理解できると思います。
政府は、
放射能汚染が認められた水道水は乳児に限って飲ませるな、
と行政指導してます。
この政策が如何に危ういものであるか、
上に紹介した棒グラフが雄弁に物語っています。
くれぐれも10歳以下の子供には飲ませないようにして下さい。
お願いします。
そしてできる限り、僕のこの記事、緊急に拡散して下さい。
※注 「放射能の強さは、距離の逆自乗・逆三乗で減るか」
そのリスク計算の根拠は、実は広島・長崎データであり、現在のサイエンティフィック・エビデンスでもあります。
ゆえに、忠太さんの提示する「10歳以下」に強く賛同します。
本文で紹介したJ・ゴフマン博士が何を根拠にしてグラフを作ったのか、謎でした。
はっきりとご指摘して下さる方がいると助かります。